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EVの購入時にかかる環境性能割は令和8年3月31日で廃止され、自動車重量税の免税は令和10年4月30日までの新車新規登録等が対象です。その先の令和10年度以後に新車新規登録を受けるEVには、車両重量に応じた自動車税が導入される予定で、税率は令和9年度税制改正で決まります。

この記事は、令和7年12月26日に閣議決定された令和8年度税制改正の大綱と、国土交通省のエコカー減税の概要から、自家用の乗用EVに関わる部分を整理します。補助金はEV購入のCEV補助金(車両)の確認点、税額の個別の助言はしません。

出典:国土交通省掲載「令和8年度税制改正の大綱(抜粋)自動車関係諸税の見直し」(令和7年12月26日閣議決定)・国土交通省「エコカー減税(自動車重量税)の概要」

買うとき・登録するとき・毎年払うときで、税金は3つに分かれる

EVの車体に関わる税金は、取得時の環境性能割、新規登録や車検のときの自動車重量税、毎年の自動車税の3つです。令和8年度の改正では、3つとも扱いが動きました。

EV購入に関わる3つの税の令和8年度改正後の扱い
税かかるタイミング改正後の扱い
環境性能割車を取得したとき令和8年3月31日をもって廃止
自動車重量税新規登録・車検のときEVは新車新規登録等で免税(令和8年5月1日〜令和10年4月30日)
自動車税毎年グリーン化特例(軽課)を2年延長。令和10年度以後の新車は重量に応じた課税へ

3つの改正は、適用の始まる日も終わる日も別々です。納車や登録の時期によって当てはまる欄が変わるため、登録日の見込みを先に確かめてから読むと整理しやすくなります。

環境性能割は令和8年3月31日で廃止された

大綱は、自動車税環境性能割と軽自動車税環境性能割を、令和8年3月31日をもって廃止するとしています。理由には、米国の関税措置が国内の自動車産業に及ぼす影響の緩和と、取得時の負担の軽減・簡素化があげられています。

令和8年3月31日までの取得には、なお従前の例が適用されます。廃止の前後で扱いが分かれるのは取得の日です。令和8年4月1日以降に取得するEVには、環境性能割がかからない扱いになります。

環境性能割の廃止に伴い、現行の自動車税種別割は「自動車税」、軽自動車税種別割は「軽自動車税」になると大綱に書かれています。以前の資料で「種別割」と書かれていた税が、現在の「自動車税」にあたります。

出典:国土交通省掲載「令和8年度税制改正の大綱(抜粋)」地方税(1)環境性能割の廃止

自動車重量税の免税は、令和10年4月30日までの新車新規登録等

国土交通省のエコカー減税の概要は、適用期間を令和8年5月1日から令和10年4月30日としています。電気自動車と燃料電池自動車は、この期間中の新車新規登録等で重量税が免税です。

エコカー減税(乗用車)の期間と電気自動車の扱い
期間電気自動車ガソリン車などの要件
令和8年5月1日〜令和9年4月30日免税令和12年度燃費基準の達成度が80%以上などで段階的に軽減
令和9年5月1日〜令和10年4月30日免税達成度の要件が85%以上などに引き上げ

EVは、期間の途中の令和9年5月に燃費基準が引き上げられても免税が続きます。基準の引き上げで要件が変わるのは、燃費性能で軽減の割合が決まるガソリン車やハイブリッド車などの区分です。

概要の注記には、初回継続検査時等も免税とあります。ただし、車検証の有効期間が満了する日から15日を経過する日までに車検証の交付等を受けた場合に限る、という条件が付いています。

免税の特例は、減税対象車両が適用期間中に新車新規登録等を行った場合に限って適用される、1回限りの措置です。中古車の新規登録などの扱いは別に書かれているため、この記事は新車を買う場合に絞っています。

出典:国土交通省「エコカー減税(自動車重量税)の概要 1.乗用車」・国土交通省掲載「令和8年度税制改正の大綱(抜粋)」国税(1)乗用自動車

自動車税は軽課を2年延長、令和10年度から重量課税

自動車税のグリーン化特例(軽課)は、電気自動車、天然ガス自動車、プラグインハイブリッド自動車について、適用期限が2年延長されます。軽自動車税の軽課も、電気軽自動車と天然ガス軽自動車で2年延長です。

一方で、総排気量の値を持たない電気自動車の乗用車には、現在、最低税率が一律に適用されています。大綱は、公平性の確保の観点からこの扱いを見直すとしています。

令和10年度以後に新車新規登録を受けた電気自動車の乗用車には、車両重量に応じた課税方式が導入されます。具体的な税率は、自動車税のあり方の検討とあわせて、令和9年度税制改正で結論を得る予定です。

