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スマートメーターは計測した電気の量を通信で送りますが、送り先によって経路が分かれます。Aルートは送配電事業者のネットワーク側へ、Bルートは自宅のHEMSなど宅内の機器側へデータを送る経路です。卒FIT後に売電量や自家消費の様子を自宅で確かめたい場合に案内されている経路は、Bルートです。

AルートとBルートの違い

資源エネルギー庁の「スマートメーターBルート運用ガイドライン」(第5.1版、令和8年3月27日)の図では、スマートメーターから送配電ネットワークへ向かう経路がA、EMS(エネルギー管理システム)やアグリゲーションコントローラーなどの宅内機器へ向かう経路がBと示されています。

項目AルートBルート
データの届け先送配電ネットワーク側(ガイドラインの図では小売等も接続)需要家宅内のHEMSなどの機器
宅内への通信方式(Bルートの項目のため記載なし)920MHz帯無線または2.4GHz帯無線(ガイドラインの図。関西電力送配電の規約ではPLC方式も記載)
需要家が取得できる情報電力等使用情報に料金情報などが付加・加工された情報積算電力量、瞬時電力、瞬時電流など(ECHONET Lite方式で提供)
提供までの時間大量のトラフィックに対応する設備投資が必要なため、一定程度の時間を要する比較的円滑にリアルタイムの情報を取得できる
取引・証明への利用Bルートの積算電力量・時刻との差異はない電力会社等の料金算定に用いられる積算電力量と時刻は、Aルートと差異なく取引・証明に使える

ガイドラインは、どちらの方法でも需要家が取得する電力等使用情報に差異はないとしています。違いは、データの届け先と、届くまでの早さ、付加される情報にあります。

出典:資源エネルギー庁「スマートメーターBルート(低圧スマート電力量メーター)運用ガイドライン[第5.1版]」、関西電力送配電「低圧電力メーター情報発信サービス お申し込み方法」(利用規約を含む)

Bルートで見られるデータと、売電量にあたる値

ガイドラインのBルート提供項目には、買う電気にあたる積算電力量計測値(正方向)と、売る電気にあたる積算電力量計測値(逆方向)の両方があります。30分ごとの定時積算電力量にも正方向と逆方向があり、そのほか1分積算電力量計測値、瞬時電力計測値、瞬時電流計測値が含まれます。

東京電力パワーグリッドは、HEMS機器で30分ごとの使用量や現在の電流値を把握できると案内しています。太陽光の売電量にあたる逆方向の値も、関西電力送配電の利用規約の発信データ一覧に含まれています。ただし、逆方向を計測しない計量器が設置されている場合は発信されません。また同じ規約には、再生可能エネルギー発電設備が全量配線で定額制の契約などの場合に、その電力量が正方向計測値として発信されることがあるとの注記もあります。売電量として読む前に、自宅の配線と契約の種類を確認してください。

履歴は関西電力送配電の規約で最大40日前(計量器によっては最大45日)まで保有されます。HEMS側で保存しないと長期の記録は残らないため、卒FIT前後の変化を比べたい場合は早めの接続が向いています。

出典:資源エネルギー庁「スマートメーターBルート運用ガイドライン[第5.1版]」、関西電力送配電「低圧電力メーター情報発信サービス お申し込み方法」、東京電力パワーグリッド「電力メーター情報発信サービス(Bルートサービス)」

検針票の値とBルートの値は同じか

ガイドラインは、Bルートで得られる電力等使用情報を使った取引・証明について、計量法の検定を受けたメーターから得られるデジタルデータなので、計量法上の問題はなく、Aルートから得られる情報と差異はないとしています。

したがって、電力会社等の料金算定に用いられる積算電力量と時刻については、Bルートで取得した値も同じ計量器のデータとして扱われます。一方でBルートのサービスはベストエフォート型で、東京電力パワーグリッドは設置場所の通信環境によってデータの遅延・欠損が生じる場合があるとしています。

出典:資源エネルギー庁「スマートメーターBルート運用ガイドライン[第5.1版]」、東京電力パワーグリッド「電力メーター情報発信サービス(Bルートサービス)」

どちらを使えばよいか

Aルートで需要家が情報を取得できる形は、ガイドラインでは提供に一定程度の時間を要するとされています。自宅のHEMSなどで売電量や使用量を確かめる経路として案内されているのは、Bルートです。申込先は電気の小売会社ではなく、地域の一般送配電事業者です。

使用量と売電量が見えたら、当サイトの卒FIT後の比較シミュレーターで、売電継続・蓄電池・買取プラン変更を比べられます。売電量の確認先は売電量の確認先にもまとめています。

よくある質問

QAルートとBルートで、見られる電気の量に差はありますか?

A資源エネルギー庁のBルート運用ガイドライン(第5.1版)は、次世代スマートメーター制度検討会の整理として、いずれの方法でも需要家が取得する電力等使用情報に差異はないとしています。Bルートの積算電力量と時刻は、計量法の検定を受けたメーターのデータとして、Aルートと差異なく取引・証明に使えるとされています。

QAルートのデータを自宅で直接受け取れますか?

Aガイドラインの整理では、Aルートは料金情報などが付加・加工された情報を需要家が取得できる経路ですが、大量のトラフィックに対応する通信網やサーバーの追加投資が必要なため、提供には一定程度の時間を要するとされています。自宅のHEMSなどでデータを受け取る経路として案内されているのはBルートです。

QBルートで太陽光の売電量にあたる値は見られますか?

AガイドラインのBルート提供項目には、積算電力量計測値の正方向と逆方向、30分ごとの定時積算電力量の正方向と逆方向が含まれます。関西電力送配電の利用規約でも逆方向計測値が発信データに含まれますが、逆方向を計測しない計量器が設置されている場合は発信されません。

QBルートを使うのに料金はかかりますか?

A東京電力パワーグリッドは「データの送信に費用はかかりません」と案内し、関西電力送配電の利用規約でも利用料は無料です。ただしHEMS機器など宅内の設備は利用者が用意します。申込の手順は別の記事で整理しています。

本記事は一般的な情報提供です。Bルートの提供項目、通信方式、申込方法は送配電事業者と計量器の種類によって異なり、変更されることがあります。利用前に契約地域の一般送配電事業者の公式案内を確認してください。