目次

EVやV2Hで夜に充電する世帯が時間帯別プランを見るときは、夜間の単価の安さだけでなく、夜間が始まる時刻と終わる時刻、昼の単価、契約の縛りの3点を確かめます。時間帯別プランは、夜間の単価を安くする代わりに、昼の単価を高くする作りが一般的です。ここでは東京電力エナジーパートナーの「夜トクプラン」(夜トク8・夜トク12)を例に説明します。

出典:東京電力エナジーパートナー「夜トクプラン(夜間・深夜割引)」・「夜トク8・12の供給条件における重要事項」(2026年10月10日確認)

確認項目1:夜間に切り替わる時刻

夜トクには、夜間の時間帯が違う2つのコースがあります。供給条件の重要事項に、次の料金表が載っています(税込、関東エリア)。

夜トク8・12の電力量料金(1kWhあたり、税込)
コース時間帯2026年10月31日まで2026年11月1日以降
夜トク87時〜23時42円60銭42円65銭
23時〜翌7時31円64銭31円69銭
夜トク129時〜21時44円16銭44円21銭
21時〜翌9時33円33銭33円38銭

夜間の長さは、夜トク8が8時間、夜トク12が12時間です。帰宅後に車をつなぐ時刻が21時ごろなら夜トク12の夜間に入りますが、23時を過ぎてからつなぐ使い方なら、どちらのコースでも夜間に入ります。反対に、タイマー設定をしないで19時に充電を始めると、どちらのコースでも昼の単価で充電することになります。

充電の開始・終了時刻を設定できるかは、充電器やV2H機器の仕様で確かめます。時間帯別の充電の考え方は普通充電の出力と充電時間も参考になります。

確認項目2:昼の単価と、昼の使い方

同じ料金表で、昼の単価と夜間の単価の差を計算すると、夜トク8は10円96銭、夜トク12は10円83銭です。夜に充電した分だけ見ると安くなりますが、昼の単価は夜トク8で42円60銭、夜トク12で44円16銭なので、昼に家で使う電気はその単価で計算されます。EVの充電を夜に寄せられても、昼の在宅時間が長い世帯や、昼に電気を多く使う世帯では、世帯全体の電気代が下がるとは限りません。

基本料金も確認します。重要事項では、基本料金は契約電力1kWにつき255円69銭(2026年10月31日まで)、377円36銭(2026年11月1日以降)です。契約電力は30分ごとの使用電力量の月間最大値を2倍した最大需要電力にもとづき、その月と前11か月のうち大きいほうで決まります。

夜間にEVを充電すると、30分ごとの使用電力が大きくなり、契約電力が上がる可能性があるため、充電器の出力も確認が必要です。充電器の出力の目安はEV充電設備の種類で整理しています。

V2Hで夜に車へためた電気を昼に家へ給電する使い方では、昼の買電が減ります。ただし、プランの条件としてV2Hの扱いが書かれているかは、今回確認した公式資料の範囲では確認できませんでした。

V2Hを設置した場合のプランの扱いは、契約中の電力会社に問い合わせてください。V2Hの機能の違いはEV充電設備とV2Hの違いにまとめています。

確認項目3:契約の縛り

供給条件の重要事項で、契約期間は「契約が成立した日から、お客さままたは東京電力が契約を解約する日まで」とされています。確認できた範囲では、契約期間の年数を定めた記載や、お客さまが解約するときの解約料の記載は見当たりませんでした。違約金として書かれているのは、電気工作物の改変などで不正に電気を使い、料金の支払いを免れた場合(免れた金額の3倍)です。

一方、他の会社から切り替える場合の注意として、現在の契約を解約すると、そのプランで再度加入できなくなるおそれがあること、現在の会社から解約違約金を請求される可能性があることが書かれています。夜トクへ切り替える前に、いま入っているプランに期間の縛りや解約料がないかを確かめます。

なお、東京電力の別のプランであるスマートライフ(オール電化)は、公式ページに夜間蓄熱式機器の使用が申込みの条件として書かれています。夜間料金が安い時間帯別プランの世帯が蓄電池を比べる前の確認点で整理しています。

料金単価は2026年11月1日に改定される

重要事項には、2026年11月1日から料金単価を見直すと書かれています。電力量料金は上の表のとおり約5銭上がり、基本料金は契約電力1kWにつき255円69銭から377円36銭へ、最低月額料金は328円08銭から368円64銭へ変わります。

単価変更日を含む月の電気料金は日割計算とされています。比較に使う単価は、どの日付の料金かをそろえてください。

切り替え前に自分で確かめる手順

  1. 01

    充電する時刻を決める

    車をつなぐ時刻と充電が終わる時刻を決め、夜間の時間帯に収まるかを確認します。

  2. 02

    検針票で昼夜別の使用量を見る

    いまの契約で昼と夜がそれぞれ何kWhか、EVを入れたあとの充電量を足すとどうなるかを計算します。

  3. 03

    昼の単価と基本料金をそろえて比べる

    現行プランの昼の単価と基本料金を、料金表の日付をそろえて比べます。

  4. 04

    契約の縛りを確かめる

    いまのプランの解約料と、切り替え先の契約期間・解約条件を、それぞれの供給条件で確かめます。

実質単価の求め方は電気代の実質単価、プランを切り替える手続きは電力会社・プランの切り替え、EVの充電の電気代の計算はEVの自宅充電の電気代と卒FIT売電の比較で扱っています。売電・蓄電池・電力プランの切り替えを同じ条件で比べる場合は、卒FIT後の比較シミュレーターも使えます。

この記事で確認できていないこと

  • 東京電力以外の電力会社の時間帯別プランの時刻・単価・契約条件
  • 夜トクでV2Hやエネファームなど他の設備を使う場合の扱い
  • 2026年11月1日以降の燃料費調整額や再エネ賦課金を含めた実際の請求額

よくある質問

Q夜トクの料金は、EVを持っていなくても申し込めますか?

A東京電力の公式ページは、夜トクプランを「日中は不在がちだったり、電化製品を夜間に使用することが多いなど、夜間の電気をおトクに活用したいお客さまにおすすめのプラン」と案内しています。確認できた範囲では、EVの有無や夜間蓄熱式機器の設置を申込みの条件にする記載は見当たりませんでした。申込条件は申込み前に公式ページと供給条件で確かめてください。

Q夜トク8と夜トク12は、どちらがEVの充電に合いますか?

Aどちらが合うかは、車をつなぐ時刻と充電が終わる時刻で決まります。夜トク8の夜間は23時から翌7時、夜トク12は21時から翌9時で、夜間の単価はどちらも昼より安い一方、昼の単価は夜トク12のほうが高く設定されています。特定のプランを勧めるものではありません。自宅の充電時刻を決めてから料金表で比べてください。

QV2Hで昼に家へ給電する場合も、時間帯別プランの確認が必要ですか?

A必要です。夜間に充電して昼に家へ給電する使い方では、昼の買電が減る一方、給電で賄えない昼の使用は、料金表の昼の単価で計算されます。V2Hを設置した場合のプランの扱いは今回の公式資料では確認できていません。プランを変えたときの総額は、検針票の昼夜別の使用量で確かめます。

本記事は一般的な情報提供です。料金や条件は改定されることがあるため、申込み前に公式ページと供給条件の最新版を確認してください。電気工事の設計・実施、個別の投資・税務助言は行いません。