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ハイブリッド給湯機(ガス+電気併用型)には、太陽光発電の余剰電力を使ってお湯を沸かす機能を搭載した機種があり、蓄電池を追加しなくても自家消費率を上げられる場合があります。ハイブリッド給湯機はヒートポンプユニット(電気)とガス熱源機を組み合わせ、通常は大量のお湯が必要なときだけガスをバックアップとして使う給湯機です。太陽光発電と組み合わせた場合、日中の余剰電力でヒートポンプ運転を行い、お湯として貯湯タンクに蓄えます。
出典:ノーリツ公式「ハイブリッド給湯機と太陽光発電の連携で実現する経済的でエコな生活」
ECO ONE(エコワン)のPV活用モードとユコアHYBRIDの連携機能の仕組み
リンナイの「ECO ONE(エコワン)」太陽光発電自家消費モデルは、「PV活用モード」という機能を備えています。太陽光発電の時間帯に積極的にヒートポンプの運転を行い、その電気でお湯を沸かして蓄えるモードです。冬季でもヒートポンプの消費電力は600W程度のため、曇天時など太陽光発電の出力が低いときも自家消費での沸き上げが可能とされています。
太陽光発電の電力を使って沸き上げを行う時刻の変更や、蓄電池への蓄電を優先する設定も可能です。
出典:リンナイ公式ニュースリリース「ハイブリッド給湯・暖房システムECO ONE太陽光発電自家消費モデル4月5日発売」(2021年4月14日)
ノーリツの「ユコアHYBRID」(HPHB R290シリーズ)には、天気予報と連動する「おてんき自動貯湯モード」と、リモコンや「わかすアプリ」から自家消費のON/OFFを手動設定する「消費優先モード」の2つが搭載されています。おてんき自動貯湯モードは、日本気象協会から提供される天気情報をもとに、晴れの日は昼間に沸き上げをおこなう仕組みです。
エコワンのPV活用モードの設定:切替えの場所と確認先
リンナイの公式FAQによると、エコワンの太陽光発電モードには「経済」「タイマー」「PV活用」の3つがあり、PV活用は太陽光発電の時間帯に積極的にタンクの沸き上げ運転を行うモードです。設定にはハイブリッド給湯器専用のリモコンが必要とされています。
HEMSコントローラー(ECHONET Lite通信に対応したもの)とつなぐと、HEMSが太陽光発電の出力情報をもとにPV活用モードのON/OFFを自動で行います。HEMSがない場合の切替えの具体的な操作順や、購入時にどのモードになっているかは、公式FAQでは確認できませんでした。お使いの機種の取扱説明書か、リンナイのFAQにある専用リモコン(MBC-301シリーズ)の設定動画で確認してください。
出典:リンナイ公式FAQ「ハイブリッド給湯器|太陽光発電モードについて知りたい」(No.3849)、同「エコワンのハイブリッド設定の方法を知りたい」(No.3200)
メーカー別の自動化の範囲と公式に確認できる数値
両社とも太陽光発電との連携機能を確認できますが、自動化の範囲や、公式に示されている効果の数値・比較対象は異なります。単純な優劣比較ではなく、それぞれの前提を確認したうえで見る必要があります。
| メーカー・機種 | 設定方法 | 公式に示されている効果 |
|---|---|---|
| リンナイ ECO ONE 太陽光発電自家消費モデル | 「PV活用モード」を標準搭載。HEMSコントローラーと連携すれば、太陽光発電の出力情報をもとにHEMSが自動でON/OFFする | 年間平均で電力自家消費率50%程度。従来のガス給湯器と比べて年間給湯ランニングコストを70%(79,300円)削減、年間CO2排出量を約65%削減 |
| ノーリツ ユコアHYBRID(HPHB R290) | 「おてんき自動貯湯モード」(天気予報連動・自動)と「消費優先モード」(リモコン・アプリで手動設定)の2本立て。「太陽光発電消費優先モデル」は消費優先モードを標準設定にした機種 | 太陽光発電消費優先モデルは、従来型LPガス給湯器と比べて年間給湯・保温光熱費を約79%(約97,000円)削減、家全体の一次エネルギー消費量を約45%削減 |
出典:ノーリツ公式ニュースリリース「戸建用ハイブリッド給湯システム『ユコアHYBRID』に太陽光発電消費優先モデルを追加」(2023年2月1日)
比較対象のガス給湯器(従来のガス給湯器/従来型LPガス給湯器)がメーカーごとに異なるため、削減率の数値をそのまま横並びで比較することはできません。
導入を検討する際は、お住まいの地域・現在お使いの給湯機を踏まえて、各メーカーまたは販売施工店に試算を確認してください。都市ガスとLPガスでは料金の決まり方自体が異なります。違いはエネファーム併用世帯のガス代(都市ガス・LPガス別)で整理しています。
エコキュート・エネファームとの違い
ハイブリッド給湯機は、電気(ヒートポンプ)とガスを併用する点で、電気だけでお湯を沸かすエコキュートや、ガスで自ら発電するエネファームとは仕組みが異なります。
