V2Lで使える時間は、使える電池量(Wh)÷同時に使う家電の消費電力の合計(W)で概算でき、同時に使える家電は車の最大出力(例:AC100V・1500W)に収まる範囲です。電池量が足りても、出力の上限を超える使い方はできません。

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使える家電を決める最大出力と、使える時間を決める電池量

V2L(車から家電へ直接給電する方式)では、見るべき数字が2つあります。1つ目は車の最大出力(W)で、同時に使える家電の消費電力の合計の上限です。2つ目は使える電池量(Wh)で、使い続けられる時間を決めます。

トヨタ自動車の取扱説明書は、車内のアクセサリーコンセントについて「AC100Vで消費電力の合計が1500Wの電気製品を使用することができる」と説明しています。ホンダのAC外部給電器のページも「AC100V/最大1500W」と表示しています。三重県防災対策部の冊子は、電気自動車等の最大出力を「1500W程度」、電池容量を「3〜60kWh程度(車種によって異なる)」としています。

以上は例で、実際の値は車両・機器ごとに異なるため、車両の取扱説明書で確認してください。

出典:トヨタ自動車 取扱説明書「アクセサリーコンセント(AC100V 1500W)・非常時給電システム」、Honda「AC外部給電器(Honda Power Supply Connector)」、三重県防災対策部「あなたの生活スタイルに必要な電源確保を考えてみよう!」

使える時間の計算方法

使える時間(時間)=使える電池量(Wh)÷同時に使う家電の消費電力の合計(W)

三重県の冊子は、電力量(Wh)を「消費電力(W)×使用時間(h)」と説明しています。式を変形すると上のとおりです。使える電池量は、電池容量(kWh)に1,000を掛けてWhにし、給電が止まる残量の下限を引いて求めます。

下限の例として、ホンダのAC外部給電器のページは「車内バッテリー残量15%以下で給電を停止」と書いています。下限は車や設定で異なり、他社の数値はここでは確認できていません。

出典:三重県防災対策部「あなたの生活スタイルに必要な電源確保を考えてみよう!」、Honda「AC外部給電器(Honda Power Supply Connector)」

家電別の消費電力の目安と、単独で使い続けた場合の時間

電池容量40kWhの仮の車で、下限を15%とすると、使える電池量は40kWh×0.85=34kWh(34,000Wh)です。この数字は本サイトの仮定で、特定の車の値ではありません。消費電力は三重県の冊子(資源エネルギー庁資料を参考にした一例)の値を使いました。

家電別の消費電力の目安と、34,000Whを単独で使い切るまでの計算時間
家電消費電力の目安単独で使い続けた計算時間
冷蔵庫200W約170時間
テレビ50W約680時間
電気ヒーター800W約42.5時間
エアコン1,000W約34時間
炊飯器1,000W約34時間
電子レンジ1,200W約28時間

三重県の冊子には、ほかにスマートフォン15W、LEDライト10W、扇風機50W、ラジオ10Wも載っています。トヨタ自動車のページは、ノートパソコン80W、コーヒーメーカー650W、電気ストーブ750Wを目安として示しています。同じ家電でも製品で異なるため、手元の製品の表示を優先してください。

複数を同時に使う場合は、消費電力を足します。たとえば冷蔵庫200W、テレビ50W、LEDライト10W、スマートフォン15Wなら合計275Wで、34,000Wh÷275Wは約124時間(約5日)です。一方、電子レンジ1,200Wと炊飯器1,000Wの合計は2,200Wで、1,500Wの上限を超えるため同時には使えません。

この計算は、変換での損失、冷蔵庫の運転の強弱、車の温度による出力制限を含まない単純計算です。実際の使える時間は、これより短くなる可能性があります。

出典:三重県防災対策部「あなたの生活スタイルに必要な電源確保を考えてみよう!」、トヨタ自動車「給電」

起動時に大きな電力が要る家電に注意

トヨタ自動車の取扱説明書は、使う電気製品によっては大きな電流が流れ、瞬間電力が1500Wをこえると保護機能が働いて給電が止まることがあると注意しています。中小企業基盤整備機構の解説は、エアコン・冷蔵庫・電子レンジなどモーターを搭載する機器は、起動電力が消費電力の1.5倍〜4倍程度必要なものがあるとしています。

このため、エアコンや電子レンジのように消費電力が大きい家電は、定格が上限以下でも使えない場合があります。使いたい家電は、事前に試し、車両・給電機器の取扱説明書で確認してください。

出典:トヨタ自動車 取扱説明書「アクセサリーコンセント(AC100V 1500W)・非常時給電システム」、中小企業基盤整備機構「起動電力」

V2L・V2Hとの関係

V2Lは車から家電へ個別に給電する方式です。V2Hとの違いはV2LとV2Hの違い、V2Hで停電時に使える量の目安はV2Hは停電時にどれだけ使える?出力容量と給電できる期間の目安で整理しています。

停電時に太陽光の自立運転で使える範囲は停電時、太陽光発電は使える?、充電設備とV2Hの設備の違いはEV充電設備とV2Hの違い、車に充電する向きの時間の計算はEV普通充電の出力3kWと6kWの違いで確認できます。

冬は給電を始める時点の残量が下がりやすく、外気温が低いと給電を始められない車もあります。残量を変えた計算は冬のEVの電費低下を電気代とV2Lの時間に反映する補正で示しています。

蓄電池やポータブル電源の電池量で同じ計算をした表は停電時に家電が何時間動くか(電池量別の計算目安)にあります。ポータブル電源と家庭用蓄電池の違いは家庭用蓄電池とポータブル電源の違いで整理しています。

よくある質問

QV2Lで使える時間はどう計算しますか?

A使える電池量(Wh)を、同時に使う家電の消費電力の合計(W)で割ると、概算の時間が出ます。三重県の冊子は、電力量(Wh)を「消費電力(W)×使用時間(h)」と説明しています。給電が止まる残量の下限や変換での損失は含まないため、実際はこの時間より短くなる可能性があります。

Q最大1500Wなら、1500W以下の家電は全部使えますか?

Aいいえ。トヨタ自動車の取扱説明書は、使う電気製品によっては瞬間的に電力が1500Wをこえて保護機能が働き、給電が止まることがあると注意しています。起動時に大きな電力が要る家電は、定格が1500W以下でも使えない場合があります。

Q電池が空になるまで給電できますか?

A車によって異なります。ホンダのAC外部給電器のページには、車内バッテリー残量15%以下で給電を停止するとあります。他の車の下限は、車両の取扱説明書やメーカーの案内で確認してください。

本記事は一般的な情報提供です。給電できる出力・時間・下限残量は、車両・給電機器・気温ごとに異なります。特定の車種・メーカー・施工業者を推奨するものではなく、電気工事の設計・実施、個別の投資・税務・法律の助言は行いません。実際の条件は車両の取扱説明書とメーカーの案内を優先してください。

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