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発電量が0に見えても、夜間・停電中・自動停止の途中など、故障ではない場合があります。先に「時間帯」「停電の有無」「パワーコンディショナの表示」を地上から確かめ、安全に確認できない異常は触らずに販売店・施工店へ連絡する、という順で考えると迷いません。

確認の順番と、触ってよい範囲

発電しないときの確認順
順確認すること自分でしてよい範囲
1時間帯と天候(夜間・日の出前後・悪天候でないか)目視・モニターの表示を見る
2家全体の停電の有無照明・分電盤の表示を見る
3パワーコンディショナの表示・点検コード・異音・異臭表示を読み、控える・撮影する(地上から)
4煙・こげくさいにおい・水没・埋雪・破損がないか近づかず、運転停止と連系ブレーカOFFだけ。以後は触らない
5販売店・施工店・メーカーへの連絡控えた内容を伝える

屋根へ上る、機器のカバーを開ける、配線に触れる作業は、この確認順には含めません。

まず確認する:夜間・停電による自動停止

Q-Cells製の住宅用パワーコンディショナの取扱説明書(品番 HQJP-R55-A2・HQJP-R44-A2)には、次のように書かれています。日没時など太陽電池モジュールの発電がなくなると、パワーコンディショナは自動的に運転を停止し、日の出に発電を始めると自動的に運転を再開します。また商用電源が停電すると自動的に運転を停止し、復電すると自動的に運転を再開します。

ふだんの運転操作は不要で、自動で運転・停止を行う、とされています。夜間や停電中に発電量が出ないのは、この動きに当たる場合があります。停電中に太陽光の電気を使う自立運転は、手動の切り替えが必要な機種があります(停電時の自立運転機能)。

出典:Q-Cells「住宅用太陽光発電システム 屋外用マルチストリング型パワーコンディショナ 取扱説明書」(システムの構成とはたらき・パワーコンディショナの運転。品番 HQJP-R55-A2・HQJP-R44-A2)

表示や点検コードが出ているとき

パワーコンディショナの表示やエラーコードは、メーカーと機種で意味が異なります。同じ記号でも別の機種では別の意味になることがあるため、この記事では個別の記号の意味は説明しません。

お使いの機種の取扱説明書の「こんなときは」にあたる章で、表示の意味と案内された対応を確認してください。前掲のQ-Cells製の取扱説明書では、各パワーコンディショナの状態表示は切り換えて確認でき、発電電力・総積算のほか点検コードも表示できるとされています。

相談するときは、機器の型式、表示された記号、見た日時、発電表示の変化を控えておくと伝わります。地上から安全に撮れる写真や保証書も用意します(準備の一覧は太陽光発電の保守点検の確認内容)。発電量が前年同月より減っている場合の切り分けは発電量低下の前年同月比較、晴れた日の昼だけ出力が下がる場合は電圧上昇抑制も確認できます。

連系ブレーカを切ってよい場面と、触らない場面

取扱説明書(Q-Cells製の例)は、異常・故障時はただちに運転を停止し、太陽光発電システム連系ブレーカをOFF(切)にするよう求めています。

そのまま運転を続けると、感電・火災や故障の原因になるとされています。煙が出ている、こげくさいにおいがするときも、運転を停止して連系ブレーカをOFFにする、とされています。お手入れの前にも同じ操作が必要です。

一方で、次の操作は取扱説明書で禁止されています。

  • 分解・改造・お客様ご自身での施工・修理(火災・感電・故障の原因になる)
  • 雷鳴時・災害発生時にパワーコンディショナ本体へ手を触れること(感電のおそれ)
  • 水没・埋雪した後の使用(感電や発火のおそれ。購入した販売店または施工店へ相談)

停止の操作は、安全を確保するための手順です。原因の特定や復旧を自分で行うものではありません。ブレーカを入れ直して再開する手順は機種で異なるため、取扱説明書で確認してください。

