家庭用蓄電池ユニット本体には、メーカーが定める設置環境温度・動作温度の範囲があり、この範囲を外れると動作停止や出力低下につながることがあります。設置場所を決める段階で、こうした条件を確認しておくことが重要です。
温度範囲を外れると動作停止・出力低下につながる
ニチコンのトライブリッド蓄電システムの取扱説明書によると、蓄電池ユニットの設置環境温度は−10℃〜+45℃、動作温度は−10℃〜+40℃と定められています。動作温度範囲を超えると動作が停止したり出力が低下したりしますが、範囲内に戻ると自動復帰するとされています。
パナソニックの創蓄連携システムのリチウムイオン蓄電池ユニット(5.6kWh)も、使用環境条件として温度0℃〜40℃・湿度85%以下(結露なきこと)、標高1000m以下、屋内設置を定めています。設置を避ける場所として、屋外への設置、窓際など雨のかかる場所、周囲温度が動作温度範囲外の場所、湿度の高い洗面所・脱衣所・台所、温度変化が激しい場所を挙げています。
出典:ニチコン「トライブリッド蓄電システム パワーコンディショナ・蓄電池ユニット取扱説明書」、パナソニック「創蓄連携システム」機器仕様
屋内設置と屋外設置で、避けるべき場所が異なる
ニチコンの取扱説明書は、屋外設置の蓄電池ユニットについて、標高2000mを超える場所、岩礁隣接地域、重塩害地域、風通しの悪い場所や屋内(物置・倉庫・シャッター付き車庫を含む)、日射が長時間当たる場所などを設置を避けるべき場所として挙げています。屋内設置の場合は、屋外、温度変化が激しい場所、直射日光が当たる場所などが対象です。
| 区分 | 設置環境温度 | 動作温度 |
|---|---|---|
| 蓄電池ユニット(屋内・屋外共通) | −10℃〜+45℃ | −10℃〜+40℃ |
| 室内リモコン(屋内設置) | 0℃〜+40℃ | 0℃〜+40℃ |
周囲との離隔距離も確保する
ニチコンの取扱説明書は、蓄電池ユニットの周囲に、排熱とメンテナンスのための最低離隔距離を確保するよう定めています。屋内設置の場合は左右それぞれ30mm・上80mm・前630mm、屋外設置の場合は左右それぞれ500mm・上50mm・背面122mm・前370mmです。この範囲内に物を置かないことも求められています。
パワーコンディショナとは温度範囲が異なる場合がある
同じニチコンの資料でも、パワーコンディショナの設置環境温度(−30℃〜+45℃)と、蓄電池ユニットの設置環境温度(−10℃〜+45℃)は異なります。蓄電池ユニット本体だけでなく、パワーコンディショナの設置場所も別途確認が必要です。パワーコンディショナの設置環境の確認点はパワコンの設置場所は大丈夫?周辺環境の確認項目で整理しています。
確認できた範囲について
本記事執筆時点で確認できたのは、ニチコンとパナソニックの公式資料に記載された設置環境条件です。京セラ・シャープなど他メーカーの製品でも設置環境条件は定められていますが、条件・数値はメーカー・機種ごとに異なるため、検討中の機種の取扱説明書・保証書で確認してください。
蓄電池の一般的な参考使用期間・メーカー保証の考え方は蓄電池の寿命で整理しています。蓄電池を併設した場合の年間収支・投資回収年数を試算したい場合は、当サイトの卒FIT後の比較シミュレーターを参考にしてください。
まとめ
- 蓄電池ユニット本体には、メーカーが定める設置環境温度・動作温度の範囲がある。
- ニチコンの例では、蓄電池ユニットの設置環境温度は−10℃〜+45℃、動作温度は−10℃〜+40℃。
- パナソニックの例(創蓄連携システムのリチウムイオン蓄電池ユニット)では、温度0℃〜40℃・湿度85%以下(結露なきこと)、屋内設置が条件。
- 屋内設置・屋外設置で避けるべき場所の条件が異なり、周囲との最低離隔距離も定められている。
- パワーコンディショナと蓄電池ユニットで設置環境温度が異なる場合があるため、両方を確認する。
よくある質問
Q蓄電池を屋外に置くと寿命が短くなりますか?
A屋外設置自体が禁止されているわけではありませんが、メーカーが定める温度範囲・周辺環境の条件から外れると、動作停止や寿命の低下につながることがあります。屋外設置の場合は、直射日光・積雪・塩害地域などの条件を確認してください。
Q動作温度を超えるとどうなりますか?
Aニチコンの公式資料によると、動作温度範囲を超えると動作が停止したり出力が低下したりしますが、範囲内に戻ると自動復帰するとされています。恒常的に温度範囲を外れる場所への設置は避けてください。
Qパワーコンディショナと蓄電池ユニットで設置条件は同じですか?
A同じとは限りません。ニチコンの資料では、パワーコンディショナの設置環境温度(-30℃〜+45℃)と蓄電池ユニットの設置環境温度(-10℃〜+45℃)が異なります。パワーコンディショナの設置環境については別記事で解説しています。
本記事は一般的な情報提供です。設置環境の条件・数値はメーカー・機種によって異なります。実際の設置は、検討中の機種の取扱説明書・保証書、設置業者への確認を優先してください。
特定の事業者・製品を推奨するものではありません。