令和7年度補正予算の「充電・充てん設備等導入促進補助金」では、戸建て住宅向けの充電用コンセント設置に、定額(上限5万円)の補助制度が用意されています。執行団体は経済産業省の補助事業を担う一般社団法人次世代自動車振興センター(CEV-PC)です。EVを買うときにかかる税金の変更点はEV購入時の車体課税(令和8年度改正後)で別に整理しています。

卒FIT後に太陽光の電気を売るか自宅で使うかの年間差額は、卒FIT後の選択肢比較シミュレーターで概算できます。

出典:次世代自動車振興センター(CEV-PC)「充電・充てん設備等導入促進補助金(戸建て住宅充電用コンセント)」交付規程・手引き

制度の概要

戸建て住宅充電用コンセント補助金の概要
項目内容
実施主体一般社団法人次世代自動車振興センター(CEV-PC、経済産業省の補助事業)
対象戸建て住宅への充電用コンセントの新規設置
補助額定額(購入費と設置工事費の合計と上限5万円のいずれか低い額)
申請方法CEV-PCのオンライン申請システムを利用
受付方式先着順(予算に達し次第終了)

この制度は先着順で予算がなくなり次第終了するため、本記事に記載した内容が申請時点でも有効とは限りません。申請を検討する際は、必ずCEV-PCの公式サイトで最新の受付状況・要件を確認してください。

交付申請期間・実績報告期限・予算

令和7年度補正 戸建て住宅充電用コンセントの日程と予算
項目内容
交付申請期間2026年3月31日(火)17時〜2026年9月30日(水)17時
実績報告の期限2027年1月29日(金)。工事か支払の完了から30日以内を目安に報告するよう案内されています
予算額戸建て住宅充電用コンセント設置は約15億円(2026年6月9日付のCEV-PCお知らせ)
保有義務期間設置が完了した日から5年間

応募要領には、申請額の累計が予算額を超えると予想される場合は、交付申請期間中でも受付を終了し、CEV-PCのホームページで告知すると書かれています。交付申請期間の終了日(2026年9月30日)は、本記事の確認日(2026年10月12日)時点で過ぎています。延長や次の募集の有無は、CEV-PCの公式ページで確認してください。

出典:CEV-PC「応募要領(戸建て住宅充電用コンセント)」3-3・3-11、CEV-PC「令和7年度補正予算 予算額のお知らせ」(2026-10-12確認)

申請できる人・設置場所・対象機器の条件

応募要領に書かれた主な条件
項目内容
申請できる人センターが承認した充電用コンセントを今後購入(所有)し、設置する土地の使用権限を持つ個人
戸建て住宅の定義個人が生活の本拠とする住宅のうち、共同住宅と長屋以外の一戸の独立した住宅
設置場所申請者の住民登録がある住所地の戸建て住宅に付随する駐車場(申請者の住所と設置場所の住所の一致で確認)
設置数駐車スペース1台分につき1基
対象機器メーカーの申請に基づきCEV-PCが審査・承認した型式のみ(「補助対象充電設備型式一覧」で確認)
他の補助金との重複国の他の補助金とは重複できません。地方公共団体の補助制度は重複して申請できる場合があるため、各自治体に問い合わせるよう案内されています
舗装費用駐車スペースの舗装にかかる費用は補助の対象外

機器の購入前に、設置したい型式が承認済みの一覧に載っているかをCEV-PCの一覧表で確認してください。キャッシュバックを受けた場合は補助金の返還を求められることがあるため、センターへの報告が必要です。

出典:CEV-PC「応募要領(戸建て住宅充電用コンセント)」1-3・1-4・2-1・2-2(2026-10-12確認)

