東京電力パワーグリッド管内では、在宅医療機器を使う家庭が事前に登録すると、停電の発生や復旧見込みを個別に連絡してもらえます。ただし、登録は停電を防ぐ仕組みではなく、電源の備えは別に必要です。

この記事は制度の手続きを整理するもので、医療上の判断は含みません。使う機器に必要な電源は、主治医や機器メーカーに確認してください。確認できたのは東京電力パワーグリッド管内と東京都の制度です。他の電力会社の管内の制度は、本記事では確認していません。

東京電力PGの事前登録でできること

項目内容
対象停電により人命に影響を及ぼすおそれのある在宅医療機器を使うお客さま
停電時の連絡停電エリアに住む対象者へ、可能な範囲で停電の発生と復旧見込みの時間を電話などで連絡
連絡が遅れる場合夜間・休祝日や、停電が広範囲にわたる場合など
年1回の案内台風シーズン前を目処に、非常用電源や無停電装置の設置、医療機関や機器メーカーへの相談、緊急連絡先の確認
発電機の貸出バッテリーなどの代替電源がない対象者へ、小型発電機などを貸し出し(台数に限りあり)

発電機の貸出は一時的な救済措置です。排気ガスに一酸化炭素などが含まれるため、室内では使えません。医療機器につなぐ場合は自己責任での使用と案内されています。

出典:東京電力パワーグリッド「在宅医療機器をご使用のお客さまを対象とする広域停電に備えた事前登録のご案内について」(2025.04.01)

登録の手順と必要な情報

登録を希望する本人または家族が、東京電力パワーグリッドへ連絡します。後日、同社の担当箇所から改めて連絡があり、登録に必要な内容を聞かれます。

登録内容は、次のとおりです。電話の前に手元にそろえておくと進めやすくなります。

登録内容メモ
対象者氏名・電気契約者氏名契約者と対象者が別の場合は両方
供給地点特定番号03から始まる22桁の番号
住所マンション等は建物名・部屋番号まで
停電時につながる電話番号携帯電話など。本人でない場合は連絡者の氏名・続柄
機器の使用時間24時間、または使用する時間帯
緊急用電源の準備非常用電源・内部バッテリー・外部バッテリーの有無と稼働時間

供給地点特定番号の見つけ方は、供給地点特定番号と受電地点特定番号の違いで整理しています。

連絡先が変わったときは、個別の連絡ができなくなるおそれがあるため、速やかに連絡するよう案内されています。転居して不要になったときも同じです。

窓口は、0120-995-007です。0120が使えない場合は03-6375-9803(有料)になります。受付は月〜土の9時〜17時(日・祝日、年末年始を除く)で、停電などの緊急の用件は全日24時間受け付けています。

登録できる機器は案内によって表現が違う

東京電力パワーグリッドの案内は、対象を「停電により人命に影響を及ぼすおそれのある在宅医療機器」と書き、機器の種類を限っていません。

東京都北区の案内は、対象を「在宅で人工呼吸器を使用している方」とし、在宅酸素療法器と睡眠時無呼吸症候群治療器は人工呼吸器ではないため登録できないと書いています。

自分の機器が対象になるかは、東京電力パワーグリッドの窓口で直接確認するのが確実です。北区の記載は区の案内であり、東京電力パワーグリッド自身の案内の表現は上記のとおりです。

出典:東京都北区「在宅人工呼吸器使用者の停電時に備えた患者登録」(2025年10月21日更新)

東京都の非常用電源設備の補助(蓄電池も対象)

東京都の「在宅人工呼吸器使用難病患者非常用電源設備整備事業」は、都内で在宅難病患者に人工呼吸療法を実施する医療機関が、非常用電源設備を患者に無償で貸し出す場合の購入経費を補助します。補助の対象は医療機関で、患者が直接申請する制度ではありません。

項目内容
対象物品自家発電装置、無停電電源装置、蓄電池(自家発電装置と蓄電池はどちらか一方)
対象の患者指定難病または東京都難病医療費助成対象疾病の在宅人工呼吸器使用者で、原則として常時使用している方。原則として年度の4月1日以降に在宅療養を開始した方(それ以外は担当に問い合わせ)
耐用年数自家発電装置・無停電電源装置は6年、蓄電池は5年
対象外交付決定前に購入した物品。区市町村の日常生活用具給付事業など、他の制度で取得できる場合

蓄電池が対象物品に追加されたのは令和3年12月です。要綱は令和8年6月30日に改正されています。申請の流れは、交付申請、交付決定、物品購入、実績報告の順で、交付決定通知は申請後1か月程度で送付されると案内されています。

対象の患者や申請の可否は、主治医の医療機関を通じて東京都に確認してください。

出典:東京都保健医療局「在宅人工呼吸器使用難病患者非常用電源設備整備事業」(2026年6月30日更新)

電源の備えを選ぶときの確認先

蓄電池やポータブル電源の容量は、本記事では目安を示しません。東京電力パワーグリッドは、非常用電源や無停電装置の設置と、事前の医療機関・機器メーカーへの相談を求めています。

家庭用蓄電池とポータブル電源の違いは蓄電池とポータブル電源の違い、停電時に使える電源の種類は停電・備蓄用電源の比較、ポータブル電源の安全表示はPSEマークの確認で整理しています。

停電復旧時の火災対策は感震ブレーカーと停電復旧時の火災対策、太陽光のある家の停電時の使い方は自立運転の使い方が参考になります。卒FIT後の年間収支は卒FIT後の比較シミュレーターで試算できます。

よくある質問

Q東京電力パワーグリッドの事前登録は、誰が申し込みますか?

A登録を希望する本人または家族が、東京電力パワーグリッドへ連絡します。後日、同社の担当箇所から登録に必要な内容の問い合わせがあります。窓口は0120-995-007で、受付は月〜土の9時〜17時です。停電などの緊急の用件は全日24時間受け付けています。

Q登録すれば、停電しないようになりますか?

Aなりません。登録は、停電が起きたときに停電の発生や復旧見込みの時間を、可能な範囲で電話などで個別に連絡してもらう仕組みです。夜間・休祝日や広範囲の停電では、連絡が遅れることがあります。

Q在宅酸素療法の機器でも登録できますか?

A東京電力パワーグリッドの案内は、対象を「停電により人命に影響を及ぼすおそれのある在宅医療機器をご使用のお客さま」としています。一方、東京都北区の案内は、在宅酸素療法器と睡眠時無呼吸症候群治療器は人工呼吸器ではないため登録できないとしています。案内によって表現が異なるため、登録できるかは東京電力パワーグリッドの窓口で確認してください。

Q蓄電池やポータブル電源は、どれくらいの容量が必要ですか?

A容量や稼働時間は、機器の消費電力と使い方で変わります。本記事では目安を示しません。東京電力パワーグリッドも、事前に医療機関や医療機器メーカーへ相談するよう案内しています。

本記事は制度の一般的な情報提供で、医療上の助言ではありません。使用する機器に必要な電源や停電時の対応は、主治医・医療機器メーカーにご相談ください。制度の内容は変わることがあるため、申し込み前に各窓口で最新の案内をご確認ください。特定の施工業者・製品を推奨するものではなく、電気工事の設計・実施には関与しません。

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