太陽光発電設備の盗難対策は、侵入を検知する設備、死角を減らす管理、定期的な見回りを組み合わせることが基本です。屋外に露出したケーブルや地上設置機器がある設備では、まず現状の管理方法を確認します。
金属盗は2020年から大きく増えた
警察庁の2025年版警察白書によると、2024年の金属盗の認知件数は20,701件でした。金属盗対策法の概要資料では、2020年の約4倍、2024年の被害額は約140億円で、窃盗全体の被害額の約2割とされています。
警察庁は、太陽光発電設備からの銅線ケーブル盗を代表例として挙げています。ケーブルそのものの損害だけでなく、切断による発電停止や交換工事の影響も考える必要があります。
出典:警察庁「令和7年版警察白書|金属盗対策」、警察庁「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律(概要)」
設備の場所に合わせて対策を組み合わせる
警察庁は、防犯対策の例として機械警備、定期的な見回り、多言語による注意喚起を挙げています。茨城県警察は太陽光発電施設の管理者向けに、次の対策を案内しています。
| 確認する場所 | 警察が示す対策例 | 管理時の見方 |
|---|---|---|
| 敷地への侵入 | 機械警備を導入する | 異常を検知した後の連絡先まで決める |
| 設備周辺の死角 | 防犯カメラや侵入検知システムを複数導入する | カメラの台数だけでなく、撮影できない範囲を確認する |
| フェンス・敷地 | フェンスを整備し、雑草を生い茂らせない | 管理が行き届いている状態を保つ |
| 日常管理 | 定期的に見回る | 切断跡や設備異常には触れず、変化を記録する |
出典:警察庁「盗難の防止に資する情報の周知について」、茨城県警察「金属盗難に注意!」
住宅用では危険な自己点検をしない
警察の案内は、広い敷地を持つ太陽光発電施設の管理者向けの内容が中心です。住宅屋根の設備では、地上から見えない配線を確認するために屋根へ上ることは避けます。
NITEは、住宅用太陽光発電設備の破損や断線したケーブルによる感電に注意を促しています。ケーブルの切断や機器の破損に気づいても、配線や機器には触れず、警察と設備の管理・施工事業者へ連絡します。設備の構成と配線の役割は住宅用太陽光発電の機器構成、安全に確認できる異常の兆候は保守点検の確認項目で整理しています。
出典:製品評価技術基盤機構(NITE)「住宅用の太陽電池発電設備の事故に注意」
不審者・被害を見つけたときの順番
- 不審者の特徴や車のナンバーを、安全に確認できる範囲で記録する
- 不審な行為や被害を見つけた場合は110番通報する
- 切断されたケーブルや破損した機器には触れず、管理・施工事業者へ連絡する
- 発電停止期間を把握し、卒FIT後の収支への影響を確認する
設備が停止した場合の年間収支への影響は、当サイトの卒FIT後の比較シミュレーターで条件を変えて試算できます。
金属盗対策法で変わったこと
「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律」(令和7年法律第75号)は、太陽光発電施設からの金属ケーブル窃盗などの増加を背景に成立しました。
正当な理由のない一定のケーブルカッター等の隠匿携帯に関する規制は2025年9月1日、特定金属くずの買受業者に対する届出・本人確認・取引記録等の制度は2026年6月1日に施行されています。法律の施行後も、設備所有者側の防犯対策が不要になるわけではありません。
出典:警察庁「金属盗対策」
よくある質問
Q太陽光発電設備では、どのような物が盗難の対象になりますか?
A警察庁は、太陽光発電設備からの銅線ケーブル盗を金属盗対策法の背景として挙げています。茨城県警察は、太陽光発電設備のケーブルとパネルを盗難対象の例として案内しています。
Q防犯カメラを1台設置すれば十分ですか?
A十分とは限りません。茨城県警察は、機械警備に加え、防犯カメラや侵入検知システムを複数導入して死角をなくすこと、フェンスや雑草を適切に管理することを例示しています。設備の場所と死角を確認して組み合わせます。
Q不審者や不審車両を見つけたら、声をかけてもよいですか?
A茨城県警察は、不審者・不審車両を見つけた場合は110番通報し、人相・着衣や車のナンバー等を記録するよう案内しています。自分で対応する範囲を広げず、警察の案内に従ってください。
Qケーブルが切断されていたら、自分でつなぎ直せますか?
A触れずに警察と設備の管理・施工事業者へ連絡してください。警察庁の検討会報告書では、安全性を確保するため、切断されたケーブル全体を交換する対応が一般的との業界団体の説明が記録されています。電気工事は有資格者へ依頼します。
本記事は一般的な防犯情報です。設備の設置場所・構造・周辺環境に応じた対策は、地域の警察と設備の管理・施工事業者へ確認してください。切断・破損した配線や機器には触れず、電気工事は有資格者へ依頼してください。