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ダブル発電とは、太陽光発電に加えて蓄電池・エネファーム等の自家発電設備等を併設することです。太陽光発電だけを設置する場合は「シングル発電」と呼ばれ、資源エネルギー庁の買取価格表ではこの2区分が使われています。

出典:資源エネルギー庁「過去の買取価格・期間等|FIT・FIP制度」、資源エネルギー庁「よくあるご質問」(蓄電池等の自家発電設備等の導入)

2018年度までは、ダブル発電の単価が低く設定されていた

資源エネルギー庁の年度別価格表を確認すると、平成30年度(2018年度)の10kW未満太陽光は、シングル発電が26円(出力制御対応機器の設置義務なし)または28円(設置義務あり)だったのに対し、ダブル発電は25円または27円と、1円/kWh低い調達価格でした。

区分出力制御対応機器の設置義務なし設置義務あり
シングル発電26円/kWh28円/kWh
ダブル発電25円/kWh27円/kWh
出典:資源エネルギー庁「過去の買取価格・期間等」平成30年度(2018年度)の価格表

同じ価格表で2012〜2018年度を並べると、10kW未満太陽光の調達価格(1kWh当たり、調達期間はいずれも10年間)は次のとおりです。2012〜2014年度は出力制御対応機器の設置義務による区分がなく、2015年度から区分が付いています。

認定年度シングル発電(設置義務なし/あり)ダブル発電(設置義務なし/あり)
2012年度42円34円
2013年度38円31円
2014年度37円30円
2015年度33円/35円27円/29円
2016年度31円/33円25円/27円
2017年度28円/30円25円/27円
2018年度26円/28円25円/27円
出典:資源エネルギー庁「過去の買取価格・期間等」各年度の価格表(平成24〜30年度)。単価は認定を受けた年度の区分で決まり、年度ごとに差の幅が違います(2012年度は8円差、2018年度は1円差)。

単価差が10年間でどれだけの金額になるかは、「差額(円/kWh)×年間売電量(kWh)×10年」で概算できます。年間売電量は、環境省の令和5年度調査で太陽光発電を使う世帯の平均として示された3,953kWhを使った一例です(発電量・売電量の実績平均)。ダブル発電の家庭の売電量とは限らないため、自宅の値で置き換えてください。

認定年度単価差(シングル−ダブル)計算10年間の差額(一例)
2012年度8円/kWh(42円と34円)8円×3,953kWh×10年約31.6万円
2018年度1円/kWh(26円と25円)1円×3,953kWh×10年約4.0万円
単価は上の資源エネルギー庁の価格表から転記(2018年度は設置義務なしの区分)。売電量は環境省の令和5年度調査の平均値で、金額は一例の概算です。

2019年度以降は、単価差が無くなっている

同じ資源エネルギー庁の価格表で2019年度以降を確認すると、10kW未満太陽光の区分からダブル発電の項目自体が無くなり、シングル発電と同じ調達価格が適用されています。2019年度は出力制御対応機器の設置義務の有無で24円・26円の2区分のみで、ダブル発電区分は表に存在しません。

この扱いは2019年度以降の各年度(2020・2021・2025年度など、本記事執筆時点で確認できた年度)の価格表でも同様で、ダブル発電区分は再登場していません。卒FIT比較シミュレーターで試算する際も、認定を受けた年度が2019年度以降であれば、シングル発電・ダブル発電による単価差を考慮する必要はありません。

年度によって扱いが変わるので、自分の認定年度を確認する

FIT買取単価は売電契約時ではなく、FIT認定を受けた年度の単価が10年間(10kW未満の場合)固定されます。2018年度以前にダブル発電で認定を受けた場合は、その低い単価が買取期間の10年間続きます。

認定年度は、電力会社との契約書や設備認定通知で確認できます。シングル発電の年度別の単価は住宅用太陽光のFIT買取価格 年度別一覧にあります。

卒FIT後のシングル発電・ダブル発電の区分

シングル発電・ダブル発電の区分は、FIT制度の買取期間中に適用される調達価格を決めるための分類です。10kW未満太陽光の買取期間(10年間)が終わる「卒FIT」以降は、この区分にもとづく単価そのものが終了し、電力会社ごとに提示される卒FIT買取プランの条件で売電単価が決まります。

卒FIT後に新たに蓄電池等を後付けする場合は、シングル発電・ダブル発電の単価区分とは別に、FIT制度上の「自家発電設備等の変更」という届出義務が関わります。この手続きは卒FIT後に蓄電池を設置するときのFIT届出で解説しています。

エネファームを太陽光と併用したときの自家消費・売電量の変化は、エネファームと太陽光の併用ガイドで整理しています。

太陽光発電・蓄電池・エネファームの3つを組み合わせる場合は「トリプル発電」と呼ばれます。昼夜の運転パターンと停電対策はトリプル発電のガイドにあります。

まとめ

  • ダブル発電とは、太陽光発電に蓄電池・エネファーム等の自家発電設備等を併設することです。
  • 2018年度までは、ダブル発電のFIT買取単価がシングル発電より低く設定されていました(差は2012年度の8円/kWhから2018年度の1円/kWhまで年度で異なります)。
  • 2019年度以降は、価格表からダブル発電区分自体が無くなり、シングル発電と同じ単価が適用されています。
  • FIT買取単価は認定年度の単価が固定されるため、2018年度以前に認定を受けた場合は低い単価が10年間続きます。
  • 卒FIT後は、シングル発電・ダブル発電の区分そのものが終了し、電力会社ごとの卒FIT買取プランの条件で決まります。

卒FIT後の買取単価の目安は、卒FIT買取単価の一覧と比較のしかた|大手電力10社で地域別に確認できます。

よくある質問

Qダブル発電とは何ですか?

A太陽光発電に、蓄電池やエネファーム(家庭用燃料電池)などの自家発電設備等を併設することです。資源エネルギー庁の買取価格表では、太陽光発電のみを設置する場合を「シングル発電」、自家発電設備等を併設する場合を「ダブル発電」と呼び分けています。

Qダブル発電だと売電単価が安くなりますか?

A認定年度によります。資源エネルギー庁の価格表では、2018年度までは10kW未満の太陽光でダブル発電の調達価格がシングル発電より低く設定されていました(2018年度は1円/kWh差、2012年度は8円/kWh差など年度で異なります)が、2019年度以降の価格表にはダブル発電区分自体がなく、シングル発電と同じ単価が適用されています。

Q卒FIT後にダブル発電の扱いはどうなりますか?

AFIT制度上のシングル発電・ダブル発電という区分は、FITの買取期間中の調達価格を決めるための分類です。買取期間が終わる卒FIT後は、この区分そのものではなく、各電力会社が提示する卒FIT買取プランの条件で決まります。卒FIT後に新たに蓄電池等を後付けする場合の届出義務は別の論点で、後述のガイドで解説しています。

本記事は一般的な情報提供です。個別の認定年度・単価は、電力会社との契約書や設備認定通知で確認してください。

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