契約アンペアの意味と確認方法は契約アンペアとは?確認方法・機器別の目安・変更の流れで整理しています。

対象外となる主なケース

CEV-PCの交付規程によると、次のようなケースは補助の対象外です。

  • すでに購入・発注済みの中古品・新古品を設置する場合(対象となる充電用コンセントは、発注が交付決定日以降の新規購入品に限られます)
  • 交付決定日より前に工事に着工した場合(工事の施工開始は交付決定日以降であることが必要です)
  • 設置場所が申請者の住民登録がある戸建て住宅に付随する駐車場でない場合(この制度は戸建て住宅を対象としており、集合住宅は対象に含まれません)

出典:次世代自動車振興センター(CEV-PC)「充電・充てん設備等導入促進補助金(戸建て住宅充電用コンセント)」交付規程

申請の流れと交付申請の添付書類

CEV-PCの応募要領によると、補助事業は「①交付申請書類の提出→②交付決定通知書の発行→③充電用コンセントの発注→④設置工事の開始(必要な場合は計画変更を申告)→⑤設置工事の完了・支払の完了→⑥実績報告書類の提出→⑦受付・審査→⑧補助金額確定通知書の発行→⑨補助金の交付」という流れで進み、設置後は5年間の保有義務期間があります。充電用コンセントの発注・設置工事の施工開始は、どちらも交付決定日以降に行う必要があります。

交付申請時に添付する書類は、必須のものが本人確認書類・充電用コンセント本体の見積書・施工前の要部写真の3点です。設置場所が申請者以外の名義の土地である場合は、土地の所有者が5年間の設置を許諾したことを証する書類の添付も個別に必要になります。実績報告時には、発注書・請求書・領収書・保証書・施工後の要部写真など別の書類一式が必要になるため、あわせてCEV-PCの応募要領で確認してください。

出典:次世代自動車振興センター(CEV-PC)「令和7年度補正 充電・充てん設備等導入促進補助金 応募要領(戸建て住宅充電用コンセント)」

補助額の計算と、補助対象になる工事・ならない工事

応募要領では、補助金額は「コンセント本体の購入費(税抜)と設置工事費(税抜)の合計×定額(1/1以内)」と「センターが定める上限額」のいずれか低いほうと定められています。実績報告でも同じ方法で額を算定します。このため、税抜の合計が5万円未満なら実費、5万円以上なら上限額が補助額の目安になります。

工事項目ごとの補助対象の考え方(応募要領4-2・4-4)
区分対象になる主な費用対象外の主な例
基礎・据付工事据付けに必要な基礎工事の材料費・労務費、据付の労務費充電試験のためのEVレンタル費
電気関連工事専用回路のケーブル・アース線の部材費と労務費、配管、ブレーカーとその盤、配線ルート確保(掘削・貫通など)の工事費将来用の配線配管、コンセント以外の回路を含む幹線
諸費用雑材・消耗品、養生、設置位置の検討にかかる費用一般管理費・現場管理費・共通仮設費、写真管理費、申請手続代行費
その他本体の搬入費屋根・防護用部材・電灯、防犯カメラ等、既設物の撤去・処分費、除雪費、アスベスト調査費、アスファルトでない駐車スペースの舗装

電気関連工事は、メーカーが取付け作業指示書などで指示するケーブルの仕様を満たし、本体の性能を担保するブレーカーを設置することが要件です。見積書は、補助対象外の費用が混ざらないよう項目を分けてもらうと、申請時の整理がしやすくなります。

出典:CEV-PC「応募要領(戸建て住宅充電用コンセント)」4-1〜4-4(2026-10-18確認)

実績報告(完了報告)の提出書類と期限

交付決定後、工事と支払をすべて終えてから実績報告を行います。報告期限は2027年1月29日(金)で、過ぎると受け付けられません。応募要領は、期限間際に集中しないよう、工事または支払の完了から30日以内を目安に報告するよう求めています。

