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資源エネルギー庁は、給与収入や自宅に設置した太陽光発電設備から生じた電気の余剰売電の収入について、消費税の課税の対象外であるとしています。このため、卒FIT後も余剰電力を売電しているだけの一般的な住宅用太陽光では、インボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)としての登録対応は原則不要です。
出典:資源エネルギー庁「インボイス制度関連|FIT・FIP制度」
なぜ消費税の課税対象外になるのか
国税庁の質疑応答事例(消費税)では、消費税の課税対象となる取引を「国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等」と説明しています。個人が生活の用に供している資産を譲渡する場合は課税対象になりませんが、反復・継続・独立して行われる取引であれば、会社員が行う場合でも課税対象になるとされています。
会社員が事業の用に供することなく、生活の用に供するために設置した太陽光発電設備から生じた、使い切れずに余った電気の売却は、生活用資産(非事業用資産)の譲渡にあたり、消費税法上の「事業として」の資産の譲渡には該当しないと国税庁は説明しています。この考え方は、卒FIT後に売電先を変更した場合でも変わりません。
出典:国税庁 質疑応答事例(消費税)「会社員が自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却」
全量売電は扱いが異なる場合がある
国税庁は、2012年7月以降に可能になった「全量売電」(発電した電気の全量を電力会社へ売却する契約)について、生活の用に供することなく数年間にわたって売却するものである場合、反復・継続・独立して行う取引にあたり課税の対象になるとしています。卒FIT世帯の多くは住宅用の「余剰買取」でしたが、契約が全量買取だったかどうかは余剰買取と全量買取の違いで確認できます。
| ケース | 消費税の扱い |
|---|---|
| 生活の用に供する太陽光発電設備の余剰電力を売却 | 課税対象外(生活用資産の譲渡) |
| 生活の用に供することなく、電気の全量を数年にわたり売却する契約 | 課税対象(反復・継続・独立した取引) |
| 事業として売電を行っている場合 | 課税対象(事業として行う資産の譲渡) |
インボイス制度の基本
インボイス制度(適格請求書等保存方式)は、2023年10月1日に始まった消費税の仕入税額控除の方式です。税務署長に登録を受けた課税事業者であるインボイス発行事業者が交付するインボイス(適格請求書)等の保存が、買手側の仕入税額控除の要件になります。
資源エネルギー庁は、FIT認定事業者のうち消費税を申告・納税する課税事業者にはインボイス発行事業者としての登録を案内する一方、消費税を申告・納付していない免税事業者は対応不要としています。給与収入や自宅設置の太陽光発電による余剰売電収入は、この課税事業者・免税事業者の判定に使う課税売上高にも含まれません。
登録が必要な場合の手順(資源エネルギー庁の案内)
課税事業者かどうかは、その課税期間の基準期間(個人事業者は原則として前々年)の課税売上高で決まります。資源エネルギー庁の案内では、1,000万円を超えると消費税の納税義務者となり、1,000万円以下は原則として納税義務が免除される免税事業者です。登録が必要な課税事業者の場合、案内されている手順は次の2段階です。
- 納税地を所轄する税務署長へ登録申請書を提出し、インボイス発行事業者になる(e-Taxまたは郵送)。
- 送られてくる「登録通知書」に記載された登録番号を、売電先である買取義務者へ報告する。
免税事業者はインボイスの登録がなくても、現行の買取価格が変更されることはないと同ページに書かれています。自宅の屋根の太陽光で余った電気を売るだけの家庭は、この手順の前の段階で課税対象外にあたるため、通常は上の2段階に進みません。ほかに事業を営んでいて課税事業者に当たる場合は、その事業側の判断になるため、税務署または税理士へ確認してください。
出典:資源エネルギー庁「インボイス制度関連|FIT・FIP制度」
当サイトでできること・できないこと
当サイトの卒FIT後の比較シミュレーターは、売電継続・蓄電池設置・買取プラン変更の年間差額を試算するものであり、消費税・所得税の申告要否や税額の計算は行いません。売電収入にかかる所得税・確定申告の一般的な考え方は、別の記事「卒FIT後の売電収入、確定申告は必要?」で別途整理しています。
個別の消費税・インボイス登録の要否についての判断は、税理士・最寄りの税務署にご相談ください。売電の基本的な仕組みは、「卒FITとは?買取期間満了後に確認すること」の記事にまとめています。
よくある質問
Q卒FIT後の売電収入で、インボイス制度への登録は必要ですか?
A資源エネルギー庁は、給与収入や自宅に設置した太陽光発電設備から生じた電気の余剰売電の収入は消費税の課税の対象外としており、インボイス発行事業者(適格請求書発行事業者)としての登録対応は不要としています。
Qなぜ消費税の課税対象外になるのですか?
A国税庁の質疑応答事例では、生活の用に供するために設置した太陽光発電設備から生じた余剰電力の売却は、事業者ではない個人が行う生活用資産(非事業用資産)の譲渡にあたり、消費税法上の「事業として」の資産の譲渡には該当しないためと説明されています。
Q登録しないと買取価格は下がりますか?
A資源エネルギー庁は、消費税を申告・納付していない免税事業者について、インボイスの登録がなくても現行の買取価格が変更されることはないと案内しています。登録が案内されているのは、消費税を申告・納税している課税事業者です。
Q例外はありますか?
A国税庁は、生活の用に供することなく発電した電気の全量を電力会社へ数年にわたって売却する契約(全量売電)については、反復・継続・独立して行う取引にあたり課税の対象となるとしています。該当するかどうかは契約内容によって異なるため、税務署・税理士にご確認ください。
本記事は資源エネルギー庁・国税庁が公表する情報にもとづく一般的な情報提供であり、個別の税務相談・申告代理には該当しません。具体的な消費税の課税対象・インボイス登録の要否は、個々の契約内容・状況により異なるため、税理士または最寄りの税務署にご確認ください。