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令和7年度補正の家庭用蓄電システム導入支援事業は、補助金を受ける人に、DR契約またはDRメニューへの加入を少なくとも2028年3月31日まで続けることを求めています。DR(デマンドレスポンス)は、電力の需給に合わせて蓄電池の充放電を調整する仕組みです。
SIIの事業ページによると、この公募は2026年5月29日に交付申請額の合計が予算に達して終了しています。この記事では、終了した公募の公募要領を使い、補助金と引き換えに何を約束する設計だったのかを整理します。
出典:SII「令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業」
申請者が約束する内容の一覧
公募要領の「補助対象事業者・申請者」「DR契約」「DRの流れ」などの記載から、申請者に関わる約束を表にまとめました。「DR契約」「DRの流れ」の規定はアグリ型のもので、小売型(DRメニュー)の細かな規定は本記事では整理していません。
| 項目 | 公募要領の内容 |
|---|---|
| DRの参加方法 | 蓄電池アグリゲーターとのDR契約(アグリ型)か、小売電気事業者のDRメニューへの加入(小売型)のどちらか |
| DR対応期間 | DR契約またはDRメニューへの加入を、少なくとも2028年3月31日まで継続する |
| DR契約の中身(アグリ型) | 蓄電システムの状態監視と遠隔制御・制御指示を含む。下げDRは遠隔制御が必須、上げDRは制御指示も可 |
| DRが求められる場面(アグリ型) | 需給ひっ迫注意報の発令時、需給ひっ迫警報の発令時、国からの節電要請時(節電要請期間中のDRは任意) |
| 報告・データ提出 | 国またはSIIから求められたとき、DRの実施状況とSIIが指定するデータを提出する |
| 処分制限 | DR対応期間後も、処分制限期間(機器の法定耐用年数)中は善良な管理者として使用する。売却や廃棄などが必要なときは事前にSIIへ連絡する |
| 契約・支払の順序 | 交付決定前に需要家と販売事業者の間で売買契約や支払いを行うと、事由によらず補助対象外 |
| 他の補助金との併用 | 他の国庫補助金との併用はできない。地方自治体の補助金は、その自治体に確認する |
出典:SII「令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業 公募要領」
DRの発動と、データを取られる期間
「下げDR」は需給がひっ迫したときに電力の使用を抑える調整、「上げDR」は再生可能エネルギーの出力制御に備えて電気を使う(充電する)調整を指します。公募要領は、アグリ型のDR契約について、需給ひっ迫時の下げDRは遠隔での制御を必須、出力制御対策時の上げDRは遠隔制御または制御指示で対応するとしています。
DRの発動とは別に、再エネの出力制御が見込まれる次の3期間は、SIIが指定するデータ取得期間です。アグリ型では、データ取得期間はDR契約の開始以降が対象です。
| 期間 |
|---|
| 2026年10月22日(木)0:00〜2026年11月11日(水)24:00 |
| 2027年4月22日(木)0:00〜2027年5月12日(水)24:00 |
| 2027年10月21日(木)0:00〜2027年11月10日(水)24:00 |
DR対応期間中にDR契約の継続が難しくなった場合は、早急にSIIへ相談することと公募要領に書かれています。契約を途中でやめられるか、やめた場合にどうなるかは、本記事では確認できていません。
補助対象の機器に求められる要件
補助対象になる蓄電システムは、SIIに事前登録された機器で、DRに対応できるものです。HEMSゲートウェイなどのIoT化関連機器を通じたDR対応も認められ、新しく設置するIoT化関連機器にはJC-STAR★1の取得が求められます。
蓄電システムの制御システムを構成する主要な製品(BMS・PCS・EMSなど)も、JC-STAR★1の取得が要件です。IPAによると、JC-STARはインターネットに接続できるIoT製品のセキュリティ要件への適合を評価してラベルを付ける制度で、★1は製品に共通して求められる最低限の要件をベンダーが自ら宣言するレベルです。
出典:IPA「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)」
補助額と上限、事業の期限
公募要領の補助率は設備費・工事費の3/10以内、補助金基準額は初期実効容量1kWhあたり3.45万円で、1申請あたりの上限は60万円です。補助金額は、基準額による金額、設備費と工事費の合計に補助率を掛けた金額、1申請あたりの上限額のうち最も低い金額になります。
補助事業の完了日は、次の4つがそろった日で、最終期限は2027年1月14日とされています。4つとは、DR契約の締結(または同意)かDRメニューへの加入、設置と通電確認、検収、補助対象経費の全額支出です。蓄電池の補助金の受付状況は蓄電池の国の補助金、今は?、過去の住宅用太陽光補助制度の財産処分の考え方は太陽光の旧補助金で財産処分が必要な場合にまとめています。
DR補助金の条件を読むときの確認点
同じ仕組みの補助金が今後出るかどうかは、本記事では確認できていません。ただ、DR契約の期間、遠隔制御の範囲、処分制限、機器の要件は、売電以外の使い道に蓄電池を回す契約の確認点として参考になります。
VPP・アグリゲーターと契約して対価を得る仕組みは蓄電池をVPP・アグリゲーターに登録、EVをDRに使う場合はEV・V2HをVPP・デマンドレスポンスに活用する仕組みで説明しています。蓄電池を入れた場合の年間差額は、当サイトの卒FIT後の比較シミュレーターで試算できます。
よくある質問
QDR補助金を受けたら、蓄電池を自由に使えなくなりますか?
ASIIの公募要領では、アグリ型の場合、DR対応期間中(少なくとも2028年3月31日まで)、アグリゲーターは需給ひっ迫注意報・警報の発令時と国の節電要請時に、やむを得ない場合を除きDR要請または遠隔制御を行うとされています。ただし節電要請期間中のDRは任意とされています。契約の細かな内容は事業者ごとに異なるため、契約書面で確認してください。
QDR対応期間が終わったあとは、蓄電池を売却や廃棄してよいですか?
A公募要領は、DR対応期間が終わっても補助対象設備の処分制限期間中は善良な管理者として使用することを求めています。処分制限期間は導入した機器の法定耐用年数の期間で、期間内に譲渡・交換・貸し付け・廃棄・担保に供する場合は事前に事務局の承認が必要です。その際に補助金の返還が発生する場合があるとされています。
Qこの補助金は、いま申し込めますか?
ASIIの事業ページでは、2026年5月29日に交付申請額の合計が予算に達したため、公募は終了したと掲載されています。本記事は、補助金の条件を読むときに何を確認すべきかを、令和7年度補正の公募要領で整理したものです。今後の公募の有無や条件は本記事では確認できていないため、SIIの公式ページで確認してください。
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本記事は一般的な情報提供で、補助金の申請・契約・税務の助言ではありません。表の内容はSIIの令和7年度補正の公募要領にもとづくもので、公募は終了しており、実際の契約は書面と最新の公式情報で確認してください。特定の施工業者・製品・事業者を推奨するものではなく、電気工事の設計・実施は行いません。