卒FIT後の買取単価は、電力会社ごとに差があります。大手電力10社の基本買取プランで比べると、最も高い東北電力の9円/kWhと、最も低い中部電力・四国電力・九州電力の7円/kWhで、1kWhあたり2円の差があります。年間の売電量が多いほど、この差は年間の金額差につながります。

卒FIT後に確認すべき項目全体は卒FITとは?買取期間満了後に確認することで整理しています。

大手電力10社の基本買取プラン単価一覧

各社が卒FIT後に案内している基本買取プラン(自由契約への移行時に自動的に案内される標準的なプラン)の単価です。地域名をクリックすると各社の公式ページで最新条件を確認できます。

大手電力10社の基本買取単価(円/kWh・高い順)
0510東北9東京8.5北海道8北陸8関西8沖縄7.7中国7.15中部7四国7九州7
大手電力10社の基本買取単価(2026年7月19日確認)
地域プラン名買取単価
北海道北海道電力 基本買取8円/kWh
東北東北電力 シンプル買取9円/kWh
東京東京電力EP 再エネ買取標準プラン8.5円/kWh
中部中部電力ミライズ 基本買取7円/kWh
北陸北陸電力 かんたん固定単価プラン8円/kWh
関西関西電力 基本買取8円/kWh
中国中国電力 買取プラン7.15円/kWh
四国四国電力 基本買取7円/kWh
九州九州電力 基本買取7円/kWh
沖縄沖縄電力 基本買取(10kW未満)7.7円/kWh

出典:各社公式ページ(表内リンク参照)

単価だけで比較しない、4つの確認点

買取単価の数字だけを比べると、実際の受取額を見誤ることがあります。契約前に、少なくとも次の4点を候補プランの公式ページで確認してください。

単価以外に確認する条件
確認点見落としやすい点
単価が変更される条件多くの会社が「単価は変更する場合がある」と留保しています。固定期間の定めがあるか確認します。
支払いの頻度毎月ではなく、年1〜2回まとめて支払う契約もあります。家計の資金繰りに影響します。
対象となる設備容量住宅用の上限(多くは10kW未満)を超えると、別区分の単価・手続きになる場合があります。10kW未満の住宅用は制度上、原則余剰買取のみが対象です。
自動移行か、申込みが必要か契約中の電力会社への自動移行と、他社への切替とでは、必要な手続きが異なります。
解約条件(解約金・最低契約期間)他社へ切り替える際の違約金・最低契約期間の定めがあるか確認します。中国電力は公式ページで「売電先の変更に伴う違約金等は発生しない」と明記していますが、解約金・違約金に関する記載が見当たらない会社もあります。
その他費用(手数料等)契約書面の発行など、単価以外の費用が発生する場合があります。大手電力各社の卒FIT買取ページを確認した範囲では具体的な記載が見当たらないため、契約前に個別確認が必要です。

出典:中国電力「卒FIT後の売電先を当社に変更する場合のお手続き」

支払いの頻度・契約期間についても、大手電力10社の公式ページを個別に確認しました。具体的な記載が見当たらなかった項目は、推測せず「確認できていません」としています。

大手電力10社の支払いの頻度・契約期間(2026年8月23日確認)
電力会社支払いの頻度契約期間・単価の固定期間
北海道電力毎月買取期間満了の翌日から翌4月の検針日前日まで、以降1年ごとに自動更新(単価は変更する場合あり)
東北電力確認できていません確認できていません
東京電力EP設備容量10kW未満は年2回(1〜5月分をまとめて6月分に、7〜11月分をまとめて12月分に振込)買取期間満了の翌日が属する年度の末日(3月31日)まで、以降1年ごとに自動更新(単価は今後見直す場合あり)
中部電力ミライズ半年(3月・9月)に1度、指定口座へ振込(検針日から30日後まで)加入日からプラン適用開始日が属する年度の3月31日まで、以降1年ごとに自動更新(単価は必要に応じて見直し)
北陸電力毎月確認できていません
関西電力確認できていません買取期間満了の翌日から翌4月の検針日前日まで、以降1年ごとに自動更新
中国電力確認できていません単価の適用期間は原則、当該年度の4月1日から3月31日まで
四国電力確認できていません確認できていません
九州電力毎月買取期間満了の翌日から翌4月の検針日前日まで、以降1年ごとに自動継続
沖縄電力確認できていません確認できていません

