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停電時に家電が動く時間は、どの設備でも「使える電池量(Wh)÷同時に使う家電の消費電力の合計(W)」で概算でき、設備の違いは使える電池量と出力の上限に現れます。この記事は、電池量を4通りに仮置きして同じ式で計算し、結果を表で並べたものです。表の電池量のうちEVとポータブル電源は本サイトの仮定で、特定の車や製品の値ではありません。
計算の式と前提
使える時間(時間)=使える電池量(Wh)÷同時に使う家電の消費電力の合計(W)
電力量(Wh)は「消費電力(W)×使用時間(h)」で、三重県防災対策部の冊子が同じ関係を説明しています。式の導き方と家電ごとの目安はV2Lで使える家電と使える時間の求め方にあります。
- EV:電池容量40kWhの仮の車で、給電が止まる残量の下限を15%とすると、40,000Wh×0.85=34,000Wh。下限15%はホンダのAC外部給電器のページにある例です。
- 家庭用蓄電池:京セラEnerezzaの仕様表にある初期実効容量4.7kWh(定格5.5kWh)と9.4kWh(定格11.0kWh)を、4,700Whと9,400Whとして使います。容量の見方は、記事「蓄電池は何kWhを見ればよいか」で確認できます。
- ポータブル電源:容量1,000Whの仮の製品。実際の容量は製品の仕様表で確認してください。
出典:三重県防災対策部「あなたの生活スタイルに必要な電源確保を考えてみよう!」、Honda「AC外部給電器(Honda Power Supply Connector)」、京セラ「Enerezza(単機能型蓄電システム)仕様表」(2026年10月4日確認)
使い方別・設備別の計算時間
消費電力は三重県の冊子の目安で、冷蔵庫200W、テレビ50W、LEDライト10W、スマートフォン15W、エアコン1,000Wです。同時に使う場合は合計します。
| 使い方 | 合計の消費電力 | EV(V2L) (34,000Wh) | 家庭用蓄電池(小) (4,700Wh) | 家庭用蓄電池(大) (9,400Wh) | ポータブル電源 (1,000Wh) |
|---|---|---|---|---|---|
| 冷蔵庫のみ | 200W | 約170時間 | 約24時間 | 約47時間 | 約5.0時間 |
| テレビのみ | 50W | 約680時間 | 約94時間 | 約188時間 | 約20時間 |
| 冷蔵庫+テレビ+LEDライト+スマートフォン | 275W | 約124時間 | 約17時間 | 約34時間 | 約3.6時間 |
| エアコンのみ | 1,000W | 約34時間 | 約4.7時間 | 約9.4時間 | 約1.0時間 |
| 冷蔵庫+テレビ+エアコン | 1,250W | 約27時間 | 約3.8時間 | 約7.5時間 | 約0.8時間 |
表の条件は次のとおりです。EV(34,000Wh)、蓄電池の小(4,700Wh)と大(9,400Wh)、ポータブル電源(1,000Wh)。いずれも変換での損失、冷蔵庫の運転の強弱、気温による出力制限を含まないため、実際はこれより短くなる可能性があります。
出典:三重県防災対策部「あなたの生活スタイルに必要な電源確保を考えてみよう!」(資源エネルギー庁資料を参考にした家電の消費電力の例)
時間のほかに見る点:出力と給電できる範囲
時間が足りても、出力の上限を超える使い方はできません。トヨタ自動車の取扱説明書は、車内のアクセサリーコンセントで消費電力の合計が1500Wの電気製品まで使えるとしています。表の「冷蔵庫+テレビ+エアコン」は1,250Wで、この例では上限に収まります。一方でオムロン ソーシアルソリューションズは、ポータブル電源は出力が限られるため、冷蔵庫やエアコンのような大容量電化製品の長時間使用には向かないと説明しています。表の1,000Whの例でも、使える家電は製品の定格出力で決まります。
家庭用蓄電池とV2Hは、停電時に給電できる回路の範囲が設置時の配線で決まります。設備ごとの出力と範囲の違いは、記事「停電時の備えを4つの設備で比べる」、V2Hの停電時出力は記事「V2Hは停電時にどれだけ使える?」、ポータブル電源との違いは記事「蓄電池とポータブル電源の違い」で確認できます。
出典:トヨタ自動車 取扱説明書「アクセサリーコンセント(AC100V 1500W)・非常時給電システム」、オムロン ソーシアルソリューションズ「家庭用蓄電池の比較」
この表で扱っていないこと
給湯設備の消費電力は載せていません。太陽光で日中に充電できる場合の延びも含めていません。停電時に太陽光の自立運転で使える範囲は、記事「停電時、太陽光発電は使える?」で確認できます。自宅の電気の使い方を踏まえた比較は卒FIT比較シミュレーターでできます。
エコキュートの停電時のお湯と断水時の水の使い方は、記事「停電・断水時にエコキュートのお湯と水は使える?」にまとめています。
まとめ
- どの設備も、使える時間は「使える電池量(Wh)÷消費電力の合計(W)」で概算できる。
- この記事の仮定では、冷蔵庫のみ(200W)の計算時間は、EVで約170時間、蓄電池の大で約47時間、蓄電池の小で約24時間、ポータブル電源で約5時間。
- エアコン(1,000W)を足すと時間は大きく縮み、設備の出力や給電できる回路の範囲も確認が必要。
- 電池量・出力・範囲は車や製品で異なるため、手元の仕様書の値を式に入れて確かめる。
よくある質問
Q停電時にエアコンは何時間使えますか?
A使える電池量(Wh)÷エアコンの消費電力(W)で概算できます。消費電力1,000Wの例では、使える電池量が9,400Whなら約9.4時間、34,000Whなら約34時間です。ただしエアコンは起動時に大きな電力が要り、設備の出力や接続の範囲によっては使えない場合があります。
QV2L、蓄電池、ポータブル電源のどれが長く動かせますか?
A電池量が大きいものほど長く動かせます。ただし電池量は車や製品で異なり、出力の上限や給電できる回路の範囲も違うため、手元の仕様書で確認してください。
Q給湯器の消費電力と使える時間は載せていないのですか?
A載せていません。給湯設備は機種や方式で消費電力と停電時の使い方が大きく異なるためです。
表の電池量のうちEVとポータブル電源は本サイトの仮定です。実際に使える時間・出力・給電範囲は、車両・製品・設置条件・気温で異なるため、取扱説明書とメーカーの案内で確認してください。電気工事の設計・実施や個別の助言はしません。