設置済みの太陽光発電にも、蓄電池は後付けできます。メーカーの解説では、単機能型は既設の太陽光に追加でき、ハイブリッド型にするかどうかはパワーコンディショナ(太陽光の直流電力を家庭用の交流に変える機器、以下パワコン)の状態で考え方が変わるとされています。

後付けした場合の年間差額と単純回収年数は、卒FIT後の選択肢比較シミュレーターで概算できます。

出典:オムロン ソーシアルソリューションズ「家庭用蓄電池の比較」

後付けで分かれるのは「既設パワコンを使うか」

オムロン ソーシアルソリューションズの解説では、蓄電池は大きく単機能型とハイブリッド型に分かれます。単機能型は充電と放電だけを行うタイプで、設置済みの太陽光発電に追加して設置できるとされています。

ハイブリッド型は太陽光の電気を直接ためて自家消費を高められるタイプで、パワコン一体型のモデルもあり、省スペースにできると説明されています。2つの違いはハイブリッド型と単機能型の違いで詳しく整理しています。

出典:オムロン ソーシアルソリューションズ「家庭用蓄電池の比較」

既設パワコンの状態による考え方の違い

同じ解説には、既設のパワコンの状態に応じた導入方法が書かれています。

既設パワコンの状態解説にある導入方法
新しく、保証期間も残っている単機能型を導入し、パワコンが故障したときにPVユニットへ交換してハイブリッド型にする方法がある
古い、または故障しているPVユニットに置き換えることで、太陽光パネルをそのまま活かしてハイブリッド型にできる

どちらの方法が使えるかは、蓄電池のメーカーと機種で異なります。上の表はオムロン ソーシアルソリューションズの解説にある一般的な考え方で、すべての製品に当てはまるわけではありません。

出典:オムロン ソーシアルソリューションズ「家庭用蓄電池の比較」

電力会社への報告は、契約内容が変わるかで決まる

太陽光発電協会(JPEA)の公式回答では、電力受給契約書の内容(出力・住所・名義)に変更がなければ、蓄電池を付けても報告は不要です。

一方、パワコンを替えて契約上の出力が変わる場合は、この条件から外れます。資源エネルギー庁の整理表には「発電設備の出力」の変更が独立した項目としてあり、出力を変えるときは接続の同意を証する書類(出力変更後のもの)やPCS仕様書などの添付書類が要るとされています。届出の詳しい扱いは電力会社への届出の記事と卒FIT・太陽光・蓄電池の手続き一覧で確認できます。

出典:太陽光発電協会(JPEA)公式FAQ/資源エネルギー庁「変更内容ごとの変更手続の整理表」(PDF)

設置場所の確認項目

オムロン ソーシアルソリューションズの解説によると、屋内に設置する場合は十分なスペースが要り、排熱に合わせた換気をしないと性能が下がる可能性があるとされています。屋外設置か屋内設置かで、確認する点が変わります。設置場所と寿命・保証の関係は蓄電池本体の設置環境が寿命・保証に与える影響で整理しています。

出典:オムロン ソーシアルソリューションズ「家庭用蓄電池の比較」

既設の太陽光パネルとパワコンの確認項目

産業技術総合研究所の講演資料では、電圧誘起劣化(PID)は高いシステム電圧に起因して、比較的短期間で発電性能が大きく下がる劣化の総称とされています。蓄電池を足す前に、既設パネルの製造年と型番、発電量が以前より落ちていないかを、設置時の書類や発電量の記録で確かめておくと、見積の相談がしやすくなります。

この資料は太陽電池の種類ごとの劣化の仕組みと抑止法を扱うもので、既設の住宅用パネルが蓄電池の追加で影響を受けるかどうかは示していません。蓄電池との接続の可否は、メーカーと販売店の確認が必要です。

もう一つの確認項目は、既設の太陽光の回路数です。パワコンを蓄電池と一体のハイブリッド型に置き換える場合、蓄電池側の入力回路の数と見比べます。たとえば京セラの「Enerezza Plus」の公式仕様表では、太陽光を最大4回路で受けるマルチ入力型と記載されています。仕様の詳細はハイブリッド型と単機能型の違いで確認できます。

出典:産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター「各種太陽電池モジュールのPID現象と抑止法」(PDF)

後付けの前後で関わる周辺の制度

蓄電池を足すと、火災保険の扱いや税の控除も関わることがあります。それぞれ別の記事で整理しています。自宅で使った電気の環境価値をJ-クレジットにする仕組みは、卒FITの太陽光とJ-クレジットで扱っています。

関連する解説記事は次のとおりです。保険は「太陽光パネルは火災保険の対象?」、税の控除は「太陽光後付け・蓄電池と住宅特定改修特別税額控除の対象範囲」、消防署への届出は「蓄電池の設置に消防署への届出は必要?」です。既設の太陽光へ蓄電池だけを足す個人向けの県の補助は、宮崎県の蓄電池補助で整理しています。市の補助では、高知市の蓄電池補助が既設の太陽光を対象にしています。

よくある質問

Qすでに太陽光発電を設置している家にも、蓄電池は後付けできますか?

Aオムロン ソーシアルソリューションズの解説では、単機能型の蓄電池は設置済みの太陽光発電に追加して設置できるとされています。ハイブリッド型を選ぶ場合は、既設のパワーコンディショナとの関係を施工業者に確認する必要があります。

Q後付けすると電力会社への報告は必要ですか?

A太陽光発電協会(JPEA)の公式回答では、電力受給契約書の内容(出力・住所・名義)に変更がなければ報告は不要です。既設のパワーコンディショナを替えて出力が変わる場合は、この条件に当てはまりません。

Qパワーコンディショナが古い場合は、どちらのタイプが向いていますか?

Aオムロン ソーシアルソリューションズの解説では、パワーコンディショナが新しく保証期間も残っているなら単機能型を、古い場合や故障している場合はPVユニットへの置き換えでハイブリッド型にする方法があるとされています。どちらが合うかは機器の状態や契約で変わるため、見積もりのときに施工業者へ確認してください。

蓄電池の記事は蓄電池の記事一覧(選び方・設置の手続き・運転・安全・補助金別)から目的別に探せます。

本記事は一般的な情報提供です。後付けの可否や機器の組み合わせは、既設の機器・契約・導入する蓄電池によって異なるため、詳細は施工業者または契約先の電力会社に直接ご確認ください。特定の施工業者・製品を推奨するものではなく、電気工事の設計・実施には関与しません。

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