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発電側課金は、送配電設備の費用の一部を発電する側にも負担してもらう仕組みで(2024年4月から導入)、系統側への逆潮が10kW未満の小規模な設備は、当分の間、課金対象外とされています。電力会社の卒FIT買取ページに「系統連系受電サービス料金」という語が出てくるのは、この仕組みのためです。
逆潮とは、自宅で使いきれなかった電気が送配電網(系統)側へ流れることです。一般的な住宅用太陽光の売電が対象になるのか、卒FITの扱いはどうなっているのかを説明します。買取単価そのものは卒FITの買取単価を比較した記事を参照してください。
発電側課金とはどういう仕組みか
発電側課金は、送配電設備の維持・拡充に必要な費用について、これまで小売事業者が全て負担していたものの一部を、発電事業者にも負担してもらう制度です。電力・ガス取引監視等委員会の資料では、託送料金の総額は変わらず、一部を発電側が負担する形で説明されています。
資料は、この制度を2024年4月より導入されたものと説明しています。課金の方法は、固定料金のkW課金と、従量料金のkWh課金の2つです。割合は当面の間、kW課金とkWh課金で1対1とされています。
出典:電力・ガス取引監視等委員会事務局「発電側課金の発電者向け説明資料(例)」(2025年1月、一部改訂2026年5月)、同「発電側課金に係る検討について」(第80回制度設計専門会合、2022年12月22日)
課金対象になる設備と対象外の設備
資料は、系統に接続し、かつ系統側に逆潮させている電源全てを課金対象とすることを基本としています。ただし、次の表の設備は課金対象外です。
| 区分 | 資料での扱い |
|---|---|
| 系統側への逆潮が10kW未満の電源 | 当分の間、課金対象外(2022年12月の資料は例として住宅用太陽光を挙げている) |
| 既認定FIT/FIP(認定取得日が2024年3月31日以前) | 調達期間等が終了してから課金対象。調達期間内は課金対象外 |
| 新規FIT/FIP(認定取得日が2024年4月1日以降) | 調達価格等の算定で、発電側課金相当分を考慮する |
| 非FIT/卒FIT | 課金対象。事業者の創意工夫(相対契約等)の促進と円滑な転嫁の徹底を行う |
資料の表は、卒FITを課金対象の区分に挙げる一方、逆潮10kW未満は当分の間課金対象外としています。2つの記述が重なる設備の扱いまでは、挙げた資料に明記がありません。卒FITの設備で逆潮が10kW未満の場合は、10kW未満の基準が当てはまると読めますが、売電先の公式ページと契約書面での確認が必要です。
出典:電力・ガス取引監視等委員会事務局「発電側課金の発電者向け説明資料(例)」、同「発電側課金の導入について 中間とりまとめ 概要(改定案)」、同「発電側課金に係る検討について」(2022年12月22日)
対象になった場合の買取単価への転嫁の例
課金の対象になる卒FIT設備では、買取会社が課金相当分を買取単価に上乗せする例が、公式ページで確認できます。中国電力は、受給最大電力が10kW以上の場合は発電側課金(系統連系受電サービス料金)の請求対象となるため、系統連系受電サービス料金相当分として0.63円/kWh(税込)を買取単価に転嫁(上乗せ)すると書いています。
同ページは、2026年10月までの相当分は0.62円/kWhと書いています。0.62円と0.63円を切り替える時期の細部は、同ページの記載に従って確認してください。一般送配電事業者が発電者に請求する料金は、購入料金から差し引くことで支払うとも書かれています。
中部電力ミライズの卒FITのページは、単価には、系統連系受電サービスの実施に伴う調整料金は含まれていないと注記しています。会社によって、課金の転嫁の扱いが違うことが分かります。
出典:中国電力「FIT制度の買取期間満了後」、中部電力ミライズ「カテエネ 卒FIT」
