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消防庁の通知は、複数台の蓄電池設備を接続する場合、蓄電池とその他の機器が1つの箱に収納されたもので一定の基準に当たるときは、その箱ごとに蓄電池設備への該当を判断するとしています。この箱に当たらない場合の扱いは、通知の本文には書かれていません。
すでに蓄電池を付けた家が1台を増設すると、設置届が要る20キロワット時(kWh)超かどうかを、合計で見るのかが気になります。ここでは、公式資料に書かれていることだけを整理します。
通知が書いていること(消防予第155号)
総務省消防庁は、令和4年3月31日付の消防予第155号で、蓄電池設備を複数台接続して設置する場合の取扱いを通知しました。背景は、複数台を接続する事例が見られるようになった一方、蓄電池容量(キロワット時)の算定の取扱いが市町村によって異なることです。
本文の定めは1文だけです。令和6年1月1日から適用される改正後の文言で、改正の内容は次の節で説明します。
複数台を接続して設置する場合に、次の2つを満たすときは、その箱ごとに「蓄電池設備」への該当を判断する、という内容です。
- 蓄電池とその他の機器が、1つの箱に収納されている
- 蓄電池設備の出火防止措置及び延焼防止措置に関する基準(令和5年消防庁告示第7号)の第3に定めるものである
出典:総務省消防庁「蓄電池設備を複数台接続して設置する場合の取扱いについて(通知)」(消防予第155号、令和4年3月31日)
2023年の改正で、通知の言葉が変わった点
消防予第332号(令和5年5月31日)は、この155号の一部を改正し、令和6年1月1日から適用するとしています。新旧対照表では、「複数台の家庭用蓄電池」が「複数台の蓄電池設備」に、「容量(アンペアアワー・セル)」が「蓄電池容量(キロワット時)」に改められています。
同じ通知は、規制の単位がアンペアアワー・セルからキロワット時に改められたことと、蓄電池容量20キロワット時以下の蓄電池設備は届出を要しないとしたことも述べています。
出典:総務省消防庁「改正火災予防条例(例)の運用等について」(消防予第332号、令和5年5月31日)の1⑴・⑸、3⑵、別紙1、別紙3
確認できることと確認できないこと
| 場面 | 公式資料の記載 |
|---|---|
| 複数台が、それぞれ「1つの箱」に収納され、告示第7号第3に定めるものである | 箱ごとに蓄電池設備への該当を判断する(消防予第155号) |
| 上の条件に当たらない、または当たるか不明 | 通知の本文に定めなし(この記事の案内:設置場所の消防本部へ確認) |
| 20kWh以下の蓄電池設備 | 届出を要しない(消防予第332号) |
| 市町村ごとの運用 | 通知は助言。宇都宮市は同じ趣旨を基準資料に掲載 |
告示第7号第3は、延焼防止措置が講じられた蓄電池設備の基準です。消防予第332号の別紙1は、同等以上の標準規格の例として JIS C 4412-1、JIS C 4412-2、IEC 62040-1、IEC 62933-5-2 を挙げています。備考には、JIS C 4412-1 の安全要求事項に適合しているものに限る、とあります。
数字で見る:箱ごとと合計で判定が分かれる例
次の数値は、考え方を示すための仮の例で、実在の製品ではありません。
- 12kWhの蓄電池を2台つなぐ場合、箱ごとに判断するなら各12kWhで、20kWh以下の側に入ります
- 同じ2台を合計で見ると24kWhで、20kWhを超える側に入ります
どちらの見方になるかは、2台が通知の定める「1つの箱」の条件に当たるかで変わります。条件に当たるかは、機種の仕様書と設置場所の消防本部の判断によるため、この記事では断定しません。なお、10kWhを超え20kWh以下の場合の出火防止措置の条件は、設置届が要る容量の記事で整理しています。
自治体の例:宇都宮市の基準資料
宇都宮市の基準資料「第7 蓄電池設備」にも、消防庁の通知と同じ趣旨の記載があります。複数台を接続する場合、条件に当たる箱は、その箱ごとに蓄電池設備への該当を判断するというものです。
他の市町村が同じ運用かは、この記事では確認していません。
出典:宇都宮市「第7 蓄電池設備」(基準資料)の1⑵
増設の前にそろえる情報
- 既設と増設の蓄電池それぞれの機種名と定格容量(kWh)
- それぞれが、蓄電池とパワーコンディショナーなどを1つの箱に収めた一体型か、別の筐体を接続する構成か
- 仕様書にある JIS C 4412 などの規格への適合の記載
- 設置場所を管轄する消防本部(消防署予防課)の連絡先
増設に合わせたFIT上の事前変更届出の要否はFITの事前変更届出の記事、機種の入れ替えは蓄電池を交換したときの届出の記事で整理しています。増設で電気代がどう変わるかは卒FIT後の選択肢比較シミュレーターで試算できます。
よくある質問
Q蓄電池を2台つなぐと、容量は必ず合算して20kWhと比べますか?
A通知からは「必ず合算」とは読めません。消防庁の消防予第155号は、1つの箱に収納され、告示第7号第3に定めるものであれば、その箱ごとに判断するとしています。この条件に当たらない場合の扱いは通知の本文に書かれていないため、設置場所の消防本部に確認が必要です。
Qこの「箱ごと」の考え方は、自治体によって違うことがありますか?
A通知は消防組織法第37条にもとづく助言で、実際の届出は市町村の火災予防条例で定まります。通知自体が、算定の取扱いが市町村によって異なることを背景に出されています。宇都宮市は同じ趣旨を自らの基準資料に載せていますが、他の市町村の扱いはこの記事では確認していません。
Q20kWh以下なら、複数台でも届出は要りませんか?
A消防庁の消防予第332号は、蓄電池容量20キロワット時以下の蓄電池設備は届出を要しないとしています。どの容量を20kWhと比べるか(箱ごとか、合計か)が複数台の場合の論点で、通知が答えているのは「箱ごと」の条件つきの部分です。10kWhを超える場合の出火防止措置の条件は、別の記事で整理しています。
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本記事は一般的な情報提供です。届出の要否は設置内容や地域の火災予防条例により異なるため、詳細は設置場所を管轄する消防署に確認してください。特定の施工業者や製品を推奨するものではありません。