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エネファームと太陽光を併用する世帯は、太陽光の自家消費・売電量が変わる一方で、エネファーム稼働のためのガス消費量が増えます。この増えたガス代の単価がどう決まるかは、その地域が都市ガスかLPガスかで制度上の仕組みが異なります。太陽光との自家消費・売電の関係はエネファームと太陽光の併用ガイドで整理しており、本記事ではガス代の制度面に絞って解説します。蓄電池も含めた三つの組み合わせは太陽光・蓄電池・エネファームの併用で整理しています。
エネファーム稼働でガス消費量が増える
大阪ガス公式の試算条件によれば、エネファームtype S(余剰電力買取)を使用する場合の年間ガス使用量は1,630m³で、従来型のガス給湯暖房機のみを使う場合の917m³より多く見込まれています。これは大阪ガスが公開している試算条件にもとづく数値で、実際の使用量は世帯の給湯・暖房需要により異なります。
都市ガスは経過措置料金規制が残る地域がある
都市ガスの小売は2017年4月に全面自由化されました。日本ガス協会によれば、競争が不十分な地域では既存の都市ガス事業者に対する経過措置料金規制が引き続き適用されます。これは、競争が働かない状況で既存事業者が料金を引き上げても利用者に有効な代替の選択肢が乏しく、一方的な値上げを事実上受け入れざるを得なくなる事態を防ぐための措置とされています。
規制の解除には、他燃料との競争状況に加え、都市ガス内の新規参入事業者との競争状況もあわせて考慮されます。
出典:日本ガス協会「ガス小売全面自由化の経緯などについて」、日本ガス協会「お客さま保護(消費者保護)について」
LPガスは自由料金制で事業者ごとに価格差が生まれる
一方LPガスは、各販売事業者がそれぞれの経営実態・販売政策にもとづき料金を個々に設定する自由料金制で、都市ガスのような法律上の認可制度がありません。経済産業省・資源エネルギー庁は、消費者が料金を比較しやすいよう、事業者に対して標準的な料金メニューと月額料金例をホームページで公表するよう要請していますが、これは指導であり義務ではありません。2025年4月には、設備費用をガス料金と別枠で表示・計上することを禁止する「三部料金制の徹底」など、料金の表示・計上方法に関する新しいルールが施行されています。
同じ地域内でも事業者ごとに料金差が生じうる制度であるため、都市ガスとLPガスの料金差を確認するなど、契約中の事業者の料金水準を把握しておくと状況を整理しやすくなります。検針票で見る項目はプロパンガス地域でエネファーム・エコキュートを選ぶ前に確かめるガス料金の項目で整理しています。
出典:経済産業省「LPガス料金の表示・計上方法に関する新しいルールを施行しました」
LPガス対応のエネファームもある
パナソニックは2017年2月9日、LPガスに対応した家庭用燃料電池「エネファーム」の新製品を発表し、同年4月から寒冷地を除くほぼ日本全国で発売が可能になったと公表しています。LPガス地域だからエネファームを設置できないわけではなく、対応機種・設置条件は販売店やメーカーに個別の確認が必要です。LPガスの契約を解約してオール電化へ切り替える場合は、先にLPガス解約前に確認する契約書面の記載事項を確認してください。
出典:パナソニック ニュースルーム「LPガスに対応した家庭用燃料電池『エネファーム』の戸建向け新製品を発売」
卒FIT後の収支への関わり方
卒FIT後は売電単価が下がるため、太陽光・エネファームで発電した電気をどれだけ自家消費に回せるかが収支に影響します。あわせて、エネファーム稼働で増えるガス代が都市ガスの規制料金の範囲にあるのか、LPガスの自由料金で事業者ごとの差がありうるのかを把握しておくと、電気代とガス代を合わせた年間収支を見積もりやすくなります。売電継続・蓄電池併設・買取プラン変更それぞれの試算は卒FIT比較シミュレーターで確認できます。
まとめ
- エネファーム稼働で増えるガス消費量は、大阪ガスの試算条件で年間1,630m³(従来型は917m³)です。
- 都市ガスは2017年4月に全面自由化されましたが、競争が不十分な地域には既存事業者への経過措置料金規制が残ります。
- LPガスは自由料金制で事業者ごとに価格を個々に設定しており、法律上の認可制度はありません。
- パナソニックは2017年からLPガス対応のエネファームを発売しており、LPガス地域でも導入自体は可能です。
- 電気代とガス代を合わせた卒FIT後収支は、自家消費の変化とガス料金制度の両方を踏まえて見積もる必要があります。
よくある質問
Qエネファームを使うとガス代はどのくらい増えますか?
A大阪ガス公式の試算条件では、エネファームtype S(余剰電力買取)使用時の年間ガス使用量は1,630m³、従来のガス給湯暖房機のみを使う場合は917m³とされています。実際の増加額はガス単価・世帯の使用状況により異なるため、本記事では公式試算条件として紹介するにとどめます。
Q都市ガスとLPガスでは料金の決まり方はどう違いますか?
A都市ガスは2017年4月に小売全面自由化されましたが、日本ガス協会によれば、競争が不十分な地域では既存事業者に経過措置料金規制が残ります。これは代替の選択肢が乏しい中で一方的な値上げを受け入れざるを得ない事態を防ぐための措置です。一方LPガスは自由料金制で、各事業者が個々に価格を設定しており、法律上の認可制度はありません。
QLPガス地域でもエネファームは設置できますか?
Aパナソニックは2017年にLPガスに対応した機種を発売し、寒冷地を除くほぼ日本全国で使用できるとしています。設置可否・対応機種・工事条件は販売店またはメーカーに個別に確認してください。
本記事は日本ガス協会・経済産業省・大阪ガス・パナソニックの公表情報にもとづく一般的な情報提供です。個別の契約条件・料金・工事の可否は、契約中のガス事業者・メーカー・販売店に直接ご確認ください。特定の事業者を推奨するものではなく、個別の投資・税務助言は行いません。