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SOC(State Of Charge)は電池の充電状態を表す指標で、満充電状態を100%、完全放電状態を0%とします。ニチコンの公式用語集でもこのとおり定義されています。

出典:ニチコン「用語集」

SOCとSOHの違い(比較表)

SOCとSOHの違い
項目SOC(State Of Charge)SOH(State Of Health)
表すものいまの充電状態(残量)新品時と比べた容量の劣化状態(健全度)
基準満充電=100%、完全放電=0%初期の電池容量=100%
変わり方充電・放電のたびに増減する使用とともに少しずつ下がる
数値例SOC 30%=満充電の3割が残っているSOH 70%=新品時より容量が30%低下している
利用者が触る設定SOC下限・SOC上限(機種による)設定はなく、劣化の目安として確認する

SOH 70%という値からわかるのは「容量が新品のころより30%減った」という結果だけで、どこがどう劣化したかまでは示しません。SOHは容量の劣化を表す指標であり、安全性など容量以外の内部状態を必ずしも反映しない点に注意が必要です。

出典:MONOist「電池の『SOC』『SOH』は何を示している?」(2023年2月15日公開、リンクなし)、ニチコン「用語集」

SOC下限・SOC上限とは(オムロンの説明)

オムロン ソーシアルソリューションズの公式FAQでは、SOC下限・SOC上限を次のように説明しています。

SOC下限・SOC上限の意味(オムロン公式FAQにもとづく)
用語意味
SOC下限停電に備えて常に残しておく蓄電残量。放電中にSOC下限値まで達すると、蓄電池ユニットの放電が停止する
SOC上限深夜電力などの割安な電気で充電する量。指定した残量を超えて充電しないようにする

SOC下限を0%など低い値に設定した場合、停電時に電気をすぐに使用できない場合があるとされています。SOC下限の設定は経済モードとグリーンモードで連動しますが、安心モードのSOC下限設定は連動しないとも説明されています。

出典:オムロン ソーシアルソリューションズ「SOC下限、SOC上限とは何ですか?」

SOC下限・上限と使える容量の計算例

SOC下限とSOC上限を設定すると、日常の運転で使う残量の幅が決まります。幅は「SOC上限−SOC下限」で求められます。次の数値は計算の流れを示すための仮の例で、実機の設定値ではありません。

使える容量の計算例(仮の数値)
項目例計算
蓄電容量10kWh仮の値
SOC下限20%停電に備えて残す分=2kWh
SOC上限90%これ以上は充電しない
日常で使える幅70%90%−20%=70%、10kWhの70%=7kWh

SOC下限を上げるほど停電時の残量は増えますが、日常で使える幅は狭くなります。実際の設定できる範囲や初期値は機種ごとに異なるため、取扱説明書で確認してください。

SOCの数値はどう求めている?

MONOistの解説では、電池の容量と電圧には相関があるため、電圧の測定結果からSOCを推定するのが一般的とされています。ただし充電中と放電中では同じSOCでも電圧が異なり、内部抵抗による電圧の変動(過電圧)を考慮する必要があります。このため、SOCは直接量った値ではなく推定にもとづく値だと理解しておくと読み違えません。

出典:MONOist「電池の『SOC』『SOH』は何を示している?」(2023年2月15日公開、リンクなし)

SOHとは:劣化状態を示す別の指標

ニチコンの公式用語集は、SOCとは別に「SOH」という項目も掲載しています。SOH(State Of Health)は、電池の健全度や劣化状態を表す指標です。SOC(残量)が満充電基準を100%とするのに対し、SOHは電池そのものの劣化の進み具合を示す点で意味が異なります。

蓄電池は充放電を繰り返すと使える容量が徐々に減っていく一般的な特性があり、SOHはその進行度合いを把握するための指標です。容量の劣化と保証年数の考え方は蓄電池の寿命は何年?参考使用期間と劣化の考え方で解説しています。

出典:ニチコン「用語集」

卒FIT後にSOC下限・SOC上限を見直す視点

SOC下限・SOC上限は、太陽光の余剰電力を優先する「グリーンモード」など、運転モードの切り替えとあわせて見直されることが多い設定です。運転モードの違いと卒FIT後の切り替えの考え方は蓄電池の運転モードとは?グリーンモード・経済モードの選び方で整理しています。

停電に備えた残量の考え方は、全負荷型・特定負荷型など停電時に使える範囲の話とも関係します。あわせて蓄電池の「全負荷型」と「特定負荷型」の違いも確認してください。

設定前に確認すること

SOC下限・SOC上限の名称・設定方法・初期値はメーカー・機種によって異なります。本記事で確認できたのはオムロン・ニチコンの公式情報の範囲にとどまり、他メーカーでの呼び方や設定手順は取扱説明書またはメーカーサポートで確認してください。

設定を見直す際の年間効果の目安は、当サイトの卒FIT後の比較シミュレーターで試算できます。

蓄電池が電力会社の系統とつながっている時と、停電時に切り離された時の運転の違いは、蓄電池の「連系運転」と「自立運転」の違い|つながっている時/切り離された時で整理しています。

SOHと関連する、新JIS C4413が求める劣化監視機能・単電池EOLという安全対応の考え方は劣化監視機能・単電池EOLとは?で整理しています。

よくある質問

QSOC下限を0%など低い値に設定するとどうなりますか?

Aオムロン公式FAQでは、SOC下限を0%など低い値に設定した場合、停電時に電気をすぐに使用できない場合があると説明されています。停電時の備えを重視する場合は、SOC下限を一定以上に保つ設定が案内されています。

QSOCとSOHは同じ意味ですか?

A違います。SOC(State Of Charge)は電池の充電状態(残量)を表す指標で、満充電を100%、完全放電を0%とします。一方、SOH(State Of Health)は電池の健全度や劣化状態を表す指標で、ニチコンの公式用語集で別項目として説明されています。

QSOC下限・SOC上限の設定名や操作方法はどのメーカーでも同じですか?

A本記事で確認できた範囲では、オムロン・ニチコンともに「SOC」という語を使っていますが、SOC下限・SOC上限の具体的な設定方法や、連動する運転モードの名称はメーカー・機種によって異なります。お手持ちの機種の取扱説明書またはメーカーサポートで確認してください。

Q蓄電池のSOCとは何ですか?

ASOC(State Of Charge)は充電状態、つまり残量を表す指標で、満充電を100%、完全放電を0%とします。スマートフォンの電池残量表示に近いものです(ニチコン用語集、MONOistの解説にもとづく)。

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劣化の進み方と保証の関係は家庭用蓄電池の寿命で確認できます。

本記事は一般的な情報提供です。SOC下限・SOC上限の名称・設定方法・初期値はメーカー・機種によって異なるため、実際の設定変更前に取扱説明書またはメーカーサポートで最新の情報を確認してください。特定の施工業者・製品を推奨するものではなく、電気工事の設計・実施は行いません。

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