税率の平均的な水準について、大綱は「電気自動車以外の自動車における現行の平均税率と同水準とすることを基本とする」と書いています。理由として、EVが相対的に高い財産的価値と道路損傷性を持つ一方、脱炭素化の観点からさらなる普及が求められていることがあげられています。

現在のEVの自動車税が、令和10年度に必ず上がる、または下がると読める記述は、確認した資料にはありません。令和9年度の改正が出てから、車両重量ごとの税額を確かめるのが安全です。

出典:国土交通省掲載「令和8年度税制改正の大綱(抜粋)」第一 5(3)自動車税及び軽自動車税のあり方・地方税(2)グリーン化特例の延長

令和10年5月から車検時に重量税の特例加算

同じ国土交通省の資料に載る与党の税制改正大綱(令和7年12月19日)の抜粋には、自家用の乗用EVとプラグインハイブリッド自動車に、車両重量に応じた負担を求める仕組みが書かれています。現行の自動車重量税の特例加算分として車検時に徴収し、令和9年度税制改正で法制化する内容です。

  • 施行日は令和10年5月1日で、同日以後に受ける車検から適用します。
  • 新車の新規検査に係る分は免除です。既販車は、施行日以後に最初に受ける継続車検に係る分が免除です。
  • 具体的な税率は令和9年度税制改正で決め、平均的な重量を超えるEVには応分の負担を求め、平均を下回るEVには過度な負担とならないよう配慮するとしています。

この特例加算は、前の節の自動車税の課税方式とは別の仕組みです。どちらも税率は令和9年度税制改正で決まる予定のため、令和10年以後に買うEVの維持費は、その結論が出てから確かめます。

出典:国土交通省掲載「令和8年度税制改正の大綱(抜粋)」参考(令和7年12月19日)第一 5(5)利用段階における負担の適正化に向けた課税

購入前に自分で確かめる手順

  1. 01

    登録日の見込みを販売店に聞く

    令和10年4月30日までの新車新規登録等かどうかで、重量税の免税に当たるかが決まります。

  2. 02

    見積書の項目を確かめる

    環境性能割、自動車重量税、自動車税の欄が、改正後の扱いになっているかを見積書で確かめます。

  3. 03

    初回車検の時期を確かめる

    初回継続検査時の免税は、車検証の交付の時期に条件があります。車検の予定日を手帳などに控えておきます。

  4. 04

    令和10年度以後の登録なら、令和9年度の改正を待つ

    納車が令和10年度以後になりそうなときは、自動車税の税率が決まってから、車両重量ごとの税額を確かめます。

EVの自宅充電の電気代と卒FIT売電の比べ方はEVの自宅充電の電気代と卒FIT売電の比較で計算できます。売電・蓄電池・電力プランの切替を同じ条件で比べる場合は、卒FIT後の比較シミュレーターを使います。

EVとV2H・蓄電池をどの順で検討するかはEV充電・V2H・V2L・蓄電池の記事の読む順番にまとめています。

この記事で確認できていないこと

  • 令和10年度以後に導入される、車両重量ごとの自動車税と、車検時の重量税の特例加算の具体的な税率(いずれも令和9年度税制改正で決まる予定)
  • 自動車税のグリーン化特例(軽課)の軽減の割合と、延長後の適用期限の日付
  • 中古のEVを買う場合の自動車重量税の扱い

よくある質問

Q令和8年4月以降にEVを買うと、環境性能割はかかりますか?

A自動車税と軽自動車税の環境性能割は、令和8年3月31日をもって廃止されました。大綱は、同日までの取得にはなお従前の例によるとしているため、令和8年4月1日以降の取得が廃止後の扱いになります。

QEVの自動車重量税は、いつまで免税ですか?

A国土交通省の概要では、エコカー減税の適用期間は令和8年5月1日から令和10年4月30日です。電気自動車は、この期間中に新車新規登録等を行った場合に免税で、初回継続検査時等も免税とされています。

Q令和10年度から、EVの自動車税はいくらになりますか?

A大綱は、令和10年度以後に新車新規登録を受けた電気自動車の乗用車に、車両重量に応じた課税方式を導入するとしています。具体的な税率は令和9年度税制改正で結論を得るとしていて、本記事の確認時点では金額は決まっていません。

Q令和9年度に決まる税率は、現在のEVの自動車税より高くなりますか?

A大綱は、税率の平均的な水準を電気自動車以外の自動車における現行の平均税率と同水準とすることを基本とするとしています。個別の車の税額がどうなるかは、令和9年度税制改正の結論を待つ必要があります。

本記事は一般的な情報提供です。税制は法令の改正で変わることがあるため、購入前に国土交通省・都道府県税事務所などの最新の案内を確認してください。個別の税額の計算や投資・税務の助言、電気工事の設計・実施は行いません。