出典:大手電力10社の公式ページ(買取単価は上表のリンク先を参照)。北海道電力は「固定価格買取制度の買取期間満了後のサービス概要について」、中部電力ミライズは「カテエネ」卒FITページで支払い頻度・契約期間を確認しました。

また、この一覧は大手電力会社の基本買取プランに限っています。新電力各社が、地域や条件によってこれより高い買取単価を案内している場合がありますが、その高い単価が適用期間限定であったり、電気の購入契約など他の契約とのセット条件が付いていたりする場合があります。特定の1社を推奨するものではないため、契約を検討する際は候補となる複数のプランを、公式ページで直接比較してください。

単価が同じでも、出力制御により売電できる量そのものが変わることもあります。

1社が複数プランを用意している場合もあります。たとえば北陸電力は、この一覧に掲載した「かんたん固定単価プラン」のほかに「あんしん年間定額プラン」「わくわく電気預かりプラン」を含む3つの卒FITプランから選べます。どのプランが有利かはお客さまごとの太陽光設備・買取電力量・電気使用量によって異なるとされているため、複数プランがある会社では、単価表の数字だけでなく他プランの内容も公式ページで確認してください。

出典:北陸電力「卒FITのお客さま」

比較には、単価と自宅の発電量・使用量を合わせて使う

買取単価の差は、実際の売電量と掛け合わせて初めて金額になります。当サイトの卒FIT後の比較シミュレーターでは、都道府県を選ぶとこの一覧と同じ地域の基本買取単価が自動入力されます。比較した後、実際に切り替える場合の申込方法は買取先を変更する手続きで確認できます。

蓄電池の有無・年間売電量・夜間使用量を入力してエリアごとに診断したい場合は、10エリアの卒FIT診断結果一覧から該当エリアを選べます。

契約中の実際の単価が分かれば上書きし、現在のまま売電する場合・蓄電池を設置する場合・買取プランを変更する場合の年間金額を並べて確認できます。年間金額をどう計算しているかは3択を同じ条件で比較する方法で詳しく解説しています。年間の売電収入から設置費用を何年で回収できるかという視点は太陽光の投資回収年数とCO2は何年?で整理しています。

売電収入と電気料金に含まれる賦課金の違いは再エネ賦課金の資金の流れ、売電収入が生じた場合の確定申告の要否はこちらで確認できます。FIT期間中に太陽光へエネファーム等を併設していた場合の買取単価の考え方は「ダブル発電」とは?で解説しています。

よくある質問

Qこの一覧の単価が一番得な単価ですか?

Aいいえ。ここに載せたのは各地域の大手電力会社が案内する基本買取プランの単価です。新電力各社にはこれより高い単価を提示するプランもあるため、契約を検討する際は候補プランの公式ページで最新の単価・条件を確認してください。

Q単価はいつまで有効ですか?

A各社とも単価は将来変更される場合があると案内しており、固定ではありません。本ページのデータ確認日から日数が経つほど、公式ページでの再確認が必要です。

Q表の単価をそのままシミュレーターに使えますか?

Aはい。比較シミュレーターで都道府県を選ぶと、対応する地域の基本買取単価が初期値として自動入力されます。契約中の実際の単価が分かれば、その数値に上書きしてください。

QFIT期間中に「ダブル発電」で単価が下がっていた場合、卒FIT後の単価にも影響しますか?

Aこの一覧の卒FIT後の買取単価そのものには影響しません。ダブル発電によるFIT買取単価の減額は、FIT買取期間中だけの区分で、詳しくは「ダブル発電」とは?で解説しています。

本記事は一般的な情報提供です。単価は各社の都合により変更される場合があるため、契約前に必ず公式ページで最新の条件を確認してください。特定の電力会社・プランを推奨するものではなく、個別の投資判断、電気工事の設計・実施、税務助言は行いません。