いずれも太陽光の余剰電力を「お湯」または「電気」として活用する点は共通しますが、蓄える形と設備の仕組みが違います。エコキュートの太陽光連携(昼間沸き上げ)はエコキュートの昼間沸き上げ機能、エネファーム併用時の自家消費・売電量の変化はエネファームと太陽光の併用で解説しています。蓄電池を加えた組み合わせは太陽光・蓄電池・エネファームの併用で扱っています。
停電時の対応にも違いがあります。ノーリツ公式サイトの記載は箇所によって揃っておらず、「HPHB R290」シリーズなら電気とガスが両方止まっても太陽光発電の電気で給湯できるとする説明と、同じ状況への対応を「HYBRID-Sのみ」に限定する注記が同一ページ内に併存しています。対応可否は型番によって異なる可能性があるため、契約中の施工業者かメーカー公式に個別の確認が必要です。
停電時に電気を使い続けられるかどうかの基本的な仕組みは停電時の自立運転で確認できます。
出典:ノーリツ公式「ハイブリッド給湯機と太陽光発電の連携で実現する経済的でエコな生活」
卒FIT後に自家消費を増やす仕組みの経済的な意味合い
卒FIT後は売電単価が大きく下がる一方、電気を購入する単価はそのまま(またはそれ以上)であるため、太陽光の余剰電力は「売る」より「家庭内で使う」ほうが経済的な効果が大きくなりやすい状況です。確認先は次のとおりです。
卒FIT後の買取単価は買取単価の一覧と比較のしかた、電気代の実質単価は実質単価の求め方、自家消費率の意味と計算方法は自家消費率の解説にあります。卒FIT比較シミュレーターでは、売電継続・蓄電池併設・買取プラン変更それぞれの試算ができます(この試算にハイブリッド給湯機の節約効果は含まれていません)。
卒FIT後に確認すべき項目の全体像は、卒FITの基本(買取期間満了後に確認すること)で整理しています。
ハイブリッド給湯機の国の補助金は、ハイブリッド給湯機とエネファームの補助金(給湯省エネ2026)で整理しています。
まとめ
- ハイブリッド給湯機(ガス+電気併用型)には、太陽光発電の余剰電力でお湯を沸かす連携機能を搭載した機種があります。
- リンナイ「ECO ONE」の太陽光発電自家消費モデルは「PV活用モード」を標準搭載し、HEMS連携で自動ON/OFFできます。年間自家消費率50%程度、従来のガス給湯器比で年間ランニングコスト70%(79,300円)削減、CO2排出量約65%削減が公式に示されています。
- ノーリツ「ユコアHYBRID」(HPHB R290)は、天気予報連動の自動モードとリモコン・アプリでの手動モードの2本立てです。「太陽光発電消費優先モデル」は従来型LPガス給湯器比で年間光熱費約79%(約97,000円)削減、一次エネルギー消費量約45%削減が公式に示されています。
- 比較対象のガス給湯器が異なるため、両社の削減率をそのまま横並びで比較することはできません。
- 停電時の対応可否は型番によって異なるとみられ、ノーリツ公式サイトも記載箇所によって説明が揃っていないため、契約中の施工業者かメーカー公式への個別確認が必要です。
- 卒FIT後は売電単価が下がるため、自家消費を増やす仕組みの経済的な意味合いが大きくなります。
よくある質問
Qハイブリッド給湯機ならどの機種でも太陽光と連携できますか?
A本記事で確認できたのは、リンナイ「ECO ONE」の太陽光発電自家消費モデルと、ノーリツ「ユコアHYBRID」(HPHB R290、太陽光発電消費優先モデルを含む)の機能です。全機種が対応するわけではなく、対応可否・設定方法は機種・型番によって異なるため、お使いの(または検討中の)機種をメーカー公式サイトか販売施工店で個別に確認してください。
Q停電時にも給湯できますか?
Aノーリツ公式サイトの同じページ内でも、自然冷媒ハイブリッド「HPHB R290」シリーズなら電気とガスが両方止まっても太陽光発電の電気でヒートポンプを動かして給湯できると説明する箇所と、同じ状況への対応を「HYBRID-Sのみ」と注記する箇所が併存しており、記載が揃っていません。対応可否は型番によって異なる可能性があるため、契約中の施工業者かノーリツ公式に個別に確認してください。リンナイ製の停電時対応は本記事では確認できておらず、同様に個別の確認が必要です。
Q導入費用の目安はありますか?
Aリンナイの公式ニュースリリースでは、太陽光発電自家消費モデルの標準モデルの希望小売価格が902,000円(税込、2021年の発売時点)と示されています。ノーリツ側の価格は本記事では確認できておらず、いずれも設置条件で変わるため、見積もりで個別に確認してください。
本記事は一般的な情報提供です。対応機種・設定方法・効果は製品・使用状況・比較対象により異なるため、各メーカーの公式情報または契約中の販売施工店に個別にご確認ください。特定の施工業者・製品を推奨するものではなく、電気・ガス工事の設計・実施、個別の投資・税務助言は行いません。