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健康保険の扶養(被扶養者)は、税の扶養とは別の物差しで判定され、日本年金機構は「年間収入130万円未満」などの収入要件を示しています。売電収入のある家族を扶養に入れたい、あるいは扶養から外れないか心配という場合に、税の基準だけで判断すると食い違うことがあります。この記事では公開資料で確認できた基準と、確認できなかった点を分けて整理します。個別の判定は行いません。

出典:日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き」

健康保険の被扶養者になる収入の基準

日本年金機構は、被扶養者の条件を「日本国内に住所を有し、被保険者により主として生計を維持されていること」と、収入要件・同一世帯の条件などで示しています。収入要件は次のとおりです。

健康保険の被扶養者の収入要件(日本年金機構)
項目基準
年間収入130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)
同居の場合収入が被保険者の収入の半分未満
別居の場合収入が被保険者からの仕送り額未満
19歳以上23歳未満(扶養認定日が令和7年10月1日以降)年間収入150万円未満

同居で収入が被保険者の半分以上の場合でも、被保険者の年間収入を上回らず、世帯の生計の状況から被保険者が生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者となることがあると同機構は案内しています。

この収入要件は、昭和52年4月6日の厚生省(当時)通知「収入がある者についての被扶養者の認定について」にも同じ形で示されています。通知は、判定を保険者が行う取扱いとしており、保険者による判定の差異をなくすための参考要領と位置づけています。

出典:厚生労働省「収入がある者についての被扶養者の認定について」(昭和52年保発第9号・庁保発第9号)

税の扶養との違い

税の扶養(配偶者控除・扶養控除)は、売電収入から必要経費を引いた雑所得を含む「合計所得金額」で見ます(売電収入と配偶者控除・扶養控除の判定で整理しています)。健康保険の扶養は、公開資料で「年間収入」という言葉が使われています。

税の扶養と健康保険の扶養の違い(公開資料で確認できた範囲)
比べる点税の扶養(国税庁)健康保険の扶養(日本年金機構・厚生労働省通知)
物差し合計所得金額年間収入
基準額58万円以下(令和7年分)・62万円以下(令和8年分から)130万円未満(60歳以上・障害者は180万円未満)
収入の時点その年の所得認定時点・認定日以降の年間の見込み
判定する人税務署・年末調整(勤務先)保険者(協会けんぽ・健康保険組合など)

基準額の数字だけを見ると、健康保険のほうが大きく見えます。ただし物差しが所得と収入で別なので、数字の大小を単純に比べることはできません。

出典:国税庁タックスアンサー No.1180「扶養控除」

年間収入は「見込み」で見る

日本年金機構は、年間収入を過去の収入ではなく、被扶養者に該当する時点および認定された日以降の年間の見込み収入額としています。被扶養者の収入には、給与のほか、雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれるとされています。

夫婦ともに収入がある場合は、被扶養者の人数にかかわらず、年間収入の多い方の被扶養者として認定すると同機構は案内しています。配偶者が国民健康保険の被保険者の場合は、届出の「配偶者の収入(年収)」欄に直近の年間所得で見込んだ額を記載する扱いです。

売電収入をどう数えるかは、確認できていません

今回確認した日本年金機構と厚生労働省の公開資料には、売電収入が年間収入にどう入るか、必要経費を引けるかの記載を確認できませんでした。売電の数え方は、この記事では示せません。

加入している保険者に、見積もりの前に次の点を聞いておくと、判定の食い違いを避けやすくなります。

  • 売電収入は、受け取った売電代金の総額で数えるのか、必要経費を引いた額で数えるのか。
  • 引ける経費がある場合、その範囲と、必要な書類は何か。
  • 年間の見込みは、直近1年の売電明細から出してよいのか。
  • 給与など他の収入と、どのように合算されるのか。

売電代金の目安は、卒FIT後の比較シミュレーターや卒FIT買取単価の一覧と比較のしかた|大手電力10社で確かめられます。所得区分や確定申告の要否は売電収入の確定申告で別に整理しています。

この記事で確認できていないこと

  • 売電収入の健康保険上の数え方と、必要経費の扱い(上記のとおり公開資料で確認できず)。
  • 国民健康保険の保険料や、国民年金の第3号被保険者の扱い。別の制度で、この記事では確認していません。
  • 勤務先の健康保険組合が独自の基準を設けている場合の内容。保険者ごとの確認が必要です。

よくある質問

Q税の扶養に入れる売電収入なら、健康保険の扶養にも入れますか?

A同じ結論になるとは限りません。税の扶養は合計所得金額(国税庁の基準は令和7年分58万円以下・令和8年分62万円以下)で見ますが、日本年金機構が示す健康保険の扶養は、年間収入130万円未満などの収入要件で見ます。判定の物差しが別なので、それぞれ確認が必要です。

Q売電収入は、健康保険の年間収入にそのまま入りますか?

A今回確認した日本年金機構・厚生労働省の公開資料には、売電収入をどう数えるかの記載を確認できませんでした。必要経費を引けるかどうかも含め、加入している保険者(協会けんぽ・健康保険組合など)への確認が確実です。

Q年間収入は、過去1年の実績で見ますか?

A日本年金機構は、年間収入を過去の収入ではなく、被扶養者に該当する時点および認定された日以降の年間の見込み収入額としています。売電は天候や発電量で月ごとに変わるため、見込みの出し方を保険者に確認しておくと安心です。

扶養に入れるかどうかは、加入している保険者(協会けんぽ・健康保険組合など)が個別の状況で判定します。具体的な判断は保険者または社会保険労務士・税理士にご確認ください。

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