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電力会社は、契約を結ぶ前に、料金その他の供給条件を説明し、原則として書面を交付しなければなりません。施行規則が定める説明事項は26項目あります。

卒FIT後に電力プランを見直すときは、申込み画面や電話の説明を、この項目に照らして読み返せます。

出典:e-Gov法令検索「電気事業法」第2条の13・第2条の14/同「電気事業法施行規則」第3条の12

契約前に説明される26項目

施行規則第3条の12第1項は、説明すべき事項を第1号から第26号まで列挙しています。次の表は、それを8つのまとまりに分けたものです。

まとまり説明される内容(施行規則の号)
事業者と連絡先事業者名と登録番号、連絡先と問合せ・苦情の受付時間帯(第1・3号)。取次ぎや媒介の業者が入る場合はその旨と業者名・連絡先(第2・4号)
申込みと開始申込みの方法、供給開始の予定年月日(第5・6号)
料金料金とその算出方法(第7号)。燃料や電力の取引価格で料金が変わる場合は、その旨、変動額の算出方法、上限の有無(第8号)
そのほかの負担電気計器や配線工事の費用負担、そのほか利用者の負担になるもの、期間限定で減免する場合の内容(第9〜11号)
供給の仕様契約電力・契約電流容量、供給電圧と周波数、計測方法と料金調定の方法、支払方法(第12〜15号)
責任と期間託送供給等約款に定められた小売供給の相手方の責任に関する事項、契約期間と更新(第16〜18号)
変更・解約変更・解除・解約の連絡先と方法、期間の制限、違約金などの負担、そのほかの条件、事業者側からの変更・解除・解約に関する事項(第19〜23号)
電源と使用制限発電設備の原動力の種類などを特性とする場合はその内容と根拠、電気の使い方や機器の使用の制限(第24・25号)。そのほか重要な供給条件(第26号)

料金が市場価格や燃料価格に連動するプランでは、第8号の説明が大切です。経済産業省の指針は、メリットだけを告げてデメリットを告げないことを、説明義務に違反すると明記しています。料金が高くなる可能性と、上限の有無を、申し込む前に確認してください。仕組みは燃料費調整の仕組みと市場連動型プランの確認事項で整理しています。

出典:経済産業省・電力・ガス取引監視等委員会「電力の小売営業に関する指針」(令和8年6月8日改正)

契約前と契約後の書面

書面は2回出てきます。契約前には、第2条の13第2項の書面に、上の説明事項を記載して交付します。契約を結んだ後は、第2条の14により、遅滞なく別の書面を交付します。

契約前の書面契約後の書面
根拠電気事業法第2条の13第2項電気事業法第2条の14第1項
渡す時期説明をするとき契約を締結したとき、遅滞なく
記載事項施行規則第3条の12第1項の各号事業者の氏名・名称と住所、契約年月日、料金その他の供給条件

契約前の書面の文字は、日本産業規格Z8305の8ポイント以上と決められています。判断に影響する特に重要な事項は、枠の中に12ポイント以上で書きます(施行規則第3条の12第13項)。

書面を電子メールなどで済ませる条件

書面の代わりに電子的な方法を使うには、契約しようとする人の承諾が必要です(電気事業法第2条の13第3項)。承諾を得て提供した場合は、書面を交付したものとみなされます。

方法施行規則第3条の12第14項の条件
電子メール受け取った人が記録を出力して書面にできること
ホームページの閲覧出力できない場合は、記録した日から3か月間、消去・改変できないこと
記録媒体の交付説明事項を記録した媒体を渡すこと

電子的な方法で提供された場合でも、求めれば書面を交付するよう努めることとされています(同条第15項)。電話で説明を受ける場合の扱いは、よくある質問に載せています。

更新・変更のときに説明される範囲

場面説明する範囲(施行規則第3条の12)
新しく契約する第1項の各号すべて
契約を更新する契約期間(第17号)に関する事項(第3項、承諾を得ていない場合を除く)
契約内容を変更する変更する事項(第4項、承諾を得ていない場合を除く)
法令の改廃に伴う形式的な変更変更する事項の概要(第5項、承諾を得ていない場合を除く)

指針は、値上げなどの変更では、利用者が変更の説明だと気づきやすい伝え方が必要だとしています。十分な説明とはいえない例として、検針票や請求書の裏面に8ポイント未満の小さな文字で書くだけの方法と、メールやSMSで変更内容に触れずリンクだけを載せる方法が挙げられています。

出典:経済産業省・電力・ガス取引監視等委員会「電力の小売営業に関する指針」(令和8年6月8日改正)

申し込む前の使い方

解約金や契約期間の読み方は電気契約の解約金・契約期間の確認項目、事業者の登録確認は登録小売電気事業者の確認方法にまとめています。訪問や電話での勧誘に迷ったときは訪問販売トラブルに注意も参照してください。

プラン切替後の売電と電気代の収支は、卒FIT後の選択肢比較シミュレーターで概算できます。

よくある質問

Q電気の契約前の書面は、紙でなく電子メールでもよいのですか?

A電気事業法第2条の13第3項により、契約を結ぼうとする人の承諾を得れば、電子的な方法での提供が書面の交付とみなされます。施行規則は、電子メールの送信、ホームページの閲覧、記録媒体の交付の3つを挙げています。

Q電話だけの勧誘で契約前の書面は省かれますか?

A施行規則第3条の12第7項は、書面なしで電話により説明することへの承諾を得ている場合を、書面交付の例外としています。この場合も、説明の後に遅滞なく書面を交付しなければなりません(同条第8項)。

Q契約を更新するときも、毎回すべての項目を説明されますか?

A施行規則第3条の12第3項は、契約を更新する場合は、契約期間に関する事項(第17号)を説明すれば足りるとしています。ただし、簡略な説明にすることについて契約者の承諾を得ていない場合は、すべての項目の説明が必要です。

本記事は電気事業法・同施行規則・経済産業省の指針にもとづく一般的な情報提供です。個別の契約が法令に適合しているかの判断はできません。契約内容に疑問があるときは、事業者の問合せ窓口や消費生活センター等へご相談ください。特定の事業者を推奨するものではなく、電気工事の設計・実施には関与しません。

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