卒FIT後でも、太陽電池の枚数や合計出力を増やす「増設」は事業計画の変更事項の一つとされています。工事を発注する前に、届出の要否を確認します。
変更手続の枠組みを確認する
資源エネルギー庁の整理表では、太陽電池に係る事項(製造事業者名・種類・変換効率・型式番号・枚数・合計出力)の変更は、調達価格・基準価格が変わる可能性がある場合は変更認定申請、変わらない場合は卒FIT向けの届出の対象とされています。
出典:資源エネルギー庁「<変更内容ごとの変更手続の整理表>」、資源エネルギー庁「変更認定申請・変更届出・廃止届」
卒FIT後は専用の届出区分がある
資源エネルギー庁の整理表では、交付期間または調達期間が終了した事業計画向けに「卒FIT事前変更届出」という区分が用意されています。卒FIT後の事業計画も電子申請システムでの手続き対象であり、増設したまま放置してよいわけではありません。
事業区域の面積が変わる場合は変更認定申請
整理表は、太陽電池の枚数の増減で事業区域の面積が変わる場合、太陽電池に係る事項の変更と併せて変更認定申請により申請するとしています。屋根の増築や新たな架台設置で面積が変わるケースが該当します。設備の構成要素はパネル・架台・パワコン等のガイドで確認できます。
「増設・更新の価格維持ルール」は卒FIT世帯には関係しない
資源エネルギー庁が案内する「増設・更新に伴う価格変更ルール見直し」は、既存のFIT調達価格を維持しながら増設分に新価格を適用する、FIT期間中の事業者向けの特例です。卒FIT後はFIT調達価格による買取自体が終了しているため、この特例の対象にはなりません。
出典:資源エネルギー庁「令和5年度改正|太陽光パネルの増設・更新に伴う価格変更ルール見直し」
手続き前の確認順
- 増設で太陽電池の枚数・合計出力がどう変わるか整理する
- 増設で事業区域の面積が変わるか確認する
- 卒FIT向け届出か通常の変更認定申請かを電子申請システムまたは窓口で確認する
- 交換・更新を伴う場合は保証・費用も別途確認する
逆に、太陽電池の枚数・合計出力を減らす一部撤去(減設)の届出はパネルを一部撤去(減設)したときの届出で整理しています。パネルの交換手続きは交換・保証・補助金の確認順、過去の補助金を受けた設備の財産処分は財産処分の確認順で整理しています。
増設後の年間収支は、当サイトの卒FIT後の比較シミュレーターで試算できます。
よくある質問
Q卒FIT後にパネルを増設したら、必ず届出が必要ですか?
A資源エネルギー庁の整理表では、太陽電池の枚数・合計出力の変更は事業計画の変更事項の一つです。調達価格・基準価格が変わらない場合は卒FIT向けの届出、変わる可能性がある場合は変更認定申請の対象とされています。個別の要否は電子申請システムまたは窓口で確認してください。
Q「増設・更新で価格を維持できる特例」は卒FIT世帯にも使えますか?
A使えません。この特例は、既存のFIT調達価格を維持しながら増設分に新価格を適用する、FIT期間中の事業者向けの制度です。卒FIT後はFIT調達価格による買取自体が終了しているため、対象になりません。
Q増設で屋根や架台を広げ、事業区域の面積が変わる場合はどうなりますか?
A整理表では、太陽電池の枚数の増減にともなって事業区域の面積が変わる場合、太陽電池に係る事項の変更と併せて変更認定申請により申請するとされています。
本記事は一般的な情報提供です。個別設備の届出要否・様式は、再生可能エネルギー電子申請システムまたは資源エネルギー庁・お問い合わせ窓口へ確認してください。電気工事の設計・実施には関与しません。