太陽光発電システムの「点検商法」に関する相談は、国民生活センターの集計で2024年度613件と、2017年度(57件)の10倍以上に急増しています。「点検が義務化された」「無料で点検する」と事業者が訪問し、点検後に高額な洗浄・コーティング契約を迫る手口が典型例です。
出典:国民生活センター「太陽光発電システムの点検商法が急増!」(2025年6月4日公表)
点検商法の相談件数の推移
| 年度 | 相談件数 |
|---|---|
| 2017年度 | 57件 |
| 2018年度 | 59件 |
| 2019年度 | 53件 |
| 2020年度 | 62件 |
| 2021年度 | 90件 |
| 2022年度 | 154件 |
| 2023年度 | 304件 |
| 2024年度 | 613件 |
相談事例では、事業者が「太陽光パネルの点検が法律で義務化された」「パネルによる火災事故が起こっている」と説明して無料点検を行い、後日「サーモモニターで確認したところ赤くなっているので洗浄とコーティングが必要」などと約40万円の契約を迫ったケース(2024年12月受付・80歳代女性)が報告されています。太陽光発電システムの点検自体は電気事業法・再エネ特措法等の関係法令にもとづく維持管理の対象になり得ますが、対象になるかはFIT・FIP制度の利用有無や出力等によって異なり、一律に「義務化された」と言い切れるものではありません。なお、実際の事故件数や原因はNITEの事故データで確認できます。
家庭用蓄電池の訪問勧誘トラブルも増加
家庭用蓄電池についても、国民生活センターへの相談件数は2016年度325件から2020年度1,314件へと増加しています。「事業者の突然の訪問をきっかけに『この値段は今日限り』と契約を急かされた」「電力会社の関連会社を名乗る事業者に勧誘された」「太陽光の無料点検で訪問した事業者に蓄電池を勧誘された」といったケースが報告されています。約200万円の契約後、当初の説明と工事担当者の説明が食い違ったという相談事例もありました。
出典:国民生活センター「家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!」(2021年6月3日公表)
国民生活センターは、蓄電池のメリットだけでなく導入コストも考慮すること、必ずしも自家消費が売電より経済的に有利とは限らないこと、その場で契約せず複数社から見積もりを取り比較検討することをアドバイスしています。本サイトの国の補助金の現状のように、補助金の実際の内容は事業者の説明ではなく公式情報で確認できます。
クーリング・オフでその場の契約を見直せる
「安く契約できるのはあと2件」と急かされて約300万円の契約をしてしまった相談事例に対し、国民生活センターは「特定商取引法の訪問販売に該当する場合には、契約書面を受け取った日を含む8日間はクーリング・オフを行うことが可能」と回答しています。特定商取引法では、事業者が訪問販売を行う際に、氏名(名称)、契約締結を勧誘する目的である旨、販売しようとする商品の種類を消費者に告げることが義務付けられています。
出典:国民生活センター「突然訪問されて太陽光発電設備と家庭用蓄電池を契約した」(2021年7月21日公表)、国民生活センター「クーリング・オフ」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 期間 | 契約書面(または申込書面)を受け取った日を1日目として8日間 |
| 起算日 | 申込書面・契約書面のいずれか早いほうを受け取った日 |
| 通知方法 | 書面(はがき等)のほか、2022年6月1日以降は電子メール等の電磁的記録でも可能 |
| 期間経過後 | 書面の記載内容に不備がある場合や、事業者がクーリング・オフを妨害した場合は、期間を過ぎても可能な場合がある |
クーリング・オフができる取引かどうか分からない場合や、手続きの書き方が分からない場合は、自分で判断せず、消費生活センター等(消費者ホットライン「188(いやや!)」)に相談してください。
訪問を受けたときに確認すること
- 事業者の氏名(名称)・訪問の目的・販売しようとする商品を確認する
- 「今日だけ」「あと◯件」など契約を急かす説明はその場で判断しない
- 点検・工事・補助金の契約は複数社から見積もりを取り比較検討する
- 補助金の内容は事業者の説明でなく公式サイトで確認する
- 契約してしまった場合もクーリング・オフの期間内かどうかをまず確認する
本サイトは特定の施工業者・点検業者を推奨せず、卒FIT後の3つの選択肢を同じ条件で比較する試算のみを提供しています。実際に導入を検討する際は、複数社から見積もりを取ったうえで、卒FIT後の比較シミュレーターの試算と照らし合わせてください。
よくある質問
Q「点検が義務化された」と言われました。本当ですか?
A太陽光発電設備の点検は電気事業法・再エネ特措法等の関係法令にもとづく維持管理の対象になり得ますが、対象になるかはFIT・FIP制度の利用有無や出力等によって異なります。「義務化された」という説明だけを理由にその場で契約する必要はなく、まずは点検の要否を確認してください。
Q訪問販売で契約してしまいました。クーリング・オフはできますか?
A特定商取引法上の訪問販売に該当する場合、契約書面を受け取った日を含む8日間はクーリング・オフができます。書面の記載内容に不備があるときは、期間を過ぎていてもクーリング・オフできる場合があります。不明な場合は消費生活センター等(消費者ホットライン188)に相談してください。
Q「今日契約すれば安くなる」「補助金でお得になる」と言われました。急いで契約すべきですか?
Aいいえ。国民生活センターは、その場で契約せず複数社から見積もりを取り比較検討するよう案内しています。補助金の実際の内容・受付状況は事業者の説明を鵜呑みにせず、公式サイトで確認してください。
本記事は国民生活センターの公表資料にもとづく一般的な情報提供です。個別のクーリング・オフの可否や手続きは消費生活センター等にご確認ください。特定の施工業者・点検業者を推奨するものではなく、個別の投資・税務助言、電気工事の設計・実施は行いません。