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逆潮流は、家庭の設備から電力会社の系統へ電気が流れることで、売電は逆潮流を前提にした契約です。反対に、系統から家庭の設備へ流れる向きは順潮流と呼ばれます。

蓄電池を足すときの届出や申込みで「逆潮流あり」「逆潮流なし」を聞かれることがあります。以下では意味と、扱いの違いを説明します。

逆潮流と順潮流の呼び方

電力広域的運営推進機関(OCCTO)の資料は、蓄電設備への電力の流れを、系統から蓄電設備に向かう方向(充電=順潮流)と、蓄電設備から系統に向かう方向(放電=逆潮流)に分けて説明しています。同じ資料には、現行の系統連系技術要件ガイドラインで、逆潮流による電圧変動対策が明確に記載されているとの記述もあります。

出典:電力広域的運営推進機関「蓄電設備における順潮流の扱いについて」(2024年7月31日)

つまり「系統に向かう向き」が逆潮流です。太陽光の余剰電力を電力会社へ売るときも、電気は家庭から系統へ向かうため、この向きの流れになります。家の中で使う分や、蓄電池に貯める分は系統を通らないので、逆潮流ではありません。

逆潮流ありとなしで、公式資料の扱いはどう違うか

逆潮流あり・なしの扱い(送配電事業者2社の公開資料)
見る点逆潮流あり(売電する)逆潮流なし(完全自家消費)
系統への電気家庭から系統へ流れる流れないようにする
契約の扱い(九州電力送配電)逆潮流に関する契約を結ぶ設備として扱われる契約を結んでいない設備からの逆潮流は認められない
申込みで求められる対応(九州電力送配電)連系の申込み逆潮流防止措置(例:逆潮流防止リレー(RPR)の設置)
設備の種類(四国電力送配電)低圧では、逆変換装置を用いた設備が対象。例外は、同等の単独運転検出と解列ができ、他の需要家へ影響を及ぼすおそれがない場合この表の資料では、逆潮流なしの設備に限った要件は確認できていません

九州電力送配電のページには、逆潮流に関する契約を結んでいない発電設備(例:完全自家消費を目的とした設備)からの逆潮流を、系統への影響や保安上の理由から認めないという注記があります。売電しない設備でも、逆潮流が起きない形にする対応が申込みで求められています。なお、売電先の電力会社が事業をやめて逆潮流の契約先がなくなる場合の扱いは売電先の電力会社が倒産したら、卒FITの余剰電力はどうなる?で整理しています。

出典:九州電力送配電「蓄電池等の低圧電線路への連系申込みについて」

四国電力送配電の系統連系技術要件(低圧連系)には、逆潮流有りの連系とできる発電設備等は、逆変換装置を用いた発電設備等に限るという定めがあります。太陽光のパワーコンディショナのように、直流を交流に変える装置を介してつなぐ設備が想定された書き方です。

出典:四国電力送配電「託送供給等約款 別冊 系統連系技術要件」

蓄電池を足すときの見方

九州電力送配電のページでは、余剰配線での余剰売電の形で蓄電池を設置する場合、蓄電池へ充電した電気をすべて自家消費することが確認できるときに限り、様式1-1(発電設備運転状況)の提出が不要とされています。蓄電池だけを連系する場合も、逆潮流防止リレーを設置して系統への逆潮流が発生しないときに限り、同じ扱いです。

蓄電池の放電は逆潮流にあたります。放電した電気を家の中だけで使うのか、系統へ流す前提なのかで、申込みの扱いが分かれます。

住んでいる地域の要件や、実際に必要な書類は、売電先と送配電事業者が決めます。太陽光に蓄電池を後付けするときの届出の流れは「蓄電池を後付けしたら電力会社への届出は必要?」、発電を止められる出力制御の仕組みは太陽光の出力制御の解説で説明しています。

確認できていないこと

本記事の確認時点では、燃料電池(エネファーム)やV2Hが低圧連系で逆潮流の扱いをどう受けるかを、上の3つの資料から読み取れませんでした。これらは機器のメーカーと、売電先・送配電事業者の案内で確かめてください。

卒FIT後に売電を続けるか、自家消費を増やすかの収支は、卒FIT後の比較シミュレーターで概算できます。

よくある質問

Q蓄電池に貯めた電気を使うことは逆潮流ですか?

A家の中で使う分は逆潮流ではありません。電力広域的運営推進機関の資料は、蓄電設備から系統に向かう放電を逆潮流、系統から蓄電設備への充電を順潮流と呼んでいます。

Q完全自家消費の設備は売電できますか?

A九州電力送配電は、系統への逆潮流に関する契約を結んでいない発電設備(例:完全自家消費を目的とした設備)からの逆潮流を認めていません。売電するには逆潮流を前提にした連系の手続きが必要です。

Q逆潮流防止リレー(RPR)とは何ですか?

A九州電力送配電が、逆潮流を起こさない構成で申し込むときの防止措置の例として挙げている装置です。系統への逆潮流が発生しないことを確保するために設置します。

Qこの記事の連系の決まりは全国共通ですか?

Aいいえ。連系の技術要件や申込みは送配電事業者ごとに定められています。本記事は四国電力送配電と九州電力送配電の公開資料の確認結果で、お住まいの地域の送配電事業者の資料で確認してください。

蓄電池の記事は蓄電池の記事一覧(選び方・設置の手続き・運転・安全・補助金別)から目的別に探せます。

本記事は一般的な情報提供です。連系の要件・申込み・必要書類は送配電事業者と設備の仕様で異なるため、契約中の売電先、送配電事業者、施工業者にご確認ください。電気工事の設計・実施、個別の投資・税務助言は行いません。