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パネルはガラス板ではなく、セル、封止材、バックシート、フレーム、配線を積層・接続した電気製品です。処分時は見た目で材料を判断せず、メーカー名と型式から含有物質情報を確認します。
5つの主な部材が発電と保護を分担する
| 部材 | 主な材料 | 役割 |
|---|---|---|
| セル | シリコン、化合物半導体等 | 光を電気へ変換 |
| 表面 | ガラス等 | 光を通し、セルを保護 |
| 封止材 | EVA等の樹脂 | セルを湿気や衝撃から保護 |
| バックシート | 樹脂・金属等 | 裏面の絶縁性・耐候性を確保 |
| フレーム | アルミ等 | 強度と設置性を確保 |
セルの種類で管理情報が変わる
環境省の第三版ガイドラインは、結晶シリコン系、薄膜シリコン系、CIS・CIGS系の構成部材を分けて整理しています。結晶シリコン系にはガラス、シリコン系の太陽電池セル・金属電極、樹脂、金属フレーム等があり、化合物系には基板ガラスを持つ構成例もあります。
JPEAは管理すべき物質として鉛、カドミウム、セレン、ヒ素を挙げ、シリコン系では半田材料等に鉛、化合物系ではセレン等を含む場合があると説明しています。「太陽光パネル一般」の情報だけでなく、対象製品のメーカー・型式に対応した情報を渡すことが重要です。
出典:環境省「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第三版)」、JPEA「太陽光パネルに含まれる管理すべき成分」
処分事業者へ渡す4点
- 01
メーカー名
保証書、設置契約書、施工写真等から確認します。
- 02
型式
書類で確認できなければ施工店へ照会し、高所の銘板を自分で見に行きません。
- 03
状態
割れ、変形、水濡れ、発電異常の有無を触らずに伝えます。
- 04
含有物質情報
メーカー公開資料のURLや資料名を、撤去・収集運搬・処理の関係者へ共有します。
素材情報の使いみち(処理方法の選択)
環境省は、パネルが鉛等を含む場合があるため、リサイクル時にメーカーや販売業者の提供情報を参照するよう示しています。分離したガラスや金属等の再資源化と、残さの適正処分を安全に進めるための情報です。
| パネルの種類 | 含まれうる管理対象物質 | 処理・引き渡し時の扱い |
|---|---|---|
| 結晶シリコン系(単結晶・多結晶) | 鉛(半田材料等) | 環境省の溶出試験(公定試験法がないため、特別管理産業廃棄物の判定基準に準じた方法)では、結晶系モジュールの一部(3検体)で鉛が燃えがら等についての基準値(0.3mg/L)を上回る例が確認されています。 |
| 薄膜シリコン系 | JPEAは結晶系とあわせて「シリコン系」として、半田材料等に鉛を含む場合があると説明しています。 | 結晶シリコン系と同様、メーカー資料の含有物質情報を処分事業者へ引き継ぎます。 |
| 化合物系(CIS・CIGS系等) | セレン等(検体によりカドミウムも) | 環境省の溶出試験では、化合物系モジュールの一部で、セレン(2検体)が燃えがら等についての基準値(0.3mg/L)を、カドミウム(1検体)が基準値を上回る例が確認されています。 |
種類にかかわらず、使用済パネルは電気機械器具に該当する産業廃棄物(金属くず・ガラスくず等・廃プラスチック類の混合物)として扱われ、鉛等の有害物質を含む可能性があるため安定型処分場ではなく管理型最終処分場での埋立が必要です。試料調製方法や分析機関によって結果にばらつきが生じるため、上表は個別製品の含有量を断定するものではなく、処分事業者へ含有物質情報を確実に引き継ぐ必要がある目安として参照してください。
出典:環境省「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第三版)」(含有量試験結果・溶出試験結果,92〜96頁)
撤去後の工程はリユース・リサイクルの流れ、パネル以外の架台・パワコン等は太陽光発電の機器構成で確認できます。交換後の収支は卒FIT後の比較シミュレーターで比較できます。製造時に使われた素材・エネルギーをどれだけの期間で回収できるかは3つのペイバックの整理で確認できます。
撤去・廃棄の相談先や産業廃棄物としての扱いは太陽光パネルの廃棄・処分方法|撤去のタイミングと注意点、撤去したパネルを中古品として再利用する際の確認項目はリユース判定の確認項目で整理しています。
よくある質問
Q太陽光パネルはガラスだけでできていますか?
Aいいえ。一般的なパネルは、発電するセル、表面ガラス、封止材、バックシート、アルミフレーム、ケーブル、端子箱等を組み合わせた製品です。
Qすべてのパネルに同じ物質が含まれますか?
A同じではありません。結晶シリコン系、薄膜シリコン系、CIS・CIGS等の化合物系で構造や材料が異なり、同じ分類でも製品ごとの差があります。メーカーと型式を確認してください。
Qパネルに有害物質があると、設置中も危険ですか?
A含有だけで直ちに危険とは判断できず、危険性は濃度や溶出性、破損・処理方法等に左右されます。破損品へ触れず、処分時はメーカーの含有物質情報を事業者へ渡します。
Q処分前に何を探せばよいですか?
Aパネル裏面や設置資料でメーカー名と型式を確認し、メーカーが公開する含有物質情報を施工・処理事業者へ共有します。高所の銘板を自分で見に行かないでください。
本記事は環境省とJPEAの公開情報にもとづく一般的な説明です。材料・含有物質は製品ごとに異なります。破損品や屋根上の設備へ触れず、型式確認、撤去、運搬、処理はメーカー・施工店・適切な事業者へ相談してください。