出典:Q-Cells「パワーコンディショナ 取扱説明書」(安全上のご注意・パワーコンディショナの停止)

NITEの事故情報が示す、自分で確認する項目

製品評価技術基盤機構(NITE)は、2015年度から2024年度までの10年間に、太陽電池発電設備の事故が260件あり、そのうちパワーコンディショナが170件(約7割)だったと公表しています。パワーコンディショナでは、施工不良に起因するものを除くと、設置環境(温度・湿度・水分・ほこり)によるトラッキング現象による発煙が多いとされています。

同資料が「ユーザー・所有者」向けに挙げる確認は次の通りです。

  • 発電モニターの電力量をこまめに確認し、前年同月の発電量と比べる
  • 可能な範囲で機器の外観異常や異音・異臭がないか確認する
  • 台風などの後に発電電力量が大きく変わっていれば、販売店・工務店・メーカーへ相談する
  • 損壊した発電設備にはむやみに近づかない(破損・浸水していても光が当たれば発電することがあり、感電のおそれがある)
  • 相談先となる販売店・工務店・メーカーを事前に確認しておく

出典:NITE「住宅用の太陽電池発電設備の事故に注意」(2025年8月29日)

電気工事士法で線を引く範囲

電気工事士法第3条第2項は、第一種または第二種電気工事士でなければ、一般用電気工作物等に係る電気工事の作業(保安上支障がないと認められる軽微な作業として経済産業省令で定めるものを除く)に従事してはならない、と定めています。出力10kW未満の住宅用太陽光は、一般に一般用電気工作物にあたります。

配線の接続変更やパワーコンディショナ内部の作業を、所有者が自分で行うことは想定されていません。この記事の確認順が「見る・控える・連絡する」にとどまるのは、この理由です。何が軽微な作業にあたるかは個別の判断になるため、迷う作業はしないでください。

出典:e-Gov法令検索「電気工事士法」第3条

連絡するときの準備と、その後

販売店・施工店・メーカーへ連絡する際は、型式、表示された記号、発生日時、停電の有無、連系ブレーカの状態、地上から撮った写真を伝えます。保証の対象かどうかは保証書の対象機器・期間・免責事項で確認できます。設置から10年以上たつ場合はパワーコンディショナの交換時期も参考になります。

「無料点検」を名乗って訪問してくる業者から契約を急かされた場合は、訪問販売のクーリング・オフを先に確認してください。

停止期間の売電・自家消費の影響を含めた年間収支は、当サイトの卒FIT後の比較シミュレーターで試算できます。修理・交換費用は含まれないため、別に見積もりが必要です。

よくある質問

Q発電量がゼロのときは故障ですか?

A故障とは限りません。取扱説明書(Q-Cells製パワーコンディショナの例)では、日没などで発電がなくなると自動的に運転を停止し、日の出に発電を始めると自動的に再開するとされています。停電中も自動停止し、復電すると自動で再開します。まず時間帯と停電の有無を確認してください。

Q連系ブレーカを自分で切ってもよいですか?

A異常・故障時や、煙・こげくさいにおいがするときは、運転を停止して連系ブレーカを切るよう取扱説明書に書かれています。ただし切るのは安全確保のための操作で、原因の調査や修理ではありません。入れ直すかどうかはお使いの機種の取扱説明書で確認してください。

Qパワーコンディショナの蓋を開けて確認してよいですか?

A避けてください。取扱説明書では、分解・改造・お客様ご自身での施工・修理は火災・感電・故障の原因になるとして禁止されています。電気工事士法でも、一般用電気工作物等の電気工事の作業は、軽微な作業を除き、電気工事士でなければ行えません。

本記事は一般的な情報提供です。引用した取扱説明書は一例で、お使いの機種の表示・操作はメーカーごとに異なります。

異常時の対応や電気工事は、お使いの機種の取扱説明書に従い、販売店・施工店・メーカーへ相談してください。電気工事の設計・実施、個別の投資・税務助言は行いません。

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