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配偶者控除や扶養控除を受けられるかは、扶養される家族の「収入」ではなく「合計所得金額」で判定されます。家族が自宅の太陽光発電で売電収入を得ている場合、その売電による所得も合計に入るかどうかが気になるところです。この記事では、国税庁が公表している基準額と考え方を整理します。個別の判定は行いません。

出典:国税庁タックスアンサー No.1191「配偶者控除」

「収入」と「所得」は別のもの

売電収入は、電力会社から受け取る売電代金の総額です。一方「所得」は、収入から必要経費などを引いた後の金額です。自宅の太陽光発電の売電による所得は、給与所得者が事業として行っていない場合は雑所得に区分されます(くわしくは売電収入の確定申告で整理しています)。

所得税法では、総所得金額に雑所得の金額が含まれると定められています(所得税法第22条第2項)。配偶者控除などの判定に使う合計所得金額は、この総所得金額などを合計したものなので、売電による雑所得もそこに入ると考えるのが基本です。

出典:e-Gov法令検索 所得税法(第22条)

国税庁は、合計所得金額に入らないものの例として、非課税所得、確定申告をしないことを選んだ上場株式の配当など、源泉分離課税の預貯金の利子などを挙げています。売電収入はこの一覧に含まれていません。

出典:国税庁タックスアンサー No.1190「配偶者の所得がいくらまでなら配偶者控除が受けられるか」

配偶者控除・配偶者特別控除の基準額

配偶者控除の対象になる配偶者の要件の1つが、年間の合計所得金額の上限です。国税庁は、年分ごとの金額を次のように示しています。

配偶者の合計所得金額の基準(国税庁)
年分配偶者控除の基準給与のみの場合の給与収入配偶者特別控除の範囲
令和8年分から(令和8年12月1日施行)62万円以下136万円以下62万円超133万円以下
令和7年分58万円以下123万円以下58万円超133万円以下
令和2年分から令和6年分48万円以下103万円以下48万円超133万円以下

配偶者控除は、控除を受ける本人の合計所得金額が1,000万円以下であることなどの要件もあります。控除額は、本人の合計所得金額が900万円以下の場合、一般の控除対象配偶者で38万円、老人控除対象配偶者で48万円です。配偶者特別控除は、本人の合計所得金額が1,000万円以下で、配偶者の合計所得金額が上の表の範囲にあるときに受けられる場合があります。

出典:国税庁タックスアンサー No.1195「配偶者特別控除」

売電の所得を足した計算の考え方

国税庁は、配偶者に給与所得以外の所得がある場合の例として、給与収入90万円と不動産所得10万円のケースを挙げています。給与所得は90万円から給与所得控除74万円を引いた16万円で、これに不動産所得10万円を足した合計所得金額26万円は62万円以下なので、配偶者控除が受けられるという計算です(令和8年分から適用される金額)。

この例の不動産所得を売電の雑所得に置き換えると、同じ考え方で合計所得金額を求められます。これは国税庁の例を当サイトが置き換えた計算の目安で、売電の雑所得は売電収入から必要経費(減価償却費など)を引いた金額になるため、実際の金額は世帯ごとに異なります。

合計所得金額の求め方(令和8年分の基準で置き換えた目安)
項目金額
給与収入90万円
給与所得(90万円−給与所得控除74万円)16万円
売電の雑所得(仮に10万円とした場合)10万円
合計所得金額26万円(62万円以下)

給与収入だけで基準の上限に近い場合は、売電の雑所得を足した合計所得金額が基準を超える可能性があります。基準を超えるかどうかは、給与の金額、売電の必要経費、ほかの所得によって変わります。

扶養控除(親や子を扶養している場合)

扶養控除の対象になる扶養親族の要件にも、年間の合計所得金額の上限があります。国税庁は、この上限を58万円以下(令和2年分から令和6年分は48万円以下)とし、令和8年12月1日に施行され令和8年分から適用される金額は62万円以下と案内しています。給与のみの場合の目安は給与収入123万円以下(令和2年分から令和6年分は103万円以下)と示されています。

扶養親族は、配偶者以外の親族などで納税者と生計を一にしている人です。控除額は、一般の控除対象扶養親族で38万円、老人扶養親族で同居老親等以外48万円・同居老親等58万円です。このほかに、年末時点の年齢などの要件があります。

出典:国税庁タックスアンサー No.1180「扶養控除」

この記事で確認できていないこと

  • 売電収入が家族の誰の所得になるか(契約名義の人か、設備の持ち主か)は、個別の事情で変わります。この記事では判断しません。
  • 住民税の扶養の扱い、年金の扶養の基準は、所得税とは別の制度で、この記事では確認できていません。健康保険の扶養は売電収入と健康保険の扶養で別に整理しています。勤務先や加入先の窓口でご確認ください。
  • 令和8年分の金額が適用される前の年分の取り扱いは、国税庁の案内(令和8年度税制改正のQ&A)で確認してください。

卒FIT後の売電の収入額の目安は、卒FIT後の比較シミュレーターや卒FIT買取単価の一覧と比較のしかた|大手電力10社で確かめられます。消費税の面ではインボイス登録の要否も別に整理しています。

よくある質問

Q売電収入が少しあるだけで、配偶者控除は受けられなくなりますか?

A売電収入そのものではなく、売電収入から必要経費を引いた雑所得を含む「合計所得金額」で判定します。国税庁によると、配偶者の合計所得金額が62万円以下(令和7年分は58万円以下)なら配偶者控除の対象です。62万円を超えても133万円以下なら配偶者特別控除が受けられる場合があります。

Q配偶者がパートで年収が基準内でも、売電収入があると影響しますか?

A給与だけの場合は給与収入136万円以下(令和7年分は123万円以下)が目安ですが、国税庁は、給与以外の所得がある場合は給与所得と他の所得を合計した合計所得金額で判定するとしています。売電の雑所得もその合計に入るため、給与収入の目安だけでは判定できません。

Q親を扶養している場合も同じ考え方ですか?

A扶養控除の要件の1つも、年間の合計所得金額が令和7年分までは58万円以下(令和8年分は62万円以下)です。給与のみの場合の目安は給与収入123万円以下(令和2年分から令和6年分は103万円以下)と示されています。令和8年分から適用される金額は62万円以下です。他の要件もあるため、個別の判定は税務署・税理士にご確認ください。

本記事は国税庁・e-Gov法令検索が公表する情報にもとづく一般的な情報提供であり、個別の税務相談・申告代理には該当しません。控除を受けられるかどうかや税額は、個々の状況により異なります。具体的な判断は税理士または最寄りの税務署にご確認ください。

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