全負荷型は停電時に分電盤全体(自立出力の上限まで)へ給電し、特定負荷型はあらかじめ決めた特定の回路にしか給電できません。同じ「蓄電池を設置している」状態でも、どちらの構成かで停電時に使える家電の範囲が大きく変わります。
パナソニックの実例:電力切替ユニットで全負荷対応になる
パナソニックの公式製品情報によると、電力切替ユニット(60A・100A)を接続することで、停電時でも家じゅうに電気を供給できるようになります。電力切替ユニットを使わない構成では「特定負荷ブレーカ付」の切替ユニットで、停電時に電気を送る回路をあらかじめ限定します。
停電時に使える電力の上限(自立出力)は、電池ユニットの台数や200Vトランスの有無によって変わり、電池ユニット1台では最大2.0kVA、200Vトランスを追加すると最大4.0kVAになります。使用機器全体の消費電力が自立出力を超えると運転を停止するため、エアコン・IHクッキングヒーターなどの200V機器を含めて同時に使う機器の消費電力を確認しておく必要があります。
ニチコンの実例:全負荷200Vを標準搭載
ニチコンのトライブリッド蓄電システムは、停電時でもエアコンやIH調理器などの200V機器に放電できる「全負荷200V」を標準搭載しています。停電時の出力は5.9kVA(蓄電池のみ利用時は5.0kVA・4.0kVA)で、太陽電池・蓄電池・電気自動車の内蔵電池を統合制御する構成です。
メーカーによって用語・実装の範囲が異なる
本記事執筆時点で確認した範囲では、パナソニックは公式ページで「特定負荷ブレーカ」という語を、ニチコンは「全負荷200V」という語を、それぞれ使っています。両社とも2つの語を並べて説明しているわけではなく、片方の用語だけを使っている点に注意してください。他メーカーの製品でも同種の構成が用意されている場合がありますが、用語や仕様の呼び方は製品ごとに異なることがあるため、検討中の機種の公式カタログ・仕様書で確認してください。
停電時に使える家電の組み合わせは、各機器の消費電力の合計と自立出力の関係で決まり、モーターで動く機器(エアコン・冷蔵庫・洗濯機など)は起動時に大きな電流が流れるため、カタログ値どおりに動作しない場合があります。導入前に、停電時に必ず使いたい家電を書き出し、その合計消費電力と候補機種の自立出力を照らし合わせておくと安心です。
太陽光発電だけの自立運転コンセントとは別の話
蓄電池を設置していない太陽光発電のみの住宅では、全負荷型・特定負荷型ではなく、パワーコンディショナの自立運転用コンセントから電気を使う方式になります。出力上限や日中限定という制約が別にあり、停電時、太陽光発電は使える?自立運転機能を確認するで解説しています。
蓄電池を併設した場合の年間収支・投資回収年数を試算したい場合は、当サイトの卒FIT後の比較シミュレーターを参考にしてください。
まとめ
- 全負荷型は停電時に分電盤全体(自立出力の上限まで)に給電、特定負荷型はあらかじめ決めた特定の回路にのみ給電します。
- パナソニックは電力切替ユニットの有無で特定負荷型・全負荷型を切り替えられ、自立出力は2.0kVA〜4.0kVAです。
- ニチコンのトライブリッド蓄電システムは全負荷200Vを標準搭載し、停電時出力は5.9kVA(蓄電池のみでは5.0/4.0kVA)です。
- 用語・仕様の呼び方はメーカーごとに異なる場合があるため、検討中の機種の公式資料で確認してください。
- 太陽光発電のみ(蓄電池無し)の自立運転コンセントとは別の話です。
よくある質問
Q全負荷型と特定負荷型は、何が違いますか?
A停電時に蓄電池から電気を送れる範囲が違います。全負荷型は分電盤全体(自立出力の上限まで)に給電でき、特定負荷型はあらかじめ決めた特定の回路にしか給電できません。パナソニックの公式製品情報では、電力切替ユニットを接続することで停電時も家じゅうに電気を供給できるようになるとされています。
Q全負荷型なら、停電時に何でも同時に使えますか?
Aいいえ。全負荷型でも自立出力には上限があり、使用機器全体の消費電力が自立出力を超えると運転を停止します。パナソニックの公式情報では、電池ユニットの台数や200Vトランスの有無によって自立出力(2.0kVA〜4.0kVA)が変わるとされています。
Qどのメーカーでも同じ用語が使われていますか?
A本記事執筆時点で確認した範囲では、パナソニックは「特定負荷ブレーカ」、ニチコンは「全負荷200V」という語を、それぞれの公式製品ページで使っています。両社とも2つの語を並べて使っているわけではありません。ほかのメーカーの用語や実装は製品ごとに異なる場合があるため、検討中の機種の公式カタログ・仕様書で確認してください。
本記事は一般的な情報提供です。停電時に使える機器・容量は機種・契約構成によって異なります。特定の事業者・製品を推奨するものではありません。