実績報告で用意する主な書類(応募要領6-3〜6-14の項目)
書類ひとこと
コンセント本体の発注書・請求書・領収書・保証書本体を購入した経路の分を用意します
工事費の請求書(内訳書含む)・領収書支払の完了を示すものが必要です
充電設備等設置工事完了報告書(様式J09)工事の完了を報告する書類です
要部写真施工後の写真をJPEGまたはPNGで提出します
取得財産等管理台帳・取得財産等明細表オンライン申請で入力し、保有義務期間の5年間、管理します
振込先口座の名義と番号を証する書類申請者名義の口座に補助金が振り込まれます

書類はPDF・JPEG・PNGのいずれかでアップロードし、スキャン後に加工や加筆をしたものは不備として再提出になります。審査後に「補助金の額の確定通知書(様式J13)」が発行され、5年間は書面にして保管します。

出典:CEV-PC「応募要領(戸建て住宅充電用コンセント)」3-10〜3-14・5-2・6-1〜6-14(2026-10-18確認)

壁掛け充電器は「充電設備」の補助金の対象か

CEV-PCには、コンセント補助とは別に「充電設備」の補助金があります。ただし、その申請の手引き(令和6年度補正分)に載っている事業は、高速道路SA・PA等や道の駅などの経路充電、商業施設・宿泊施設等の目的地充電、マンション・月極駐車場・事務所・工場等・共同利用充電拠点の基礎充電です。

申請できる方は、地方公共団体、法人、法人格をもたないマンション管理組合、個人(共同住宅のオーナー、共同住宅の居住者等)と書かれており、戸建て住宅の駐車場を設置場所とする事業は載っていません。手引き全文に「戸建」の語はありませんでした。

令和7年度の年度またぎ分の申請要件まとめは、高速道路SA・PA等及び道の駅等への経路充電の事業だけを扱っています。戸建て住宅に壁掛け充電器を付ける場合は、本記事のコンセント補助が戸建て向けの区分です。充電設備の補助金の最新の募集内容は、CEV-PCの公式サイトで確認してください。

出典:次世代自動車振興センター(CEV-PC)「充電設備 申請の手引き」、「年度またぎ分の交付申請における申請の要件まとめ」(2026-10-06確認)

太陽光・蓄電池の補助金とは別の制度

太陽光発電・家庭用蓄電池の補助金(SII所管)と、EV充電設備の補助金(CEV-PC所管)は、実施主体も申請窓口も異なります。両方の設備を検討している場合は、それぞれの制度を個別に確認する必要があります(国と自治体の併用の記載例は設備別の併用の一覧)。

蓄電池の補助金の現状は別記事で確認できます。EV本体の国の補助金はEV購入のCEV補助金(車両)の確認点で説明しています。

EVを蓄電池代わりに使うV2H充放電設備向けの補助制度も、本記事の充電用コンセントとは別枠です。機能と工事範囲はEV充電設備とV2Hの5軸比較、制度詳細はV2H充放電設備の国の補助金で確認できます。可搬型の外部給電器(V2L)との違いはV2LとV2Hの違いで整理しています。

V2Hを検討する場合の車両側の対応可否はV2Hを付ける前の車両側の対応可否の確認手順、VPP・デマンドレスポンスへの活用はEV・V2HをVPP・デマンドレスポンスに活用する仕組みで確認できます。

V2Hを設置した場合に太陽光の余剰電力を車への充電へ優先して回す運転モードの考え方はV2Hで太陽光の余剰電力を優先して車に充電するで確認できます。

充電用コンセントを増やす前の契約アンペアの確認

契約アンペアは、同時に使える電気の量の上限を表します。東京電力エナジーパートナーは、契約アンペアの大きさは同時に使用できる電気の量で、どれだけの電気機器を同時に使うかが選ぶ際のポイントと案内しています。充電中に他の家電も使うと、現在の契約では足りなくなる場合があります。

  1. 現在の契約アンペアを、分電盤のアンペアブレーカーや検針票で確認する。
  2. 夕食時や冷暖房の使用が重なる時間帯など、1年で最も電気を使う場面に充電が重なるかを考える。
  3. 変更したい場合は、契約している小売電気事業者の窓口やWebで申し込む。

