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ZEH(ゼッチ)は、断熱を高めて省エネ設備を入れ、太陽光などでつくる電気を合わせて、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロに近づける住宅のことです。太陽光が必要かどうかは区分で決まり、ZEH Oriented以外は再生可能エネルギーの導入が要件に入っています。
この記事は、新築や建て替えで太陽光・蓄電池を検討する人が、見積に出てくる区分名の意味を確かめるためのものです。
令和7年度以降のZEH系の区分
資源エネルギー庁の定義一覧(令和7年度以降)の要件を、太陽光との関係で並べると次のとおりです。
| 区分 | 外皮(断熱) | 再エネ等を含めた削減率 | 再生可能エネルギー |
|---|---|---|---|
| ZEH | 断熱等性能等級5以上 | 100%以上 | 導入が必要(容量不問、全量売電を除く) |
| Nearly ZEH | 断熱等性能等級5以上 | 75%以上100%未満 | 導入が必要(同上) |
| ZEH Oriented | 断熱等性能等級5以上 | 示されていない | 未導入も可(対象地域に限る) |
| ZEH+ | 断熱等性能等級6以上 | 100%以上 | 導入に加え、選択要件を1項目以上 |
| Nearly ZEH+ | 断熱等性能等級6以上 | 75%以上100%未満 | 導入に加え、選択要件を1項目以上 |
省エネ分の削減率(再生可能エネルギーを除く)は、資料の表でZEH・Nearly ZEH・ZEH Orientedが20%以上、ZEH+・Nearly ZEH+が30%以上です。「容量不問」とあるため、太陽光が何kW以上必要かという下限は、この資料には書かれていません。
出典:資源エネルギー庁「令和7年度以降におけるZEH+の定義変更について」
ZEH Orientedの太陽光の扱い(設置しなくてもよい区分)
ZEH Orientedは、再生可能エネルギーを導入しなくてもよい区分です。ただし、誰でも選べるわけではなく、次のどちらかに当たる住宅に限られます。
- 都市部狭小地:北側斜線制限の対象となる用途地域などで、敷地面積が85㎡未満の土地(平屋建ては除く)
- 多雪地域:建築基準法で規定する垂直積雪量が100cm以上の地域
資料は対象地域を示すだけで、その理由は書いていません。自分の敷地が対象地域に当たるかは、施工会社や建築士に確認します。
出典:資源エネルギー庁「令和7年度以降におけるZEH+の定義変更について」
ZEH+の選択要件に入る蓄電池
ZEH+は、ZEHの要件を満たしたうえで、再生可能エネルギーの自家消費を広げる措置か、高度エネルギーマネジメントのうち、少なくとも1つを満たす区分です。令和7年度から、削減率が25%から30%以上に、外皮は断熱等性能等級6以上の必須に変わりました。
自家消費の拡大措置として数えられる設備は、次の4つのうち少なくとも1つです。
- 昼間の沸き上げに対応した高効率給湯器(ヒートポンプ・ハイブリッド給湯機)
- 蓄電池(初期実効容量5kWh以上のものに限る)
- 電気自動車の充電設備(住宅との間で充放電できる設備を含む)
- 太陽熱利用システムまたはPVTシステム(強制循環式で、一定の機能要件を満たすもの)
蓄電池はZEH+の選択肢の1つで、必須ではありません。昼間に余った電気を給湯に回す方法はエコキュートの昼間沸き上げで整理しています。
令和6年度中にZEH+を取得した住宅は、令和7年度以降も引き続きZEH+として扱うとされています。
出典:資源エネルギー庁「令和7年度以降におけるZEH+の定義変更について」
2027年4月以降適用のGX ZEHの蓄電池要件(必須)
経済産業省の「GX ZEH・GX ZEH-M 定義」(令和7年9月)は、2027年4月以降に適用する新しい定義です。名称は「GX ZEH」で、現行のZEHと区別されています。戸建住宅の主な要件を、現行の区分と並べます。
| 区分(戸建) | 外皮 | 再エネ等を除く削減率 | 再エネ等を含む削減率 | 蓄電池 |
|---|---|---|---|---|
| GX ZEH+ | 断熱等性能等級6 | 35%以上 | 115%以上 | 必須 |
| GX ZEH | 断熱等性能等級6 | 35%以上 | 100%以上115%未満 | 必須 |
| Nearly GX ZEH | 断熱等性能等級6 | 35%以上 | 75%以上100%未満 | 必須 |
| GX ZEH Oriented | 断熱等性能等級6 | 35%以上 | 要件なし(多雪地域・都市部狭小地に限る) | 必須の記載なし |
戸建住宅では、高度エネルギーマネジメント(HEMSで発電量を把握し、冷暖房・給湯を制御でき、蓄電池の充放電も制御できること)も必須要件です。GX ZEH Orientedは、蓄電池の制御の部分が除かれています。
売電の扱いも書かれています。再生可能エネルギーの供給量には自家消費分に加えて売電分も数えますが、エネルギー自立の観点から、全量買取ではなく余剰電力の買取とすべきとされています。卒FIT後も余剰を売る住宅は、この考え方と同じ向きです。
資料の表題は「2027年4月以降適用」です。補助金などの制度が、いつからどちらの定義を使うかは、この資料には書かれていないため、制度ごとの公募要領で確認が必要です。
出典:経済産業省「GX ZEH・GX ZEH-M 定義」(令和7年9月)
見積を受け取ったときのチェックリスト
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全量売電と余剰売電の違いは全量買取と余剰買取の違い、蓄電池の容量の考え方は蓄電池の容量の選び方、発電量の目安は年間発電量と売電収入の目安にまとめています。
自宅の売電と自家消費の条件は卒FIT比較シミュレーターで試算できます。
よくある質問
QZEHにするには、太陽光発電は必ず必要ですか?
A資源エネルギー庁の定義一覧(令和7年度以降)では、ZEH・Nearly ZEH・ZEH+・Nearly ZEH+は再生可能エネルギーの導入が必要です(容量不問、全量売電を除く)。ZEH Orientedだけは、再生可能エネルギーが未導入でも可で、対象地域に限られます。
QZEH Orientedはどんな家が対象ですか?
A資料では、都市部狭小地(北側斜線制限の対象となる用途地域などで敷地面積85㎡未満。平屋を除く)か、多雪地域(建築基準法の垂直積雪量が100cm以上)のいずれかに当たる住宅が対象です。
QZEH+では蓄電池が必須ですか?
A令和7年度以降のZEH+では必須ではありません。選択要件として、昼間の沸き上げに対応した高効率給湯器、初期実効容量5kWh以上の蓄電池、電気自動車の充電設備、太陽熱利用、高度エネルギーマネジメントのうち、1つ以上を満たす形です。
QGX ZEHでは蓄電池が必須ですか?
A経済産業省の「GX ZEH・GX ZEH-M 定義」(令和7年9月、2027年4月以降適用)では、GX ZEH+・GX ZEH・Nearly GX ZEHとなる戸建住宅を対象に、定置用蓄電池の導入を必須要件としています。GX ZEH Orientedは再生可能エネルギーの導入要件がなく、蓄電池の必須も示されていません。
本記事は一般的な情報提供で、特定の住宅がZEHの要件に適合するかを判定するものではありません。設計・施工や補助金の可否の助言も行いません。制度は変更されることがあります。最新の情報は資源エネルギー庁・経済産業省の公式発表でご確認ください。