NITE(製品評価技術基盤機構)の集計では、2014年度から2023年度までの10年間に太陽光発電設備の事故は約200件報告されています。設備ごとの内訳は、パワーコンディショナが約7割、太陽電池モジュール(パネル)が2割弱、その他の設備が約1割です。

出典:製品評価技術基盤機構(NITE)製品安全情報マガジン Vol.473「太陽光発電設備の事故」

事故の主な原因

設備別の事故内訳(2014〜2023年度)
パワーコンディショナ約7割太陽電池モジュール2割弱その他の設備約1割
設備別の事故内訳と主な原因
設備割合主な原因
パワーコンディショナ約7割施工不良を除くと、高温・多湿・水分・ほこりの多い設置環境による基板等のトラッキング現象での発煙
太陽電池モジュール2割弱飛来物等の外的要因による破損、バイパスダイオードの故障による異常発熱
その他の設備約1割配線・接続箱等

NITEが公表した事故事例には、脱衣所(高温・多湿・ほこりの多い場所)に設置したパワーコンディショナが発煙した例(2022年東京都)、飛来物の衝撃でパネルが破損しバイパスダイオードの故障で焼損した例(2020年兵庫県)、モジュール設置台のレールにケーブルが挟み込まれ損傷し出火した例(2022年岡山県、発電状況の遠隔監視で異常の兆候があったが約4年間、施工店が定期保守点検をしていなかった)が挙げられています。「点検が義務化された」という訪問販売の説明が事実と異なる場合がある一方で、実際の点検・維持管理には意味があることが、この事故データからも分かります。住宅用(10kW未満)の設備に電気事業法上の法定点検義務があるかどうかは出力区分にもとづく点検義務の有無で確認できます。

日常でチェックすべきポイント

  1. 01

    設置環境を確認する

    屋外設置のパワーコンディショナ・接続箱が、雨・砂塵・虫の侵入を受けやすい環境になっていないか確認します。

  2. 02

    外観・異音を確認する

    機器の外観異常や異音・異臭がないか、可能な範囲でチェックします。

  3. 03

    発電量の変化を確認する

    発電モニターの電力量を前年同月と比較し、大きな変化がないか確認します。比較方法は発電量低下の切り分け方で整理しています。

  4. 04

    新規導入時は設置場所を相談する

    屋外・屋内いずれの設置でも、雨や水分・湿気・ほこりの多い場所に設置されないか、施工業者と事前に打ち合わせます。

異常を感じた場合は自己判断で作業せず、販売店・工務店・メーカーに相談してください。パネルの汚れによる発電量低下との見分け方も参考にできます。設置に伴う近隣トラブル(反射光等)の法的責任は太陽光パネルの反射光トラブルと法的責任で整理しています。

定期点検と機器の寿命

NITEは、設置後1年目、その後は住宅用で4年に1度の定期点検を推奨しています。製品寿命の目安は、太陽電池モジュールが20年以上、パワーコンディショナが10〜15年とされ、同じ寿命感覚で長期間使用しているとパワーコンディショナ側の劣化から事故の発生率が高まる可能性があるとしています。パネルの変化は寿命・経年劣化と故障の見分け方、パワーコンディショナの交換時期はこちらで確認できます。

点検・交換にかかる費用も踏まえた卒FIT後の収支は、当サイトの卒FIT後の比較シミュレーターで確認できます。

台風・大雪・落雷への設計上の備えと災害後の確認は災害対策のガイドで整理しています。

表面ガラスの割れを見つけた場合は破損パネルの危険性と連絡先を確認してください。事故で設備が破損した場合に火災保険で補償されるかは、東京都環境局・財務省の公式資料にもとづいて別記事で整理しています。施工後の雨漏りなどで相談先を整理する場合は施工不良・雨漏りの相談先を確認してください。

よくある質問

Q太陽光発電は本当に火災の危険がありますか?

ANITE(製品評価技術基盤機構)の集計では、2014〜2023年度の10年間で太陽光発電設備の事故は約200件報告されています。件数自体は限られますが、パワーコンディショナが約7割を占めており、設置環境や経年劣化への注意が有効とされています。

Qどの機器で事故が多いですか?

Aパワーコンディショナが約7割、太陽電池モジュールが2割弱、その他の設備が約1割です。パワーコンディショナは施工不良に起因するものを除くと、高温・多湿・水分・ほこりの多い設置環境でのトラッキング現象による発煙が主な原因とされています。

Q日常でどんな点をチェックすればよいですか?

ANITEは、屋外設置機器周囲の雨・砂塵・虫の侵入がないかの確認、外観異常や異音・異臭のチェック、発電モニターの電力量を前年同月と比較すること、設置後1年目とその後住宅用は4年に1度の定期点検を挙げています。

落ち葉などによる長期遮光とホットスポットの考え方は、パネルにかかる影の影響で整理しています。

本記事はNITEの公表資料にもとづく一般的な情報提供です。異常を感じた場合は自己判断で作業せず、販売店・工務店・メーカーに相談してください。特定の施工業者・メーカーを推奨するものではなく、電気工事の設計・実施、個別の投資・税務助言は行いません。