太陽光付きの中古住宅を買った側は、国のFIT認定の名義を自分に変える手続きと、電力会社に売電の受給契約を始める申込みの、2つを行います。東京電力パワーグリッドの案内では、申込みに事業計画認定通知書または変更認定通知書が要り、電気を使う側の契約が先に始まっている必要があります。
売る側の旧補助金の返還は太陽光付き住宅の売却ガイド、相続で名義が替わる場合は相続・名義変更のガイド、住まなくなった家の設備は空き家の太陽光の売電で扱っています。本記事は、買った・引っ越した側が売電を始めるまでの順番に絞ります。
全体の順番
| 順 | やること | 窓口 |
|---|---|---|
| 1 | 国のFIT認定の名義を、買い手に変える(事業譲渡等の手続き) | 国の電子申請(FITポータル) |
| 2 | 電気を使う側の契約を、入居日に合わせて開始する | 契約する小売電気事業者など |
| 3 | 売電の「受給契約開始」を、申込書と認定通知書の写しで申し込む | 送配電事業者(例:東京電力パワーグリッド) |
この順番は公式資料に明記されたものではなく、当サイトの整理です。東京電力パワーグリッドは、同社に出す契約情報が事業計画認定の情報と一致している必要があるとしています。
国の整理表の留意事項にも、名義変更で特定契約の変更が必要なときは、変更認定通知書の写しか、事前・事後変更届出の受理日が分かるものを電力会社へ出すと書かれています。
国の名義変更:整理表が挙げる書類
国のFITポータルの操作マニュアル(第68版・2026年10月1日付)に載る変更手続整理表では、事業譲渡等の場合の添付書類として、次のものが挙げられています。申請・届出は、譲受人(買い手)が行う必要があるとされています。
| 書類 | 個人が買い手の場合の補足 |
|---|---|
| 譲渡契約書または譲渡証明書 | 譲渡に停止条件が付いている場合は、その成就が確認できる資料も必要 |
| 双方の住民票の写し等 | 住民票の写し、住民票記載事項証明書、戸籍謄(抄)本のいずれか |
| 契約当事者双方の印鑑証明書 | — |
| 土地の取得を証する書類等 | 土地登記簿謄本、不動産売買・賃貸借契約書など |
| 事業実施体制図、関係法令手続状況報告書 | — |
太陽光パネルは建物附属設備として認められていないため、事業譲渡の際は、建物と別に明示することが必要とされています。不動産の売買契約書に設備の記載がないときは、売り手と買い手で書き方を先に決めておく必要があります。
出典:再生可能エネルギー電子申請システム|操作マニュアル【変更認定申請】(第68版 2026年10月1日)/資源エネルギー庁「変更内容ごとの変更手続の整理表」(PDF)
電力会社の受給契約開始:申込みの流れ
東京電力パワーグリッドの低圧(50kW未満)の案内では、お引越し先に再生可能エネルギー発電設備が設置されている場合は「受給契約開始」の手続きとされています。流れは次の3つです。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| (1) | 事業計画認定通知書または変更認定通知書(発行元:JPEAまたは経済産業局)を用意する |
| (2) | 電力受給契約申込書で、手続きの種類「受給契約開始の手続き」を選んで記入する |
| (3) | (1)と(2)を、申込書に書かれた宛先へメールで送る |
申込みの際は「再生可能エネルギー発電設備からの電力受給契約要綱」と「自家発電設備等の低圧電線路との連系に関する契約要綱」の承認が求められます。
出典:東京電力パワーグリッド|受給契約(FIT)のお手続き(発電出力50kW未満・受給契約開始)
引っ越しの時期で気をつける3点
受給契約の開始日は申込書の受領日以降で、電気を使う側の契約が始まっていない場所では手続き自体が受け付けられません。引き渡し日が決まったら、使用開始の手続きを先に済ませてから申し込む順番になります。
希望する契約開始日より1か月以上前に申し込むと、申込書がいったん返却され、再度の申込みになることがあると案内されています。1か月以上前の申込みは避けるのが無難です。
電気を使う側の契約の廃止期日と日割計算は引っ越しで電気契約をやめるときの約款の定めで確認できます。
一度契約が解約になり「受給契約解約のお知らせ」が届いた設備で売電を再開する場合も、改めて受給契約開始の手続きと、最新の事業計画認定通知書の提出が必要とされています。
FITが終わっている設備のとき
東京電力パワーグリッドは、固定価格買取制度(FIT)が終了している場合は、売電可能な事業者(小売電気事業者)への申込みが必要としています。FITの期間が残っているかの確かめ方は、下の設備IDの記事にまとめています。
設備IDの調べ方はFIT設備IDの調べ方、期間満了後の売電先の選び方は買取先を変える手続き、買取単価の比較は卒FIT買取単価の比較で確認できます。入居後の収支は、当サイトの卒FIT後の比較シミュレーターで試算できます。
氏名や住所が変わるだけの場合はFIT認定事業者の氏名・住所変更の早見を参照してください。
この記事で確認できていないこと
他の地域の送配電事業者が、同じ書類・順番を求めるかは、本記事では確認していません。
また、国の整理表の事業譲渡の行が、変更認定申請と事後変更届出のどちらの列に当たるかの読み取りは、売却を扱う既存の記事に従っています。実際の申請では、国のFIT・FIP制度の問合せ窓口(0570-057-333)と契約先の電力会社に確かめてください。
出典:資源エネルギー庁|変更認定申請又は届出手続における提出書類に係る参考様式(問合せ窓口の記載)
よくある質問
Q引っ越し先の太陽光で、電力会社への売電の手続きはありますか?
A東京電力パワーグリッドには、お引越し先に再生可能エネルギー発電設備が設置されている場合の「受給契約開始」の手続きが案内されています。FITの認定が引き継がれるかどうかは、本記事では一次資料で確認できていません。また、固定価格買取制度(FIT)が終了している設備は、同社ではなく売電可能な事業者(小売電気事業者)への申込みが必要と書かれています。
Q家に入居する前に、受給契約の申込みはできますか?
A東京電力パワーグリッドの案内では、電気を使う側(使用側)の契約が始まっていない場所では、受給契約の手続きは受け付けられません。先に使用開始の手続きをするよう書かれています。
Q売電開始の日は、申込みの日にさかのぼりますか?
A受給契約の開始日は、同社が申込書を受領した日以降と案内されています。申込み前の売電分が遡って契約されるとは書かれていません。
手続きの要否は設備ごとに異なるため、国のFIT・FIP制度の問合せ窓口と契約中の電力会社に確認してください。不動産取引の判断、特定の施工業者・製品の推奨、電気工事の設計・実施は行いません。