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比べるのは「余った1kWhを売ったときの受取額」と「同じ1kWhを電力会社から買ったときの支払額」です。東京電力EPの区域では、卒FIT後の買取単価が8.50円/kWh、従量電灯Bの第2段階(120kWhをこえ300kWhまで)の電力量料金が36.40円/kWhで、1kWhあたりの差は27.90円です。

出典:東京電力エナジーパートナー「再エネ買取標準プラン」・東京電力エナジーパートナー「従量電灯B・C」料金表

EVの充電量を電費と走行距離から求める

EVの電費は、車両の諸元にある「交流電力量消費率」で確認します。国土交通省の資料では、EVは国際統一試験法(WLTCサイクル試験法)で測定した一充電走行距離(km)と交流電力量消費率(Wh/km)を、型式指定のときに諸元として申請する項目とされています。交流電力量消費率は、1km走行するために必要な電力量です。

出典:国土交通省「表示事項等について 資料2」

月に充電する電力量は、次の式で概算できます。WhとkWhの関係はkWとkWhの違いで整理しています。

月の充電量と金額の計算式
求める値計算式
月の充電量(kWh)交流電力量消費率(Wh/km)×月の走行距離(km)÷1,000
その電力量を売った場合の受取額月の充電量×卒FIT後の買取単価
その電力量を買った場合の電力量料金月の充電量×契約プランの電力量料金単価

計算例(東京電力EPの単価・電費は仮の値)

下の表は計算の手順を示すための例です。電費の150Wh/kmは特定の車種の値ではなく仮に置いた数字なので、実際には自分の車の交流電力量消費率に置き換えてください。

交流電力量消費率150Wh/km(仮の値)の場合の月額の目安
月の走行距離月の充電量売った場合(8.50円/kWh)買った場合(36.40円/kWh)
300km45kWh約383円約1,638円
500km75kWh約638円約2,730円
1,000km150kWh約1,275円約5,460円

買った場合の金額は電力量料金だけの概算です。実際の請求には燃料費調整額(月によりプラス・マイナス)と再エネ賦課金(太陽光があっても払う理由は再エネ賦課金と売電の違いの記事で説明しています)が使用量1kWhごとに加わるため、検針票から実質単価を求めて置き換えると、自宅の条件に近づきます。また、東京電力EPの従量電灯Bは300kWhをこえる分が第3段階の40円49銭になるため、EVの充電で月の使用量が300kWhをこえると、こえた分はこの単価で計算します。

太陽光の電気で充電できるのは発電している時間だけ

余剰電力をEVに回せるのは、太陽光が発電している時間に車が家にあり、充電器につながっている場合に限られます。通勤などで昼に車が家にない場合、昼の余剰電力は売電され、夜の充電は買った電気になります。この場合、上の比較の「売った場合」と「買った場合」は両方とも発生します。

昼の電気を夜の充電に回すには、家庭用蓄電池やV2Hで電気をためる必要があります。夜の充電を時間帯別プランで安くできるかは、夜間の時刻・昼の単価・契約の縛りをEV・V2Hで夜に充電する世帯の時間帯別プランの確認項目で確かめられます。充電設備とV2Hの機能の違いはEV充電設備とV2Hの違い、V2Hで太陽光の電気を優先して車に充電する設定はV2Hの太陽光優先充電で整理しています。自宅の充電設備の補助制度はEV充電設備の補助金で確認できます。

自分の条件で確かめる手順

  1. 01

    電費を確認する

    車両のカタログや諸元表で交流電力量消費率(Wh/km)を確認します。

  2. 02

    月の走行距離を決める

    直近数か月の走行距離の平均を使い、月の充電量を計算します。

  3. 03

    単価を確認する

    契約中の電力会社の卒FIT後の買取単価と、検針票から求めた買う電気の単価をそろえます。

  4. 04

    充電する時間帯を分ける

    発電している時間に家で充電できる量と、夜に買う電気で充電する量を分けて計算します。

冬は電費が落ちて充電量が増えます。補正係数を使った計算は冬のEVの電費低下を電気代とV2Lの時間に反映する補正で示しています。

太陽光の電気を家の中で使う割合の考え方は自家消費率とはで整理しています。売電・蓄電池・電力プランの切替を同じ条件で比べる場合は、卒FIT後の比較シミュレーターで地域と使用量を入れて確認できます。

よくある質問

Q自分のEVの電費はどこで確認できますか?

AEVの交流電力量消費率(Wh/km)は、国際統一試験法(WLTCサイクル試験法)で測った値を型式指定のときに諸元として申請する項目です。車両のカタログや諸元表で「交流電力量消費率」の欄を確認し、その値を計算に使います。試験条件での値なので、実際の走り方・季節・空調の使い方で変わります。

Q余った電気は売るのとEVに充電するのと、どちらが得ですか?

A東京電力EPの場合、卒FIT後に売ると1kWhあたり8.50円、同じ1kWhを従量電灯Bの第2段階で買うと電力量料金だけで36.40円です。発電している時間に車が家にあり充電できるなら、充電に回すほうが買う電気を減らせる計算になります。ただし車が昼に家にない場合は、太陽光の電気で直接充電できません。

Q夜にEVを充電する場合も卒FITと関係がありますか?

A太陽光が発電していない夜の充電は、電力会社から買った電気で行います。この場合、太陽光の余剰電力は昼に売電され、夜の充電分は買電になります。昼の電気を夜の充電に回すには、家庭用蓄電池やV2Hなど電気をためる設備が別に必要です。

本記事は一般的な情報提供です。計算例の電費は仮の値で、実際の電費・料金単価・買取単価は車両と契約中の電力会社・プランによって異なるため、諸元表・検針票・契約内容を優先して確認してください。特定の車種・施工業者・製品を推奨するものではなく、電気工事の設計・実施、個別の投資・税務助言は行いません。