国税庁の質疑応答事例では、給与所得者が自宅の太陽光発電設備(家事用資産)で余剰電力を売却している場合、事業として行っている場合を除き「雑所得」に該当するとされています。これは卒FIT後も含め、住宅用太陽光発電による売電収入全般に共通する一般的な考え方です。
出典:国税庁 質疑応答事例「自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入」
所得区分の考え方
国税庁の回答要旨では、余剰電力の売却収入について次のように整理されています。
| ケース | 所得区分 |
|---|---|
| 事業として売電を行っている場合 | 事業所得 |
| 他に事業所得があり、その付随業務として売電している場合 | 事業所得 |
| 給与所得者が家事用資産(自宅の太陽光発電設備)として使用し、余剰電力を売却している場合 | 雑所得 |
2012年7月以降、一定規模以上の太陽光発電設備では発電した電気の全量を売却する「全量売電」も可能になっていますが、国税庁は全量売電の場合の売電収入も、給与所得者であれば事業として行っている場合を除き同様に雑所得に該当するとしています。自宅兼店舗など事業用途と併用している場合は所得区分の考え方が異なるため、この記事で紹介する自宅専用のケースとは別に確認が必要です。
減価償却費の考え方
国税庁は、太陽光発電設備を太陽電池モジュール・パワーコンディショナー等が一体となった「機械及び装置」に分類し、耐用年数を17年としています。これは減価償却資産の耐用年数等に関する省令別表第二にもとづくもので、太陽光パネルの廃棄・処分方法で紹介した「補助金を受けた場合、法定耐用年数(17年)に満たないうちに廃棄すると返還が必要になるケースがある」という耐用年数と同じ根拠です。必要経費に算入する減価償却費の額は、発電量のうち売却した電力量が占める割合を業務用割合として計算するとされています。
確定申告が必要かどうかの一般的な目安
国税庁のタックスアンサー(No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」)では、給与を1か所から受けていて、かつその給与の全部が源泉徴収の対象となる場合、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計額が20万円を超える人は確定申告が必要とされています。
出典:国税庁タックスアンサー No.1900「給与所得者で確定申告が必要な人」
裏を返すと、給与を1か所から受けて全部が源泉徴収の対象になっており、売電による雑所得を含む各種所得金額の合計が20万円以下であれば、この規定にもとづく確定申告は不要になる場合があります。ただし、給与を2か所以上から受けている場合や、他に所得がある場合など、当てはまる条件は個々の状況によって異なります。本記事は一般的な制度の紹介にとどめ、具体的な申告要否の判定は行いません。正確な判断は税務署・税理士にご確認ください。
当サイトでできること・できないこと
当サイトの卒FIT後の比較シミュレーターは、売電継続・蓄電池設置・買取プラン変更の年間差額を試算するものであり、税務上の申告要否や税額の計算は行いません。売電収入の記録は卒FITとは?で紹介した検針票の控えが確定申告の際の資料にもなります。個別の税務相談は税理士・最寄りの税務署にご相談ください。
よくある質問
Q太陽光発電の売電収入はどの所得区分になりますか?
A国税庁の質疑応答事例では、給与所得者が自宅の太陽光発電設備(家事用資産)で余剰電力を売却している場合、それが事業として行われている場合を除き「雑所得」に該当するとされています。2012年7月以降の全量売電の場合も同様です。
Q確定申告は必要ですか?
A国税庁のタックスアンサー(No.1900)によれば、給与を1か所から受けていて、かつその給与の全部が源泉徴収の対象となる場合、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計額が20万円を超えると確定申告が必要です。裏を返すと20万円以下であれば申告不要となるケースがありますが、条件に当てはまるかは個々の状況によるため、正確な要否は税務署・税理士にご確認ください。
Q減価償却費はどう考えればよいですか?
A国税庁の質疑応答事例では、太陽光発電設備は「機械及び装置」に分類され、耐用年数は17年とされています。必要経費に算入する減価償却費は、発電量のうち売却した電力量が占める割合(業務用割合)で計算するとされています。具体的な金額の計算・申告方法は税理士・税務署にご確認ください。
本記事は国税庁が公表する質疑応答事例・タックスアンサーにもとづく一般的な情報提供であり、個別の税務相談・申告代理には該当しません。具体的な所得区分・確定申告の要否・減価償却費の計算は、個々の状況により異なるため、税理士または最寄りの税務署にご確認ください。