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V2H充放電設備は、本体だけでなく、基礎・配線・ブレーカーなどの設置工事にも費用がかかり、国の補助では設置工事費が5つの項目に分けて扱われます。卒FIT後に太陽光の余剰電力をEVに充電して使う選択肢を考えるとき、工事費のどこまでが補助の対象かを先に知っておくと、見積書を読みやすくなります。対象は、応募要領のうち個人宅を含む「公共施設・災害拠点以外」の区分です。補助制度の全体像は記事「V2H充放電設備とは?蓄電池との違いと国の補助金」で整理しています。

設置工事費は5つの項目に分けて上限がある

応募要領では、個人宅、マンション等(共用分電盤)、その他施設の設置工事費は、次の5項目ごとに補助上限額が決められています。補助金の額は、工事項目ごとの上限の合計、工事費の合計、補助金交付上限額のうち、いずれか低い額です。

工事の項目項目ごとの補助上限額主な内容(応募要領の記載)
基礎工事35,000円V2H充放電設備を据え付けるための基礎の材料費・労務費
据付工事80,000円据付の労務費(本体の設定を含む)、重機のレンタル費・回送費
本体搬入費15,000円設置場所までの本体の搬入費
電気関連工事300,000円ケーブル・アース線(幹線を含む)、配管、ブレーカー・切替開閉器とそれを収める盤、配線ルートの確保
諸費用120,000円雑材・消耗品、養生、設置・配置の検討費、工事施工会社が行う電力会社との協議費

1基設置の場合の補助金交付上限は550,000円です。実績報告で補助対象経費が増えても、交付申請時に算定した交付決定額を超えることはありません。

出典:次世代自動車振興センター「V2H充放電設備 令和7年度補正 応募要領」4-7・4-8

工事が補助対象になるための要件

応募要領の4-9は、次の要件を満たさない場合、申請を受け付けられないか、その工事項目が補助対象にならないことがあるとしています。

  • 基礎・据付工事:V2H充放電設備メーカーが「取付け作業指示書」等で指示する、本体の基礎サイズの仕様を満たすこと。
  • 電気関連工事:メーカーが「取付け作業指示書」等で指示するケーブルの仕様を満たすこと。
  • 電気関連工事:V2H充放電設備本体等の性能を担保するブレーカー・切替開閉器を設置すること。

4-8は、原則として、センターが承認したV2H充放電設備の定格入出力等、性能を担保する工事を行うことが必要で、他用途に利用するための設置工事費は補助対象外になると書いています。契約容量や電圧など、個々の家庭で必要な条件は、応募要領には一律には書かれていないため、メーカーの作業指示書と見積もりをとる施工会社に確認してください。

補助対象外になる主な工事の例

応募要領の4-10は、補助対象とならない主な工事として、次のようなものを挙げています。

  • 屋根、小屋、防護用部材、電灯の設置に伴う材料費と設置の労務費
  • 太陽光発電システム(パネル等)の機器・部材・材料費と設置の労務費
  • V2H充放電設備以外の他用途に利用するための部材費・労務費(将来用の配線配管など、申告されたV2H以外の工事を含む工事)
  • 既設のV2H充放電設備の撤去・移設・処分、その他既存物の撤去・移動・処分にかかる費用
  • 一般管理費、現場管理費、共通仮設費、写真管理費、客先協議費、申請手続代行費、除雪費、石綿(アスベスト)調査費用

電気関連工事の対象外の例には、V2H以外の回路を含む幹線、将来用の配線、付帯設備(電灯)で使うケーブルも挙げられています。太陽光や蓄電池と連携する機器の扱いは4-11に別に定められているため、見積書にこれらが含まれる場合は応募要領の該当箇所で確認が必要です。

