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リチウムイオン電池がPSEの対象になるのは、単電池一個当たりの体積エネルギー密度が400ワット時毎リットル以上のもので、自動車用・医療用などは除かれます(施行令別表第二の十二)。PSEマークは、電気用品安全法にもとづき、事業者が技術基準への適合を確かめたあとに付ける表示です。
停電対策でポータブル電源や蓄電池を選ぶときは、価格や容量とあわせて、表示と販売元を確認しておくと安心です。
出典:e-Gov法令検索「電気用品安全法」第8条・第10条・第27条/同「電気用品安全法施行令」別表第二
リチウムイオン蓄電池が対象になる条件
施行令第1条は、電気用品を別表第一の上欄と別表第二に掲げるとおりとしています。別表第二の十二に、リチウムイオン蓄電池があります。
| 条件 | 別表第二の十二の定め |
|---|---|
| 対象になるもの | 単電池一個当たりの体積エネルギー密度が400ワット時毎リットル以上のリチウムイオン蓄電池 |
| 対象から除かれる用途 | 自動車用、原動機付自転車用、医療用機械器具用、産業用機械器具用 |
条件は「単電池一個当たり」の数値で決まります。製品全体の容量(Wh)では決まらないため、ポータブル電源や家庭用蓄電池が対象かどうかは、製品ごとに販売元の説明で確かめる必要があります。
PSE表示と販売制限の決まり
| 条文 | 内容 |
|---|---|
| 第8条 | 届出事業者は、製造・輸入する電気用品を技術基準に適合させ、検査を行って検査記録を作成・保存する |
| 第10条第1項 | 原則として、第8条第2項の検査と記録の義務を履行したときに、経済産業省令で定める方式の表示(PSE表示)を付けられる |
| 第10条第3項 | 義務を履行して表示を付ける場合でなければ、誰も、この表示や紛らわしい表示を付けてはならない |
| 第27条第1項 | 製造・輸入・販売の事業者は、表示が付いていない電気用品を販売し、または販売目的で陳列してはならない |
第27条は、販売する事業者に向けた決まりです。表示は、事業者が検査を行い、記録を残したことの印として付けられます。第10条第3項により、紛らわしい表示を付けることも禁じられています。
NITEが示す購入前の確認点
NITE(製品評価技術基盤機構)は、2021年から2025年の5年間に、リチウムイオン電池搭載製品の事故を2140件受け付けたと公表しています。モバイルバッテリーの事故が最も多く、ポータブル電源の事故も増加傾向とされています。
事故の件数は春から夏にかけて増え、8月にピークを迎えます。事例には、購入後にリコール情報を確認していなかったモバイルバッテリーの火災も挙げられています。
| 場面 | 確認すること(関係省庁の「3つのC」) |
|---|---|
| 賢く選ぶ | 購入前に、販売事業者の連絡先、製品情報、リコール情報を確認する。表示マークが適切かを確認する |
| 丁寧に使う | 高温になる場所で使用・保管しない。強い衝撃や圧力を加えない。異常を感じたら使用を中止する |
| 正しく捨てる | 廃棄の前にリチウムイオン電池の使用の有無を確認する。メーカー回収や自治体の回収区分を確認する |
出典:NITE「PSマガジン」Vol.506(2026年8月7日)リチウムイオン電池搭載製品の事故
停電対策の製品選びにつなげる
停電時に使える電源の種類は家庭用蓄電池とポータブル電源の違い、設置場所の考え方は蓄電池の設置環境で整理しています。メーカーのリコール情報の見方は太陽光のリコール確認と同じ考え方です。
蓄電池を足した場合の年間収支は、卒FIT後の選択肢比較シミュレーターで概算できます。
よくある質問
QPSEマークがあれば、どんな蓄電池でも安全といえますか?
APSE表示は、届出事業者が技術基準への適合を確かめ、検査記録を作成・保存したうえで付けるものです(電気用品安全法第8条・第10条)。NITEは、リコール情報の確認や、使い方・保管場所への注意も合わせて呼びかけています。表示だけで事故が起きないことまでは示せません。
QPSEの表示がない製品は、販売されていてもよいのですか?
A電気用品の製造・輸入・販売を行う事業者は、表示が付されていない電気用品を販売したり、販売目的で陳列したりしてはなりません(同法第27条第1項)。ただし、同条第2項の承認を受けた場合などは例外です。
QPSEの対象外と書かれた製品は、買わないほうがよいのですか?
A対象外であることと危険であることは別です。NITEは、PSE対象外の製品もあることを前提に、販売事業者の連絡先、製品情報、リコール情報、表示マークが適切かを購入前に確認するよう案内しています。
本記事は電気用品安全法・同施行令とNITEの公表資料にもとづく一般的な情報提供です。個別の製品が法令の対象かどうかの判断はできません。製品の安全性については、販売元・メーカーの説明をご確認ください。特定の製品や事業者を推奨するものではなく、電気工事の設計・実施には関与しません。