蓄電池の仕様表には「定格容量」と「初期実効容量」という、2種類の容量表示が並ぶ製品があります。京セラの公式仕様表で、実際の数値を確認します。
京セラEnerezza / Enerezza Plusの仕様表で見る2つの容量
| 型式 | 蓄電池定格容量 | 蓄電池初期実効容量 |
|---|---|---|
| EGS-LM0550 / EGS-MC0550 | 5.5kWh | 4.7kWh |
| EGS-LM1100 / EGS-MC1100 | 11.0kWh | 9.4kWh |
| EGS-LM1650 / EGS-MC1650 | 16.5kWh | 14.1kWh |
単機能型「Enerezza」(LM型番)とハイブリッド型「Enerezza Plus」(MC型番)は、蓄電池ユニット自体は同じ型式(LBS-0550)を使っており、定格容量・初期実効容量の数値も共通です。初期実効容量は定格容量の約85%(4.7kWh÷5.5kWh)にあたります。これは京セラのこの製品での例であり、他メーカー・他機種で同じ比率とは限りません。
出典:京セラ「Enerezza Plus」仕様表、京セラ「Enerezza」仕様表
なぜ差が生まれるのか
京セラの仕様表には、初期実効容量について「実使用時の容量は各種損失をかけた容量となります。周辺温度やお客様宅での消費電力量により電力変換効率が下がる場合があります」という注記があります。初期実効容量はJIS C 4413にもとづく算出値とも記載されており、業界共通の評価指標で比較しやすくする仕組みの一部です。
JIS C 4413は低圧蓄電システムの評価指標を定める日本産業規格で、条件・測定方法を統一する方向で改定が進められています。規格の全体像は「単電池EOL」「劣化監視機能」とは?新JIS C4413が求める蓄電池の安全対応で解説しています。
「初期」実効容量であることに注意
この数値はあくまで新品時点の実効容量です。蓄電池は充放電を繰り返すと使える容量が徐々に減っていく一般的な特性があり、経年後はさらに小さくなります。参考使用期間・劣化の考え方は蓄電池の寿命は何年?参考使用期間と劣化の考え方、パワコン構成による違いは蓄電池のハイブリッド型・単機能型の違いで確認できます。
容量を検討する際の確認点
カタログを見るときは、定格容量だけでなく初期実効容量まで確認し、実際に使える電力量の目安として比較することをおすすめします。導入後の年間効果を試算する場合は、当サイトの卒FIT後の比較シミュレーターをご利用ください。
よくある質問
Q定格容量と初期実効容量は、どちらを基準に容量を選べばよいですか?
A実際に使える電力量の目安として選ぶ場合は、初期実効容量を基準に検討します。定格容量はカタログ上の総容量で、実使用時はここから各種損失を差し引いた容量になると京セラ公式仕様表に注記されています。
Q初期実効容量は永久に変わりませんか?
A「初期」という語のとおり、新品時点の実効容量を指します。蓄電池は充放電を繰り返すと使える容量が徐々に減っていく一般的な特性があり、経年後の容量は初期実効容量よりさらに小さくなります。経年劣化と保証年数の考え方は関連記事で解説しています。
Q初期実効容量の算出方法はメーカーで共通ですか?
A本記事で確認した京セラの仕様表では、初期実効容量はJIS C 4413にもとづく算出と注記されています。JIS C 4413は低圧蓄電システムの評価指標を定める日本産業規格で、条件・測定方法の統一が進められています。ただし本記事は京セラの製品例の確認にとどまり、全メーカーの算出方法を検証したものではありません。
本記事は一般的な情報提供です。定格容量・初期実効容量の表示方法や算出条件はメーカー・機種によって異なるため、実際の容量は検討中の機種の最新カタログ・仕様書で確認してください。特定の施工業者・製品を推奨するものではなく、個別の投資助言、電気工事の設計・実施は行いません。