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住宅用太陽光発電(10kW未満)は、制度上「余剰買取」のみが対象です。「全量買取」という言葉を見て、自分の家にも関係あるのか気になった方向けに、違いを整理します。
出典:パナソニック公式「【太陽光】『余剰買取』『全量買取』のそれぞれの概要」、資源エネルギー庁「よくある質問|FIT・FIP制度」
2つの制度の違い
| 方式 | 仕組み | 対象 |
|---|---|---|
| 余剰買取 | 発電した電気を家庭で使い、余った分だけを電力会社が買い取る | 住宅用(10kW未満) |
| 全量買取 | 発電した電気のすべてを電力会社が買い取る | 10kW以上の設備(事業用等) |
余剰買取は、売る側から見て「余剰売電」と言われることもあります。どちらも、家庭で使い切れず余った電気だけを売る点は同じです。
卒FIT世帯の多くは住宅の屋根に設置された10kW未満の設備のため、FIT期間中は余剰買取で契約していたことになります。
10kW以上の設備を設置している場合
10kW以上の設備を設置している場合は、契約内容や設置時期によって扱いが異なるため、契約書や認定内容を個別に確認してください。全量買取・余剰買取のいずれで契約していたかは、当時のFIT認定内容や契約書に記載されています。
10kW以上50kW未満の太陽光発電設備は、電気事業法上の「小規模事業用電気工作物」として、売電の契約とは別に、使用開始前の基礎情報の届出などが電気事業法で求められる区分です。必要な届出と提出方法は10kW以上50kW未満の小規模事業用電気工作物の届出で整理しています。
余剰売電と全量売電、家計への影響の違い
| 項目 | 余剰売電(余剰買取) | 全量売電(全量買取) |
|---|---|---|
| 売る電気 | 発電量から自宅で使った分を引いた余り | 発電した電気のすべて |
| 自宅で使う電気 | 太陽光の電気を使う分、買う電気が減る | 電力会社から買う電気を使う(太陽光の電気は自宅で使わない) |
| 主な対象 | 住宅用(10kW未満)。10kW以上でも選べる | 10kW以上で選んだ場合 |
| 電気代との関係 | 自家消費が増えるほど、買う電気が減る | 売電収入と電気代は別々に動く |
パナソニックの公式FAQは、10kW未満は余剰買取に該当し、10kW以上は余剰買取か全量買取を選べると案内しています(確認日:2026年10月17日)。住宅の屋根に載せた10kW未満の設備では、全量売電にする選択肢はありません。
自宅の契約が余剰か全量かを見分ける方法
- 設備容量を見る:太陽光パネルの合計出力が10kW未満なら、余剰買取です。
- 設備IDを見る:資源エネルギー庁のFAQでは、設備IDが「F」で始まる設備は、余剰電力買取制度の下で導入された特例太陽光発電設備と案内されています。詳しい調べ方は設備IDの調べ方で整理しています。
- 書類を見る:電力会社との売電契約書や、毎月の検針票・売電のお知らせに、買取方式が書かれている場合があります。
資源エネルギー庁のFAQによると、10kW以上50kW未満の太陽光には「自家消費型の地域活用要件」が課されています(2019年度以前に認定を受けた設備には経過措置あり)。新しく認定を受ける設備では、自家消費や特定供給ができる配線構造や、災害時に使える自立運転機能が求められます。いまから10kW以上で全量売電を選べるかどうかは、設備の規模と認定時期で変わるため、認定内容の確認が必要です。
卒FIT後も、この前提は変わらない
卒FIT後に売電継続・買取プラン変更を選ぶ場合も、住宅用(10kW未満)は引き続き余剰買取が前提になります。家庭で使う電気を優先し、余った電気を売る、という基本的な仕組み自体は変わりません。卒FIT後に確認すべき事項の全体像は、記事「卒FITとは?買取期間満了後に確認すること」で整理しています。
当サイトの卒FIT後の比較シミュレーターも、この余剰買取の考え方にもとづいて、売電継続・蓄電池設置・買取プラン変更の年間金額を計算しています。買取単価の一覧は別記事、3つの選択肢の比較の考え方は卒FIT後の売電・蓄電池・買取プラン変更を比較する方法で確認できます。
インボイス制度の登録が必要かどうかは、記事「卒FIT後の売電収入、インボイス制度の登録は必要?【資源エネルギー庁】」で整理しています。
新築のZEHでは全量売電が再生可能エネルギーの導入に数えられない扱いがあります。区分ごとの要件はZEHの区分と太陽光・蓄電池の要件で整理しています。
kW(電力)とkWh(電力量)の違いは「kWとkWhの違い」で確認できます。電力が余った時に発電を止める出力制御が売電に与える影響は「出力制御の影響」、売電収入の確定申告の要否は「確定申告の要否」で整理しています。
設備の将来的な廃棄費用の積立制度が住宅用(卒FIT世帯)も対象かどうかは「廃棄費用積立制度の対象範囲」で確認できます。卒FIT後に何も手続きしないとどうなるかは「卒FIT後に何もしないとどうなる?」で整理しています。
よくある質問
Q自分の家が余剰買取だったか全量買取だったか、どう確認しますか?
A契約時の書類や、FIT認定を受けた際の設備容量を確認してください。住宅用(10kW未満)は制度上、余剰買取のみが対象です。10kW以上の設備を設置していた場合は、契約内容によって異なるため契約書を確認してください。
Q卒FIT後、全量買取に変更できますか?
A住宅用(10kW未満)の設備は制度上、全量買取の対象ではありません。契約先の変更や自家消費の拡大など、当サイトで扱う3つの選択肢の中から検討することになります。
Q余剰買取と全量買取で、卒FIT後の試算方法は変わりますか?
A当サイトの比較シミュレーターは、家庭で使う電気を優先し、余った分を売電する「余剰買取」を前提に計算しています。全量買取(10kW以上の事業用設備等)は前提が異なるため、本シミュレーターの対象外です。
余剰売電住宅で悪天候時に不足分をどう使うかは、曇り・雨の日の発電と買電で確認できます。
自家消費を増やす方法としては、蓄電池のほかエコキュートの昼間沸き上げ機能もあります。
本記事は一般的な情報提供です。実際の契約内容は契約書・FIT認定内容を優先して確認してください。個別の投資・税務助言、電気工事の設計・実施は行いません。