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卒FIT後に余剰電力をお湯づくりに回そうとエコキュートへ切り替えると、給湯に使っていたLPガス(プロパンガス)の契約を見直すことになります。解約の前に確かめておきたいのが、ボンベ・メーター・配管などの設備が誰の所有で、撤去や精算の費用がどう決められているかです。これらは、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(液化石油ガス法)により、契約時に交付される書面の記載事項になっています。エコキュートの機能は記事「エコキュートの昼間沸き上げ機能とは」、補助制度は記事「給湯省エネ2026事業のおひさまエコキュート補助」で整理しています。本記事は解約前の確認点に絞ります。
関連記事として、プロパンガス地域でエネファーム・エコキュートを選ぶ前に確かめるガス料金の項目も確認できます。
契約時の書面は法律で交付が義務づけられている
液化石油ガス法第14条第1項により、LPガス販売事業者は、消費者と販売契約を締結したときは、遅滞なく、所定の事項を記載した書面を交付しなければなりません。記載した事項を変更したときも、変更部分について同様に交付します。
同条第3項により、消費者の承諾を得て、書面に代えて電子的な方法で提供することもできます。その場合でも、施行規則第13条第3項により、相手方から求めがあれば書面を交付しなければなりません。手元に書面が見当たらないときは、まず契約中の事業者に交付を求めるところから始められます。
出典:e-Gov法令検索「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」第14条、同法施行規則第13条
解約前に書面で確認する4つの記載事項
施行規則第13条第1項は、書面の記載事項を定めています。そのうち、オール電化への切り替えでガスの使用をやめる場面に関わるのは次の4つです。
| 施行規則第13条第1項 | 記載事項 | 解約前に見ておく点 |
|---|---|---|
| 第6号 | 供給設備及び消費設備の所有関係 | ボンベ・メーター・配管・給湯器などが、自分の所有か事業者の所有か |
| 第7号 | 供給設備及び消費設備の設置、変更、修繕及び撤去に要する費用の負担の方法 | 撤去の費用を誰がどう負担すると書かれているか |
| 第8号 | 事業者所有の消費設備を利用する場合に消費者が支払うべき費用の額及び徴収方法(所有権が事業者にある場合に限る) | 設備の利用料を払っているか、その額と払い方 |
| 第9号 | 消費設備に係る配管について、販売契約解除時に事業者から消費者へ所有権を移転する場合の精算額の計算方法(配管の所有権が事業者にある場合に限る) | 解約時に配管を引き取る場合の精算額の計算方法 |
とくに第9号は「販売契約解除時」の精算を直接定めた記載事項で、配管が事業者の所有である場合、解約時の精算額の計算方法が書面に書かれています。精算額そのものは契約ごとに異なるため、本記事では金額の目安を示しません。
出典:e-Gov法令検索「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則」第13条
事業者所有の設備は供給開始時までに確認される
施行規則第16条第11号は、事業者が所有する消費設備を消費者が利用する場合、事業者は供給開始時までに、その設備が事業者の所有であることを消費者に確認することと定めています(消費設備の所有権が事業者にある場合に限ります)。入居時や給湯器の交換時にこの説明を受けた記憶があれば、書面の第6号・第8号とあわせて見直すと所有関係を整理しやすくなります。
設備の費用は料金と分けて整理して請求される
施行規則第16条第15号の7は、料金その他の費用を請求するとき、消費量にかかわらず生ずる費用、消費量に応じて生ずる費用、消費設備の貸与等に係る費用に整理し、その算定根拠を通知することを定めています。同条第15号の8は、消費設備に係る配管及び液化石油ガス器具等の設置等に係る費用以外の費用を、消費設備の貸与等に係る費用として請求しないことを定めています。検針票や請求書で設備の費用がどの区分で請求されているかを見ておくと、解約時に何が精算の対象になりうるかを書面と照らし合わせやすくなります。
出典:e-Gov法令検索「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則」第16条
事業者を切り替える場合の撤去の定め
ガスを使い続けたまま別の事業者に切り替える場合について、施行規則第16条第15号の10は、新たに供給する事業者が、他の事業者の所有する供給設備が既に設置されているとき、消費者から元の事業者へ解除の申し出があってから相当期間が経過するまでは、その供給設備を撤去しないことを定めています。元の事業者の同意を得ているときは、この限りではありません。オール電化でガスの使用そのものをやめる場合とは場面が異なるため、撤去の段取りは書面の第7号と契約中の事業者に確認してください。解約の手順や注意点は、同じ運営のプロパンガス解約時の注意点を確認するページでも整理しています。
卒FIT後の収支への関わり方
エコキュートへの切り替えは、卒FIT後に安くなった売電の代わりに余剰電力を給湯に使う選択肢の一つです。その判断では、機器代や補助金に加えて、LPガス解約時の配管の精算や設備の撤去費用が発生するかどうかも、切り替えの費用に含めて見ておく必要があります。売電継続・蓄電池併設・買取プラン変更それぞれの試算は卒FIT比較シミュレーターで確認できます。
まとめ
- LPガス販売事業者は、販売契約の締結時に所定の事項を記載した書面を交付しなければなりません(液化石油ガス法第14条)。
- 電子的な方法で提供された場合でも、求めれば書面の交付を受けられます(施行規則第13条第3項)。
- 解約前には、設備の所有関係(第6号)、撤去費用の負担の方法(第7号)、設備の利用料(第8号)、解約時の配管の精算額の計算方法(第9号)を書面で確認します。
- 事業者を切り替える場面では、解除の申し出から相当期間が経過するまで新しい事業者は既存の供給設備を撤去しないと定められています(施行規則第16条第15号の10)。
よくある質問
QLPガスの契約内容はどこで確認できますか?
A液化石油ガス法第14条により、LPガス販売事業者は販売契約を締結したとき、遅滞なく所定の事項を記載した書面を交付しなければならず、記載事項を変更したときも同様です。消費者の承諾があれば電子的な方法で提供されている場合もありますが、施行規則第13条第3項により、求めがあれば書面の交付を受けられます。
Q解約時に配管の買取りを求められることはありますか?
A施行規則第13条第1項第9号は、消費設備に係る配管について、販売契約解除時に販売事業者から消費者へ所有権を移転する場合の精算額の計算方法を、契約時の書面の記載事項としています(配管の所有権が販売事業者にある場合に限ります)。自宅の配管が誰の所有か、精算額がどう計算されるかは、手元の書面で確認できます。
Q解約を申し出たら、すぐにボンベやメーターが撤去されますか?
A施行規則第16条第15号の10は、新たに供給する事業者が、他の事業者が所有する供給設備が既に設置されているとき、解除の申し出から相当期間が経過するまでは撤去しないことを定めています(元の事業者の同意がある場合を除きます)。これは事業者を切り替える場面の規定です。ガスの使用自体をやめる場合の撤去の段取りと費用は、書面の「撤去に要する費用の負担の方法」と契約中の事業者に確認してください。
本記事はe-Gov法令検索に掲載された液化石油ガス法・同法施行規則の条文にもとづく一般的な情報提供です。個別の契約条件・精算額・撤去費用は、手元の書面と契約中のLPガス販売事業者に直接ご確認ください。特定の事業者を推奨するものではなく、法律相談や個別の投資・税務助言は行いません。