東北電力は、アンペア変更はインターネットで24時間申し込めるが、希望日の3日前までの申し込みが必要で、設備の状況によっては電気工事店による工事が必要な場合もあると案内しています。申し込み方法や期限、対象の契約種別は電力会社ごとに異なるため、契約先の案内を確認してください。配線や工事の内容は、本記事では扱いません。

出典:東京電力エナジーパートナー「ご契約アンペアの選び方」、東北電力「料金プラン・容量の変更」

卒FIT後の試算との関係

EV充電設備の導入費用・補助金は、当サイトの卒FIT後の比較シミュレーターの試算には含まれていません。シミュレーターは売電継続・蓄電池設置・買取プラン変更の3択を比較するもので、EV充電設備は別に検討する項目です。3択の考え方は、卒FIT後に確認することの記事で説明しています。

自宅で充電した場合の1kWhあたりの電気代と、卒FIT後に余った電気を売る買取単価の比べ方は、電費と走行距離から充電量を求める手順とあわせてEVの自宅充電の電気代と卒FIT売電の比較で確認できます。

見積書の読み方は蓄電池・V2H・EV充電設備の見積書チェックリストで項目別に整理しています。

よくある質問

Q太陽光発電の設備と一緒にEV充電コンセントの補助金も使えますか?

A太陽光発電の補助金とEV充電設備の補助金は別の制度です。それぞれの執行団体(太陽光・蓄電池はSII、EV充電設備は次世代自動車振興センター)の申請要件を個別に確認してください。

QV2H(EVを蓄電池代わりに使う設備)の補助金もありますか?

A本記事で扱う戸建て住宅充電用コンセントの補助金とは別に、V2H充放電設備向けの補助制度が次世代自動車振興センターの公式サイトに案内されています。設備の種類によって対象・金額が異なるため、公式サイトで個別に確認してください。

Qこの補助金はいつまで申請できますか?

A応募要領(令和8年3月版)では、交付申請期間は2026年3月31日17時から9月30日17時までで、申請額の累計が予算額を超えそうな場合は期間中でも受付を終了すると定められています。この期限は2026年10月12日時点で過ぎているため、延長や次の募集があるかは次世代自動車振興センターの公式サイトで確認してください。

マンションや賃貸住宅の駐車場に付ける場合の管理組合・大家への手続きはマンション・賃貸住宅でEV充電設備を付けるときの手続きの順番で整理しています。

コンセント型とケーブル付き充電器の違いと工事の考え方は戸建てのEV充電設備の種類を比べるで整理しています。

EV充電・V2H・蓄電池の記事を状況別に読む順番はEV充電・V2H・V2L・蓄電池の記事の読む順番にまとめています。

V2H充放電設備には自治体の補助もあります。5自治体の補助額と要件はV2H・EV充電設備の自治体補助の比較で確認できます。

関連記事として、V2H・EV充電設備・蓄電池の補助金を国・都道府県・市で比較も確認できます。

次に読む順番

  1. 充電設備の種類を比べる:戸建てのEV充電設備の種類を比べる(コンセント型・コンセントスタンド・ケーブル付き充電器の工事と向く使い方)
  2. 出力と必要な電流・専用回路を確かめる:EV普通充電の出力3kWと6kWの違い(充電時間の計算方法・必要な電流と回路)
  3. 見積書の項目を確かめる:蓄電池・V2H・EV充電設備の見積書チェックリスト(機器代・工事費・申請代行・保証・補助金の扱い)

状況別の全体の順番はEV充電・V2H・V2L・蓄電池の記事の読む順番にまとめています。

本記事は一般的な情報提供です。補助金の受付状況・要件は変更される場合があるため、申請前に必ずCEV-PC公式サイトで最新情報を確認してください。特定の施工業者・製品を推奨するものではなく、電気工事の設計・実施、個別の投資・税務助言は行いません。

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