リユースの可能性があるパネルは廃棄前に可否判定を検討し、再使用しないものは収集運搬後、リサイクルまたは適正な最終処分へ進みます。撤去契約の前に行き先を確認しなければ、所有者からは処理経路が見えにくくなります。
撤去後は3つの行き先に分かれる
環境省は、廃棄物等の取扱いについて、発生抑制、再使用、再生利用、熱回収、埋立処分の順を示しています。使用済みパネルも、使用継続やリユースが可能かを先に判断し、難しいものは可能な限りリサイクルする考え方です。
| 判定 | 次の工程 | 所有者が確認すること |
|---|---|---|
| 使用継続できる | 修理・保守して継続使用 | 不具合箇所と修理可否 |
| リユースできる | 検査後に中古モジュールとして再使用 | 誰がどの検査で判定するか |
| リユースできない | 収集運搬後、リサイクルまたは最終処分 | 処理施設と処理方法 |
出典:環境省「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン(第三版)」
処理経路は撤去前に決める
- 01
型式と状態をそろえる
メーカー、型式、枚数、設置年、破損や発電異常の有無を施工店へ伝えます。
- 02
リユース判定の有無を決める
再使用を希望するなら、撤去前にリユース事業者の検査対象と受入条件を確認します。
- 03
収集運搬先を確認する
リサイクル施設か最終処分場か、運搬事業者がどこへ持ち込む予定かを確認します。
- 04
処理後の内訳を残す
見積書・契約書・処理完了資料を保管し、処理先と費用範囲を後から追える状態にします。
工事を伴って排出されるパネルは一般に産業廃棄物として扱われ、解体・撤去業者が排出事業者として処理責任を負います。家庭から工事を伴わず排出される独立型モジュール等は一般廃棄物に該当する場合があるため、市町村への確認が必要です。
リサイクル施設では素材を分ける
一般的な結晶シリコン系モジュールは、カバーガラス、金属のセル、樹脂の充填材、バックフィルム、ケーブル、端子箱、金属フレーム等で構成されます。中間処理では、フレームやケーブルを外したうえで破砕・選別する方法や、ガラスとセル層を分離する方法などが使われます。
JPEAは、回収したガラスをグラスウールや建材等に、アルミを建材・自動車部品・家電筐体等に使う例を示しています。処理技術と受入条件は施設ごとに違うため、「パネルを引き取る」ことと「再資源化する」ことを同じ意味として扱わず、処理方法を確認します。
出典:JPEA「太陽光パネルの適正処理・リサイクルとは」、JPEA「太陽光パネルはどのような用途や製品にリサイクルされますか」
見積書で分けて確認する5項目
| 項目 | 確認する質問 |
|---|---|
| 撤去 | 足場、屋根補修、電気の切り離しを含むか |
| リユース判定 | 判定主体と検査内容、判定不可時の行き先は何か |
| 収集運搬 | 運搬事業者と搬入先はどこか |
| 中間処理 | 施設名と、分離・回収する素材は何か |
| 残さ | 再資源化できない部分をどこで最終処分するか |
既存の太陽光パネルの廃棄・処分方法では撤去の相談先、FIT・補助金手続き、費用区分を整理しています。処理先へ渡す型式・含有物質情報はパネルの素材と処分時の確認項目、割れたパネルを自分で扱わない理由は破損パネルの危険性で確認してください。ライフサイクルの環境負荷はCO2・エネルギーペイバック、撤去後の収支は卒FIT後の比較シミュレーターで分けて確認できます。
よくある質問
Q撤去した太陽光パネルは必ずリサイクルされますか?
A必ずとは限りません。環境省は、リユースの可能性がある場合は廃棄前の可否判断を検討し、リユースできないものも可能な限りリサイクルすることが望ましいとしています。処理先は見積もり時に確認してください。
Qまだ発電するパネルは中古品として売れますか?
A発電しているだけではリユース可とは判断できません。外観、絶縁性、出力等を確認するリユース事業者へ、撤去前に判定を依頼します。
Qリサイクルでは何が回収されますか?
A処理方法により異なりますが、アルミフレーム、ガラス、金属等が分離・回収されます。JPEAはガラスの建材等への利用、アルミの建材・自動車部品等への利用例を紹介しています。
Q見積書では何を確認すればよいですか?
A撤去、収集運搬、中間処理の費用区分に加え、リユース判定の有無、処理施設名、リサイクル後の残さの処分先を確認します。すべてが一式表記なら内訳を質問してください。
Qパネルの処理方法にはどのようなものがありますか?
A使用継続できるものは修理・保守、リユースできるものは検査後に中古モジュールとして再使用、いずれも難しいものは収集運搬後にリサイクルまたは最終処分へ進みます。リサイクルではフレームやケーブルを外して破砕・選別する方法や、ガラスとセル層を分離する方法などが使われ、回収したガラスやアルミは建材等に利用される例があります。処理方法と受入条件は施設ごとに違うため、見積もり時に確認してください。
本記事は環境省と太陽光発電協会の公開情報にもとづく一般的な処理経路です。廃棄物区分、許可、受入条件、費用、リユース可否は排出状況・製品・地域・事業者により異なります。設備を自分で撤去・運搬せず、施工店と適切な許可・処理経路を持つ事業者へ確認してください。