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卒FITの電気は、資源エネルギー庁の資料で、非化石証書のうち「非FIT証書(再エネ指定)」の由来電源に分類されています。この分類は、売電先の電力会社が卒FITの電気を環境価値つきで扱うときの前提です。

ここでは、証書の種類と卒FITの位置づけ、売電先の電力会社が卒FITの電気をどう扱えるかを見ます。家庭への支払いや契約条件は事業者ごとに異なるため、個別の条件は扱いません。

非化石証書は3種類ある

非化石証書は、太陽光などの非化石電源でつくられた電気の「非化石価値」を、電気とは別に取引できるようにした証書です。資源エネルギー庁の2025年9月の資料は、証書を次の3種類に整理しています。

非化石証書の種類(資源エネルギー庁の資料)
証書の種類由来する電源購入主体証書収入の使いみち
FIT証書FIT電源小売電気事業者・需要家・仲介事業者再エネ賦課金の低減
非FIT証書(再エネ指定)FIP電源、卒FIT電源、非FIT・非FIP電源(大型水力、バイオマス等)小売電気事業者(条件を満たす場合は需要家も直接取得できる)売り入札者(発電事業者)に帰属
非FIT証書(再エネ指定なし)原子力、ごみ発電(廃プラ)、水素・アンモニア燃料小売電気事業者売り入札者(発電事業者)に帰属

FIT期間中の電気の環境価値は再エネ賦課金を負担する全需要家に帰属する、と資料は説明しています。FIT期間が終わった卒FIT電源は、この表のとおり非FIT証書の側に入ります。

資料は、FIT証書と非FIT証書の市場を2021年11月に分けたとも説明しています。

出典:資源エネルギー庁「再エネ価値が適切に評価される環境の整備」(2025年9月30日、再エネ主力電源化小委員会 資料1)

小売電気事業者が卒FITの電気を環境価値つきで販売する仕組み

資源エネルギー庁の2018年12月の資料「非FIT非化石証書の取引に係る制度設計について(これまでの議論概要)」には、卒FITの電気の扱いが書かれています。住宅用太陽光など小規模な卒FIT電源を調達した小売電気事業者は、非化石価値をもつ電気をそのまま需要家に販売できるという整理です。

二重に計上されないよう、調達した電力量はすべて証書として登録する、とも書かれています。卒FITの逆流分の電力量は、一般送配電事業者が集計して小売電気事業者などに伝える仕組みが想定されていました。

この資料は制度設計の議論をまとめたもので、確定した制度の説明ではありません。実際の運用は、最新の資源エネルギー庁の資料で確認してください。

出典:資源エネルギー庁「非FIT非化石証書の取引に係る制度設計について(これまでの議論概要)」(2018年12月17日、制度検討作業部会 資料3-2)

家庭の売電では、環境価値の扱いは契約書面で確認する

確認できた国の資料には、家庭が環境価値を保有すると書いた箇所は見つかりませんでした。確認できたのは、卒FITの電気が非FIT証書の由来電源に入ることと、小売電気事業者が環境価値つきで販売できる整理が示されていることだけです。

売電先を選ぶ段階では、環境価値より先に買取単価と契約条件を比べるのが現実的と考えられます。これは当サイトの考え方で、資料に書かれた手順ではありません。資源エネルギー庁の買取期間満了者向けのよくある質問も、買取メニューを確認し、期間の満了までに希望に合うプランを選んで申し込むよう案内しています。

買取メニューの書面で見たい項目の例
項目見る場所
買取単価と適用期間買取メニューの説明、契約書面
環境価値の扱い事業者の説明資料・契約条項に記載があるか
契約の自動更新・解約条件契約約款

買取先を変える手続きは卒FITの買取先を変える手続き、単価の比べ方は卒FIT買取単価の比較で整理しています。

出典:資源エネルギー庁「買取期間が終了する太陽光発電の設備をお持ちの皆様へ」よくあるご質問

環境価値と売電単価の関係

非化石証書の取引価格は年度やオークションごとに変わります。国の資料からは、卒FIT1軒ごとの売電単価に環境価値がどれだけ上乗せされているかは読み取れません。

自宅で使った分の環境価値をクレジットにする仕組みもあります。蓄電池を足すと対象になる条件は、卒FITの太陽光とJ-クレジットで整理しています。

売電のままにするか、蓄電池で自家消費を増やすかは、単価だけでなく家庭の使い方で変わります。当社の卒FIT後の比較シミュレーターで、3つの選択肢の収支を試算できます。

よくある質問

Q非化石証書とは何ですか?

A資源エネルギー庁の資料は、非化石証書を3種類に分けています。FIT電源由来の「FIT証書」、FIP電源・卒FIT電源・大型水力などの非FIT再エネ由来の「非FIT証書(再エネ指定)」、原子力などの「非FIT証書(再エネ指定なし)」です。電気そのものとは別に、非化石電源でつくられた電気の価値を証書として取引できるようにした仕組みです。

Q卒FITの電気はどの証書にあたりますか?

A資源エネルギー庁の2025年9月の資料では、卒FIT電源は「非FIT証書(再エネ指定)」の由来電源として挙げられています。FIT期間中の電気はFIT証書、卒FIT後の電気は非FIT証書という分類です。

Q卒FITの電気の環境価値は、売電した家庭のものですか?

A公的資料では、家庭が環境価値を保有すると書いた箇所は確認できていません。確認できたのは、非FIT証書の収入は売り入札者(発電事業者)に帰属するという表と、小売電気事業者が卒FITの電気を調達した場合は非化石価値をもつ電気としてそのまま需要家に販売できるという整理です。家庭に対して環境価値がどう扱われるかは、売電先の買取メニューの契約書面で確認してください。

Q売電先を選ぶとき、環境価値は確認する必要がありますか?

A公的資料に確認を求める記載は見つかりませんでした。当サイトとしては、売電先選びでは、まず買取単価と契約条件を比べるのが現実的と考えます。環境価値の扱いに関心がある場合は、各社の買取メニューの説明や契約書面に記載があるかを確認してください。資源エネルギー庁の買取期間満了者向けのよくある質問は、買取メニューを確認して希望に合うプランを選ぶよう案内しています。

Qこの資料の内容は現在の制度そのものですか?

A資料の時点が異なります。小売電気事業者の扱いを説明した資料は2018年12月の「これまでの議論の概要」で、制度の確定版ではありません。証書の種類と市場の整理は2025年9月の資料です。実際の取引の仕組みは見直されることがあるため、最新の内容は資源エネルギー庁の資料で確認してください。

特定の電力会社や買取メニューはすすめません。制度は見直されることがあるため、最新の内容は資源エネルギー庁の資料で確認し、契約条件は各事業者の書面で確認してください。