出典:次世代自動車振興センター「V2H充放電設備 令和7年度補正 応募要領」4-8〜4-10

申請と発注の順番

次世代自動車振興センターのV2H充放電設備の補助ページでは、補助金交付申請は設備の発注前・工事の施工開始前に必要で、発注と工事の開始は補助金交付決定日以降であることが必要と案内されています。交付決定は、不備のない申請を受け付けてからおおむね1〜2か月程度とされ、申請が集中するとさらにかかることもあります。見積書を取る前に、この順番を施工会社と共有しておくと、工事の着手が早すぎて対象外になる事態を避けられます。

出典:次世代自動車振興センター「V2H充放電設備」

卒FIT後の判断との関係

V2Hは設備本体の価格に工事費が加わります。この記事の上限額は補助の最大額で、実際の工事費や交付額を示すものではありません。EVへの充電に回す場合の電気代の比べ方は記事「EVの自宅充電の電気代と卒FIT売電の比較」、充電設備の補助は記事「EV充電設備の補助金」にあります。売電を続けた場合との比較は卒FIT比較シミュレーターで確認できます。

まとめ

  • 個人宅などの設置工事費は、基礎・据付・本体搬入・電気関連・諸費用の5項目で上限が決まっています(35,000円・80,000円・15,000円・300,000円・120,000円)。
  • 1基設置の場合の補助金交付上限は550,000円です。
  • ケーブルの仕様と基礎サイズはメーカーの取付け作業指示書に合わせ、性能を担保するブレーカー・切替開閉器を設置することが要件です。
  • V2H以外の回路や将来用の配線、屋根・電灯・太陽光の設置などは対象外です。
  • 申請は発注前・工事開始前に行い、発注と着工は交付決定日以降です。

普通充電の出力(3kW・6kW)と必要な電流の考え方はEV普通充電の出力3kWと6kWの違いで整理しています。

マンションや賃貸住宅で管理組合・大家への手続きが必要な場合はマンション・賃貸住宅でEV充電設備を付けるときの手続きの順番で整理しています。

見積書を受け取ったときに、機器代・工事費・申請代行・保証・補助金の扱いを項目別に確かめる手順は蓄電池・V2H・EV充電設備の見積書チェックリストで整理しています。

よくある質問

QV2Hの設置工事費は、補助金の対象になりますか?

A次世代自動車振興センターの令和7年度補正V2H充放電設備の応募要領では、個人宅などの設置工事費も、基礎工事・据付工事・本体搬入費・電気関連工事・諸費用の5項目に分けて補助の対象になります。1基設置の場合の補助金交付上限は55万円です。

Q電気関連工事には何が含まれますか?

A応募要領は、V2H充放電設備回路を構成するケーブルとアース線(幹線を含む)、配管、ブレーカーと切替開閉器の設置、それらを収める盤の設置、配線ルート確保に関係する工事などを、電気関連工事として挙げています。V2H以外の回路を含む幹線や将来用の配線は対象外です。

Q電力会社との協議にかかる費用は対象ですか?

A応募要領は、工事施工会社が電力会社と協議を行う費用を諸費用として計上できるとし、申請者自身が電力会社と協議を行う費用は対象外としています。

次に読む順番

  1. 充電設備の種類を比べる:戸建てのEV充電設備の種類を比べる(コンセント型・コンセントスタンド・ケーブル付き充電器の工事と向く使い方)
  2. 出力と必要な電流・専用回路を確かめる:EV普通充電の出力3kWと6kWの違い(充電時間の計算方法・必要な電流と回路)
  3. 補助金の内容と受付状況を確かめる:戸建て住宅充電用コンセント補助金(上限5万円)
  4. 見積書の項目を確かめる:蓄電池・V2H・EV充電設備の見積書チェックリスト(機器代・工事費・申請代行・保証・補助金の扱い)

状況別の全体の順番はEV充電・V2H・V2L・蓄電池の記事の読む順番にまとめています。

募集期間・上限額・要件は年度で変わる可能性があるため、申請前に最新の応募要領をご確認ください。個別の工事の可否や費用は施工会社の見積もりでご確認ください。