FIT認定を受けた設備では、認定内容のうち出力・自立運転機能・給電用コンセントの有無を変えるパワコン交換は、変更認定申請とされています。一方、同じ仕様で交換するだけの場合の扱いは、公式資料では確認できていません。

交換の時期や費用の考え方はパワコンの交換時期で整理しています。本記事は、交換前に手続きの要否を確かめる順番だけを扱います。

FITの変更手続は4種類ある

国のFITポータルの変更手続整理表(第68版・2026年10月1日付)によると、認定を受けた事業計画を変えるときは、変更認定申請、事前変更届出、事後変更届出、卒FIT事前変更届出のうち、変更する項目に応じたいずれかを行う必要があります。

表の記号では、○は調達価格(基準価格)が変わらないもの、●は変わる可能性があるものとされています。

出典:再生可能エネルギー電子申請システム|操作マニュアル【変更認定申請】太陽光・風力・水力・地熱・バイオマス(第68版 2026年10月1日)

パワコン交換で手続きが動く項目

同じ整理表のうち、パワコン交換と重なる項目を抜き出すと次のとおりです。

変わる内容整理表の手続き整理表の補足
発電設備の出力変更認定申請(●)添付書類にPCS仕様書。接続の同意を証する書類(出力変更後のもの)も必要
パワコンの自立運転機能の有無変更認定申請機能の有無と内容(設定値kW)を変える場合は、変更認定申請で申請する
給電用コンセントの有無変更認定申請有無を変える場合は、変更認定申請で申請する

「発電設備の出力」の添付書類のうち、電力事業者の都合による変更であることを示す書類は、電力事業者の都合で出力を変える場合だけ必要とされています。

したがって、交換後の機種で自立運転機能や給電用コンセントの有無が変わるなら、交換前に変更認定申請が必要かどうかを確かめる必要があります。

出力不変の交換は確認できていない

出力・自立運転機能・給電用コンセントのどれも変わらない交換が、届出なのか手続き不要なのかは、公式資料では確認できていません。整理表の文章に、パワコンの交換だけを取り上げた項目は見つかりませんでした。

この場合は、思い込みで交換を進めず、窓口で確かめるのが確実です。国のFIT・FIP制度の問合せ窓口は0570-057-333(平日9時〜18時)、50kW未満の太陽光の認定申請の問合せ先はJPEA代行申請センター(JP-AC)の0570-03-8210(平日9時20分〜17時20分、電話のみ)と案内されています。

出典:資源エネルギー庁|変更認定申請又は届出手続における提出書類に係る参考様式(問合せ窓口の記載)

出力を変える場合に価格が動くのは太陽電池の増減

資源エネルギー庁の2017年の改正解説では、太陽電池の合計出力が増える場合に調達価格が変更認定時の価格になる基準は、合計出力100kW以下の設備なら3%以上の増加、100kW以上の設備なら3kW以上の増加とされています。20%以上減る場合も価格が変わります。

この価格変更は、10kW未満の設備は対象外と書かれています。住宅用の設備では、この基準で価格が変わることはないと読めます。

この解説は2017年8月公布の改正についてのページです。現在の運用は、前項の整理表と窓口で確かめてください。

出典:資源エネルギー庁|平成29年8月31日公布・施行のFIT法施行規則・告示改正のポイント

電力会社(送配電事業者)側の確認

国の認定の手続きとは別に、電力会社側にも発電設備の申込みがあります。東京電力パワーグリッドの資料では、低圧の発電側の申込みは新設や契約変更など内容によって方法が分かれ、詳細は同社のホームページで確認するよう案内されています。

同社の2021年3月の案内では、出力制御機能付PCSの仕様確認書は、2021年4月1日以降に接続申込をする太陽光(10kW未満は当面対象外)が対象とされています。この案内は東京電力パワーグリッドの管内のもので、他の地域の取扱いは本記事では確認していません。

出典:東京電力パワーグリッド|【低圧】出力制御機能付PCS等の設置に係るお手続きについて(2021年3月25日)、同社「低圧発電側申込み手続きのご案内」(2023年10月版)

窓口に伝えるメモを4行で作る

電話の前に、次の4行を書き出しておくと話が早くなります。

項目書くこと
設備ID買取期間満了のご案内などに記載(不明なときはFIT設備IDの調べ方)
今のパワコンメーカー・型番・定格出力・自立運転機能の有無・給電用コンセントの有無
交換後のパワコン見積書の型番と上記の仕様。出力が変わるか
手続きの担当国への申請を誰が行うか(自分か、販売・施工事業者か)を確認

蓄電池の設置で届け出る内容は蓄電池設置時のFIT事前届出、卒FIT前後の手続き全体は卒FITの手続き一覧で確認できます。交換後の収支は、当サイトの卒FIT後の比較シミュレーターで試算できます。

よくある質問

Qパワコンを同じ出力のものに交換するだけでも、FITの手続きは必要ですか?

A本記事の確認時点では、一次資料で確認できていません。国の変更手続整理表で変更認定申請と明記されているのは、発電設備の出力、パワコンの自立運転機能の有無、給電用コンセントの有無などです。これらが変わらない交換の扱いは、FIT・FIP制度の問合せ窓口(0570-057-333)で確かめてください。

Qパワコンの自立運転機能がない機種に交換してもよいですか?

A自立運転機能の有無を変更する場合は、変更認定申請で申請するよう国の整理表に書かれています。交換前に、現在の認定内容と新しい機種の仕様を見比べてください。

Q変更認定申請と事前変更届出は、同時に出せますか?

A電子手続きでは、届出事項を変更認定申請で変更することはできず、同じ事業計画について複数の種類の変更手続を同時に行うこともできないと、国の整理表に書かれています。

手続きの要否は設備ごとに異なるため、国のFIT・FIP制度の問合せ窓口と契約中の電力会社に確認してください。特定の施工業者・製品の推奨や、電気工事の設計・実施は行いません。

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