JIS C 4413は、低圧蓄電システムの評価指標を定める日本産業規格です。日本電機工業会(JEMA)の資料にもとづいて、規格の位置づけと改定の方向性を確認します。

低圧蓄電システムに関わる3つのJIS

JEMAが経済産業省の検討会に提出した資料では、低圧蓄電システムに関わる規格として次の3つが整理されています。

低圧蓄電システムに関わる主なJIS(JEMA資料にもとづく)
規格概要
JIS C 4412:2021低圧蓄電システムの安全要求事項。感電・火災・熱・機械的危険などからの保護、蓄電池の保護を規定
JIS C 4413:2023低圧蓄電システムの評価指標。消費者が選定する際に比較しやすい評価指標(性能・品質)を規定
JIS C 4414:2023家庭用蓄電システムのラベル。JIS C 4413の評価指標を消費者に訴求するための性能表示ラベルを規定

JIS C 4413・4414は改定作業が進められており、初版で製造業者の指定値に依存していた項目を定量的に規定し、浸水・火災・地震・横からの衝撃・塩害などのリスクアセスメントを細分化する方向とされています。

出典:日本電機工業会「低圧蓄電システムの標準化状況」(経済産業省・定置用蓄電システム普及拡大検討会資料、2024年7月4日)

京セラの対応例:単電池EOLと劣化監視機能

京セラのハイブリッド型「Enerezza Plus」公式仕様表には、新JIS C4413(2023年4月20日公示)への対応として、次の2点が記載されています。

新JIS C4413への京セラの対応(公式仕様表にもとづく)
JIS C4413の要求事項京セラの対応
単電池EOLにおける安全性の確認単電池EOL相当の劣化した電池を用いての評価を実施し合格済
蓄電池ユニットの劣化監視機能の搭載単電池EOLに達すると蓄電池ユニットの充放電機能を停止し、リモコンで通知

仕様表の注記では、「単電池EOL」とは単電池(ユニットセル1枚)の製造者が定める使用期限(年数またはSOH)を指し、EOLは蓄電池ユニット自体の寿命を保証するものではないと説明されています。京セラは「蓄電システムの安全性を考慮し、劣化監視機能の搭載が必要と判断した」とし、この内容がSII補助金要件に適用される可能性があるとも記載しています。

出典:京セラ「Enerezza Plus」仕様表

SOHとの関係

単電池EOLの判定に使われるSOH(State Of Health)は、電池の健全度・劣化状態を表す指標です。SOCとの違いや、卒FIT後にSOC下限を見直す視点は蓄電池の「SOC」「SOH」とは?で解説しています。容量の劣化と参考使用期間の考え方は蓄電池の寿命は何年?参考使用期間と劣化の考え方、カタログの容量表示(定格容量・初期実効容量)の読み方はこちらで扱っています。

導入検討時の確認点

劣化監視機能の有無や、機能停止時の通知方法はメーカー・機種によって異なります。検討中の機種がどのような安全対応をしているかは、公式仕様書やメーカーサポートで確認してください。導入後の年間効果を試算する場合は、当サイトの卒FIT後の比較シミュレーターをご利用ください。

よくある質問

Q単電池EOLとは何ですか?

A京セラの公式仕様表の注記では、単電池EOLとは、単電池(ユニットセル1枚)の製造者が定める使用期限(年数またはSOH)を指すと説明されています。SOHは電池の健全度・劣化状態を表す指標です。

Q劣化監視機能は何のためにありますか?

A京セラの公式仕様表では、劣化監視機能について、単電池EOLに達すると蓄電池ユニットの充放電機能を停止し、お客様へはリモコンで機能停止を通知すると説明されています。京セラは蓄電システムの安全性を考慮して劣化監視機能の搭載が必要と判断したとしており、この内容はSII補助金要件に適用される可能性があるとも記載されています。

QJIS C 4413はすべての蓄電池メーカーに関係しますか?

AJIS C 4413は低圧蓄電システムの評価指標を定める日本産業規格で、日本電機工業会(JEMA)の資料では条件・測定方法の統一やリスクアセスメントの細分化に向けた改定が進められていると説明されています。本記事で確認できたのは京セラの製品での対応例と、JEMA資料による規格の概要にとどまり、全メーカーの対応状況を検証したものではありません。

本記事は一般的な情報提供です。JIS C4413への対応状況・劣化監視機能の内容はメーカー・機種によって異なるため、実際の仕様は検討中の機種の最新カタログ・仕様書で確認してください。特定の施工業者・製品を推奨するものではなく、電気工事の設計・実施は行いません。