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卒FIT後でも、劣化したパネルの一部だけを取り外すなど、太陽電池の枚数や合計出力を減らす「一部撤去(減設)」は事業計画の変更事項の一つとされています。撤去を進める前に、届出の要否を確認します。

変更手続の枠組みを確認する

資源エネルギー庁の整理表では、太陽電池に係る事項(製造事業者名・種類・変換効率・型式番号・枚数・合計出力)の変更は、調達価格・基準価格が変わる可能性がある場合は変更認定申請、変わらない場合は卒FIT向けの届出の対象とされています。整理表は増加・減少の方向を区別せず「枚数・合計出力の変更」として扱っているため、一部撤去にも同じ区分が当てはまります。

出典:資源エネルギー庁「<変更内容ごとの変更手続の整理表>」

出力が10kW未満に下がる撤去では追加書類がある

資源エネルギー庁「50kW未満太陽光の変更申請手続の方法」では、太陽光発電設備の出力を10kW以上から10kW未満に変更するため変更認定申請書を提出する場合、「太陽光発電設備の出力減少に伴う廃棄の実施状況等報告書」の添付が必要と案内されています。一部撤去によって出力区分が10kW未満へ下がるケースが該当します。

出典:資源エネルギー庁「50kW未満太陽光の変更申請手続の方法」

逆に撤去後も10kW以上50kW未満のまま変わらない場合、事業計画の届出とは別に、電気事業法上の小規模事業用電気工作物としての届出が必要です。対象範囲・期限・提出方法は小規模事業用電気工作物の届出手続きを確認するで整理しています。

卒FIT後は専用の届出区分がある

資源エネルギー庁の整理表では、交付期間または調達期間が終了した事業計画向けに「卒FIT事前変更届出」という区分が用意されています。卒FIT後の事業計画も電子申請システムでの手続き対象であり、撤去したまま放置してよいわけではありません。

事業区域の面積が変わる場合も確認する

整理表では、事業区域の面積の変更も届出・変更認定申請の対象とされています。屋根の一部でパネルを撤去し、事業区域として申請していた面積そのものが変わる場合は、太陽電池に係る事項の変更と併せて確認します。

出力の変化で手続きの要否を見分ける計算例

次の数値は計算のしかたを示すための仮の例で、実在の設備ではありません。パネル1枚の出力を0.4kWとして、合計出力は枚数×1枚の出力で求めます。

撤去枚数と合計出力の変化(仮の例)
撤去前撤去枚数撤去後の合計出力10kWの線との関係
30枚(12.0kW)4枚26枚×0.4=10.4kW10kW以上のまま
30枚(12.0kW)6枚24枚×0.4=9.6kW10kW未満へ下がる

上の表の下段のように10kW以上から10kW未満に下がる場合は、前の節のとおり、変更認定申請書に廃棄の実施状況等報告書を添付する案内があたります。上段のように10kW以上のままなら、この報告書の案内は出力区分が下がるケースに関するものなので、別の確認になります。どちらの場合も、枚数と合計出力が変わる点は変更事項として整理表に載っています。

手続き前の確認順

  1. 一部撤去で太陽電池の枚数・合計出力がどう変わるか整理する
  2. 出力が10kW以上から10kW未満に下がるか確認する(下がる場合は廃棄の実施状況等報告書が必要)
  3. 事業区域の面積が変わるか確認する
  4. 卒FIT向け届出か変更認定申請かを電子申請システムまたは窓口で確認する

取り外したパネルの廃棄・リユースの流れは廃棄・処分方法のガイド、リユース判定の確認項目はリユース判定のガイドで整理しています。設備の構成要素はパネル・架台・パワコン等のガイドで確認できます。

一部撤去後の年間収支は、当サイトの卒FIT後の比較シミュレーターで試算できます。

撤去したパネルがリユースされるかリサイクルされるかの流れは撤去した太陽光パネルのリユース・リサイクルの流れで確認できます。

逆に枚数を増やす「増設」を検討する場合の届出は卒FIT後の増設と届出で整理しています。

よくある質問

Q卒FIT後にパネルを一部撤去(減設)したら、必ず届出が必要ですか?

A資源エネルギー庁の整理表では、太陽電池の枚数・合計出力の変更は事業計画の変更事項の一つです。調達価格・基準価格が変わらない場合は卒FIT向けの届出、変わる可能性がある場合は変更認定申請の対象とされています。個別の要否は電子申請システムまたは窓口で確認してください。

Q出力が10kW以上から10kW未満に変わる撤去では、何が必要ですか?

A資源エネルギー庁の案内では、太陽光発電設備の出力を10kW以上から10kW未満に変更するために変更認定申請書を提出する場合、「太陽光発電設備の出力減少に伴う廃棄の実施状況等報告書」の添付が必要とされています。

Q12kWの設備から6枚(2.4kW分)を外すと10kW未満になりますか?

Aパネル1枚0.4kWの仮の例では、30枚(12.0kW)から6枚外すと24枚で9.6kWとなり、10kW未満に下がります。この場合は資源エネルギー庁の案内にある廃棄の実施状況等報告書の添付が必要な区分に当たります。実際の枚数・出力は設備の認定情報で確認してください。

Q撤去したパネルはどうすればいいですか?

A取り外したパネルの廃棄・リユースの流れは、届出とは別の確認事項です。当サイトの別記事で、産業廃棄物としての扱いやリユース判定の確認項目を整理しています。

本記事は一般的な情報提供です。個別設備の届出要否・様式は、再生可能エネルギー電子申請システムまたは資源エネルギー庁・お問い合わせ窓口へ確認してください。電気工事の設計・実施には関与しません。