自宅が対象かどうかの確かめ方
- 01
買取契約の書面で逆潮の大きさを確認する
電力会社の資料には「系統側への逆潮が10kW未満」と「受給最大電力が10kW以上」という表現があります。自宅の数値は、契約書面または売電先への問い合わせで確かめます。
- 02
FITの認定取得日と区分を確認する
2024年3月31日以前の認定か、以後の認定か、卒FITかで資料上の扱いが分かれます。
- 03
売電先の卒FITのページで「発電側課金」「系統連系受電サービス料金」の記載を探す
記載があれば、転嫁の有無と金額が書かれていることがあります。
電力会社が課金を理由に単価を変える対象かどうかは、売電先ごとの契約要綱で決まります。本記事の確認時点で、逆潮が10kW未満の住宅用についての転嫁額は、確認できた公式ページには書かれていません。ここでの整理は出典の記述(課金対象の定義と、10kW以上での転嫁の例)までで、10kW未満の単価への影響の有無は、出典からは断定できません。
蓄電池を併設するとき
電力・ガス取引監視等委員会の資料は、蓄電池を経由した放電について、系統からの引き込みによる充電に基づく放電はkWh課金の対象外と整理しています。kW課金については、系統からの引き込みによる充電に基づく放電も課金対象になると書かれています。
蓄電池の併設は、逆潮が10kW未満の家庭では課金対象外という先の基準のほうが先に当てはまるため、通常の家庭で気にする場面は多くありません。蓄電池の届出などは蓄電池を設置したときの系統連系の届出の記事で整理しています。
出典:電力・ガス取引監視等委員会「発電側課金の導入について 中間とりまとめ 概要(改定案)」
試算に使うとき
売電収入の試算は、売電先の公式ページにある買取単価を使います。卒FIT比較シミュレーターでは、売電先ごとの単価を入れて年間の差を確かめられます。
売電先を変える手続きは売電先の変更手続きの記事、卒FIT後の手続き全体は卒FIT手続き一覧にあります。
まとめ
- 発電側課金は、送配電設備の費用の一部を発電側にも負担してもらう制度で、固定のkW課金と従量のkWh課金の2つで構成されます。
- 系統側への逆潮が10kW未満の設備は、当分の間、課金対象外とされています。
- 資料は卒FITを課金対象の区分に挙げていますが、逆潮10kW未満は当分の間課金対象外とも書いており、両者が重なる場合は売電先の案内で確認します。
- 対象になる設備では、売電先が課金相当分を買取単価に上乗せする例があり、会社によって扱いが違います。
よくある質問
Q発電側課金で、住宅用太陽光の卒FIT買取単価は下がりますか?
A電力・ガス取引監視等委員会の資料では、系統側への逆潮が10kW未満と小規模な場合は、当分の間、課金対象外とされています。2022年12月の同委員会の資料は、その例として住宅用太陽光を挙げています。逆潮が10kW未満の設備は、課金を理由に単価が変わる対象には当たらないと読めますが、実際の買取条件は売電先の公式ページと契約書面で確認してください。
Q「系統連系受電サービス料金」とは何ですか?
A発電側課金の、一般送配電事業者の料金メニュー上の名前です。中国電力は、発電者に一般送配電事業者が請求する系統連系受電サービス料金を、購入料金から差し引いて支払うと自社の卒FITのページに書いています。
Q蓄電池を付けると発電側課金がかかりますか?
A電力・ガス取引監視等委員会の資料は、課金対象を、系統に接続して系統側へ逆潮させている電源としています。蓄電池を経由した放電については、系統から引き込んだ電力による充電に基づく放電は、kWh課金の対象外と整理されています。逆潮が10kW未満の家庭は、そもそも課金対象外とされている点が先に当てはまります。
課金の対象かどうか、買取単価への反映は、売電先の契約要綱と一般送配電事業者の料金メニューで決まります。個別の契約内容は売電先にご確認ください。税務・投資の助言は行いません。